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2016/06/05

「語源遺産」の旅の本、おもしろい!

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『ぷらり日本全国「語源遺産」の旅/わぐりたかし著(中公新書ラクレ)』を読みました。
これは、私達が普段使っているお馴染みの言葉の語源を調べ、その“ゆかり”の地を訪ね、あらためてその語源のおもしろさにふれる、そんな語源探索旅の本になっているものです。

例えば、「べっぴん」。
何か京都あたりの華やかな世界で使われていた言葉かと思いきや、実は鰻の蒲焼きが語源だったりします。

愛知県豊橋市にある東海道五十三次の「吉田宿」をめざす著者。
そこにあった一軒の割烹が都立中央図書館で調べた文献から発見されます。
「織清(おりせい)」というお店。
鰻の蒲焼きを品書きに加えるときの宣伝文句が「頗別嬪(すこぶるべっぴん)」。
当時はやっていた「頗る(すこぶる)」は最上級の「とても」の意。
「別品」は、絶品、逸品などのように別格の品の意味です。

そしてこのキャッチコピーが大流行り、やがて通人たちのあいだで、「別格の美人」をあらわす言葉として「べっぴん」が定着したのだそうです。まったく知らなかった。

そしてその「織清」という店を探していくと、その流れをくむ店を遂に発見!!
そこで当時の蒲焼きを食してみると、皮が上になっている蒲焼きはそのままで提供されていて、やはり「頗る別品」(#^.^#)な味だったのでした。

・・なんていうお話と旅がびっしりと詰まった楽しい本でした。

よく“やぶ医者”なんていうけど、「やぶ」は、兵庫県の養父(やぶ)という地が実は名医が腕をふるっていた場所であり、本来は逆の意味だったのに、あちこちで「わたしは、“やぶ”から来ました(消防署の方から来ました的な言い方(^^;))という“やぶ医者”が増えて、「やぶから来たって言ってるけどいかがわしい医者なんじゃないの」ということになって、“やぶ医者”は現在使われている意味に変化してしまった・・そんな話題も書かれていました。

実際に養父を訪ねてみると、今も養父には立派なお医者さんが医師会会長をしていて、素晴らしい施設を作り、他にはない心ある医療を行っていて、連綿と続いている養父の医療に驚かされたりするのでした。

17のエピソードと旅、どれもが「そうだったんだ」というもので、最後まで興味深く読みました。
これはおすすめしちゃう“いい本”でした。


【Now Playing】 Out On The Road / Norah Jones ( Pops )

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