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2016/04/16

野坂昭如さんの絶筆を読みました

20160416_akiyuki_nosaka01

『絶筆/野坂昭如著(新潮社)』を読みました。
読んでいる最中に熊本の大きな地震被害の報があり、胸が締め付けられるような気持ちが続きました。
阪神淡路や新潟、東日本大震災、長野での大地震など私達日本人はこの自然の仕打ちといってもいいくらいの災害と向き合わねばならないことを思い知らされました。

野坂さんもこの死の数時間前まで書かれていたメッセージの中で、震災のことを何度も何度も取り上げていました。
「自然の営みに逆らうことは出来ない。火山列島であることを改めて知らされる。火山も地震も根は似たようなもの。予知など出来ない。ぼくらに出来るのは、細心の準備だけ。」と書かれていましたが、私達日本人は心細い思いをしながらも、この自然と付き合っていかねばならないことをあらためて思いました。

野坂さんは2003年、七十二歳のときに脳梗塞で倒れ、以後も夫人の手を借りて口述筆記の作家活動を続け、戦争童話、時事エッセイ、文明論、回想記、往復書簡、日記を急逝する数時間前まで書かれたわけですが、とにかく小さな出来ごとから社会の動きまで、世間のあらゆることに敏感に反応していることに、この本を読んで驚きました。

特に戦争に関係することについては集団自衛権、行使容認には歴史的暴挙であると強く訴えています。閣議で解釈変えようなど卑怯な手口。国民の皆さん、人殺しに加担することにもなりますが、覚悟はよろしいかと、はっきり聞くべきだと言っています。同感です。

ファーストフード店の異物混入についても、「食い物の安心を言うなら、今の食い物、ほぼすべてコワイ。添加物、遺伝子組み換え。もっともそれらによる被害が現われる頃、オレはもういない。」と書かれています。私もいないかもしれませんが、和食が無形文化遺産になったなどと浮かれている中、その食材はすべて輸入ものだったりします・・・。

今、次々と障害が発生して遅々として進まず、問題になっている、いわゆるマイナンバーについても、「すべての国民の背中には、番号が張り付けられている。このお上による管理は、ろくなことにつながらない。それは過去が示している。」と結んでいます。
そろそろ色々な場面で実感している人もいるかもしれませんが、それさえも感じない人は鈍感と言っていいと思います。何かが着々と進行しているのです。

「この国に戦前がひたひたと迫っていることは確かだろう。」というのが、最後の一文です。この言葉を私はずっと心に残しておきますが、もっと多くの人の心にも残ってほしい。

日本の未来はどうなるのでしょう。「ぼくは少子化は当然と思っている。女性には特有の勘があり、また英知が備わっている。国は農を捨て色良く艶良し腐りにくい食いものを整えた。遺伝子組換え食品、添加物まみれ、胎児の成育、また子供の将来を思えばおのずと産めなくなる。列島に点在する原発の危機だってある。今の世が続く限り、女性たちが無意識に出産から遠ざかって当然・・中略・・女性たちに、力で産ませることは、いかな国家権力でも不可能。」・・、政治がいかに世の中をリード、あるいはミスリードするかを最後まで書いている姿に、この人のすごさをあらためて感じました。

私もまったく無力な身ではありますが、世の声の大きな人たちの“うろん”な様子に気づける人間でありたいと思ったのでした。


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コメント

はっPさん、こんにちは、ご無沙汰してます(笑)。
はっPさんが紹介する本にはいつも興味をそそられています。
野坂昭如さんといえば、討論番組では熱くなって退場しちゃったり、ステージ上で大島監督をぶん殴ったりという事しかイメージできないくらいこの方への認識がなく、作家の野坂~って紹介されてるのに一遍たりとも読んだことがありませんでした。。火垂るの墓くらいは映像で観ましたが。
至極常識・良識を持った方だったんですね。
近いうちに私もなにか読んでみたくなりました。

3.11の地震では、津波では被害が出ても地震では持ちこたえるななどと侮っていましたが、活断層による直下型の地震は全く違うものなんだと再認識しました。
たぶん関東にも大きな地震が起きるのでしょう。。
都心に勤めていて(最近近くで活断層が見つかったらしい(;д;))都内に住んでいる身としては生き残れるか自信がなくなりました。でも備えだけはしないと、ですね。

総武食堂さん、お久しぶりです(#^.^#)
野坂さんについては、亡くなる前の数年間、土曜日朝のTBSラジオ番組に必ず手紙が届き、その内容が実に優しくて日本の四季や風土、人の心の温かさなどを丁寧に綴っていて、「おや、この人はこんな人だったのか」と私もイメージが大きく変ったのです。
過去の“無頼”なふるまいはこの本でも本人がふれていますが、自分の臆病さを隠すためのものだったのかもしれません。
この「絶筆」も良い本でした。日々のちょっとしたことに深く、心やさしく感じている様子はあの野坂さんとは思えない・・。
震災については、もう今までの経験さえも役立たないような状況で、日本に住む私達の宿命というか、近い未来がとても心配です。
出来る範囲の、それなりの準備くらいしかできないですね、私達小市民は・・。
また時々コメントくださいね、忘れた頃に来る総武食堂さんのコメント、心に染み渡ります(*^_^*)

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