花組「 Me And My Girl 」東京公演に行って来た!!
宝塚歌劇・花組東京公演『 Me And My Girl 』に行って来ました。
本場宝塚大劇場で一度“先乗り”して見てきたのですが、今回は役替わりのAパターンの方を見ることができました。前回はBパターンでしたが、主演のビル(明日海りお/あすみ・りお)、サリー(花乃まりあ/かの・まりあ)以外は大劇場で見た配役と異なります。
ジョン卿役の芹香斗亜(せりか・とあ)さんは想像以上の渋さとかっこよさを見せてくれて、二番手男役としてもさすがの演技を見せてくれました。明日海さんとの懐中時計を使った楽しい絡みや、図書館での歌のシーンも若々しい二番手には似合わず、なかなかの渋さみ見せてくれてとても良かった。
弁護士パーチェスター役の鳳真由(おおとり・まゆ)さんは、Bパターンの柚香光(ゆずか・れい)さんのイケメンなのに意外と愉快なパーチェスターとは異なり、どちらかと言えば本来の観客を笑いの空間に誘い込む役どころを全うしている感じでした。
そして、パーチェスターの人間性まで感じさせ、観客も鳳さんが出てくると早くも「やってくれ~」と期待している感じになっていました。これも良かった。
主役のビルを誘惑するジャッキー役は柚香光さん。
ふだんはイケメン男役の柚香さんですが、女性となってもキリッとして、魅力あるジャッキーになっていました。
冒頭の「トップへ昇るわ」と歌うところでは声がふるえ、音程もややおぼつかず、時々声がひっくり返りそうになったりしてハラハラしましたが、ビルをソファで誘惑するシーンではぐっと落ち着いて演技も歌もうまくいっていました。なかなか男役が女性に成りきるのは難しいでしょうね。でも、このジャッキーもよかったですよ。
マリア公爵夫人を演じたのは桜咲彩花(おうさき・あやか)さん。以前から芸達者でキレの良い演技をするのは感じていましたが、今回はBパターンの仙名彩世(せんな・あやせ)さんの早口で面白い感じ増量なマリアとは異なり、やや重厚感のあるマリアでした。
しかも、ラストの感動的なシーンの盛り上げ方は仙名さんと同様、明日海さんがねらっているであろう本来の泣き笑い的なミー・アンド・マイ・ガールを見事に実現していました。
この方も素晴らしい娘役です。
ジェラルド役の水美舞斗(みなみ・まいと)さんは、実に純朴な感じで、このジェラルドもかなり本来のミー・マイらしい役作りでした。
細かいセリフや所作も、一見しては気づきませんが、注意してみるとかなり研究しているように感じました。
男役としても懐の深さを感じました。
トップ娘役でサリーを演じた花乃まりあさんは、メリハリのある、しかも感情表現豊かな演じっぷり。歌も初演のこだま愛さんを彷彿とさせる高音も見事に出し、ランベス・ウォークなどの“巻き舌”系も達者にこなし、ビルから引き離されていく悲しさを歌うシーンでも繊細な表現が素晴らしいと思いました。いいサリーでした。
そして最後にビル・ヘアフォードを演じた明日海りおさん。
大劇場で見てからもどんどん進化しているのを感じました。
セリフやギャグも前回から大幅に変って(配役のパターンや、日々の打ち合わせによっても変化させているのかもしれません)、今まで見て来た「ミー・アンド・マイ・ガール」の中でもその洗練された印象は一番だと思います。
何より、明日海さんの演じるビルは、明日海さんの魅力なのか、ビル本来の魅力なのかわからなくなるくらいピッタリとはまっているように感じました。
明日海さんの舞台づくりの素晴らしさを今回は強く感じさせてくれます。
ますます進化するであろうこの演目ですが、次回は大劇場で見たBパターンを再度見ることができるので、どれだけ変ってくるのか楽しみです。
ミー・アンド・マイ・ガール、進化続行中です!!(゚ー゚*)。oO
【Now Playing】 Let Me Roll It / Paul McCartney & Wings ( Rock )
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