宝塚大劇場「Me & My Girl」観てまいりました
宝塚歌劇・花組宝塚大劇場公演「Me & My Girl」を先だっての休日、“弾丸”で観てまいりました。気合いを入れて集中して見て来ましたよ!
今回は当方の地元出身の若手男役・綺城ひか理(あやき・ひかり)さんが新人公演で主役のビルを演じるとのことで、見たかったのですが、はるか宝塚の平日夜公演では、“弾丸”となって見て来るというわけにはいかず、通常の本公演を観劇しました。
今回は「役替わり」があるということで、まずはその様子から。
私が見たのはBパターンで以下のとおり。
ジョン卿:瀬戸かずや(せと・かずや)
・・落ち着いた中にもビルとの仲について悩むサリーに対する思いやりを深く表現されていたと思います。奇をてらわず、瀬戸さんらしい堂々とした演技を見せてくれました。
ジャッキー:鳳月杏(ほうづき・あん)
・・男役が演ずることが多い、この主役ビルを誘惑する女性の役。鳳月さんは思い切ってジャッキーの魅力を前面に出して演じ、ただの欲深い女ではなく、貴族としての気品も醸し出して、なかなかの女性に仕上げていました。
ジェラルド:芹香斗亜(せりか・とあ)
・・見ようによっては、割を食ったような役のように思われがちですが、ビルや伯爵家の人々との“つなぎ役”的な部分も有り、実はやり甲斐のある役であると思いました。それを芹香さんは台詞も割と少ないのに、存在感十分に演じ、さすがの感がありました。ちょっとたよりなさそうだけど、憎めない、これまた魅力ある人物に作り上げていました。
パーチェスター:柚香光(ゆずか・れい)
・・これはAパターンの鳳真由(おおとり・まゆ)さんと見比べたいな、と思いました。
柚香さんは、見た目は“カッコイイ”パーチェスターなので、コミカルな落とし方をどうやるのか注目しました。案外うまくやっていて、観客からも笑いを取っていましたが、まだまだアドリブ的な部分も含め、膨らませていけそうな予感がしました。
ドジだけど、見た目イケメンのパーチェスター、これもいいですね(*^^*)
マリア:仙名彩世(せんな・あやせ)
・・Bパターンの中でいちばんぐっときたのがこの仙名さんのマリア公爵夫人でした。
大詰めでの荷物をまとめているビルとの別れのシーンでは、今までにない、感極まるマリアの演技、台詞で、客席からは“すすり泣く”様子も感じられ、芝居のうまい仙名さん、感動の名演でした。それに伴い、物語全体がとても引き締まったものになったと思います。
主演娘役・サリーを演じた花乃まりあ(かの・まりあ)さんは、ご本人にとっても思いっきりいける役であり、歌もピッタリとはまり、ビルへの想いが一途なサリーをうまく演じていました。舞台上でも生き生きしていらっしゃいました。素敵なサリーです。
ラスト、扇で顔を隠し、何も知らないビルとの会話のシーンは、初演以来の絶妙なタイミングと台詞で仙名さんのマリアと共に“名演”だと感じました。
とても良かった'(*゚▽゚*)'
そして最後に主役のビルを演じた明日海りお(あすみ・りお)さん。
明日海さんは、月組時代に、ジャッキーやジェラルド、新人公演ではビルも演じ、この演目をよく知っているわけですが、今回はビルという人物を明日海さんの持っているもの全てを懸けて全力で作り上げようとしているな、と深く感じました。
アドリブ的な部分もきっと日々変化させたり、役替わりもあるマリアやジョン卿役の演じ方、アドリブも受け止めて、大きな心で演技されているのがひしひしと感じられ、ストレートに見ているこちらに伝わってきました。
かつての瀬奈さんの月組公演を何度か拝見しましたが、月組らしい綺麗で上品な仕上がりで、今回の花組は意外や“ラフ”な印象でした。
作品にも、それぞれの役にも、明日海さんを中心に体当たりで取り組んでいる様子が、“がんがん”伝わってくるのです。
まとめよう、とか、綺麗なステージにしようというよりも、役柄に没頭している感じ・・。
二つの役替わりパターンを経験して、宝塚での一ヶ月の公演後の東京は、いったいどうなっているのか、まったく想像もつきませんが、とても楽しみです。
宝塚の大事な演目「Me & My Girl」が、また新しい局面を迎えているように想いました。
写真は大劇場のカフェテリア・フルールで開演前に腹ごしらえした明石焼きです。相変わらず美味しい(#^.^#)
【Now Playing】 All That I Can Say / Gretchen Parlate ( Pops )
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