「旅の流儀」を読んだ
『旅の流儀/玉村豊男著(中公新書)』という本を読みました。
玉村さんは現在は長野でワイナリーを営んでいらっしゃいますが、通訳、翻訳業を経て文筆業もされ、絵画制作もされていて、とても多彩!才能あふれ、しかもテレビなどで拝見していると、とても人生をそよぐ風のように軽快に生きていらっしゃるようにお見受けします。
この本は、学生時代の添乗員のアルバイトをしていた頃からパリなどは“行きつけ”となっている玉村さんの旅についての準備する様子や、どうやって旅先で過すのか、自らの失敗談や、様々な旅の工夫のようなものも書かれています。
玉村さんは自身のワイナリーでは料理も提供し、すっかり観光コースにもなっていて、海外からの客も多いようですが、長野の震災の頃には客足がかなり落ちたようです。
いわゆる風評被害についてもふれていますが、災害などのトラブルがあった場合は観光という商売自体が風評に支えられているため、文句を言ってもはじまらなかった・・と、おっしゃっています。
今回の震災後も影響が無かった観光地もきっと客足が落ちているのだと思いますが、ここはじっと我慢するしかないのかもしれないです・・。
インターネットが普及し始めた頃は、お客さんは、自身の考えで情報を選別する能力が高くなるのではないか、と思っていたとのことですが、事は正反対に向かったと・・。
人々は以前よりも、真偽の定かでない情報のすべてに反応し、情報に接するたびに判断の自信が揺らぎ、言われるがまま右往左往している印象がぬぐえないと思ったとのこと。
なので、ご本人は、どんな時代になっても、世間の風評を畏れず、揺れ動く情報に左右されない、誰もが幸せになれる小さな宇宙(玉村さんの長野のワイナリーのような場所)をつくりたいものだとおっしゃっていて、私もこのことは心に残しておこうと思いました。
【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 村上里和 ( NHK-AM )
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