漢字についての本を読んでみた
『漢字に託した「日本人の心」/笹原宏之著(NHK出版新書)』を読みました。
日頃、特にこのブログを書いているときに「どの漢字を使おうか」と悩むことがあります。
また、漢字を使わずに平仮名にするか、あるいは漢字・平仮名混合にするか・・なども。
この本に書かれていますが、新聞はその辺のところを割とはっきり決めていて、この場合はこう、というのがかなり綿密に取り決められているようです。
私も最近、共同通信社が出している「記者ハンドブック(新聞用字用語集)」を買い求め、ブログなどを書くときの参考にすることにしています。
そんな堅苦しいことを抜きにしても、「卵」と「玉子」って、みなさんどう使い分けていますか?
「たまごかけごはん」のときは、“卵”だし、「たまごやき」のときは「玉子」でしょうか。(*^^*)
生のときは「卵」で、加熱され料理となると「玉子」だなんて説もあります。
それはそれで“有り”かな、などとも思いました。
「輿論」が「世論」と書き換えられたのは戦後だと書かれていました。
私は別の言葉なのだと今の今まで思っていました。意外な事実です。
やがて読みまでが“よろん”から“せろん”に変ってきたようで、私は「輿論」が“よろん”で、「世論」が“せろん”、そして別の言葉なのだと思っていたのでした。
「恰好」も、「格好」に抵抗感なく世に広められたものなんだそうで、今さら「そうだったのか」なんて気づいたのでした。
でも、「風光明媚」はとうとう「風光明美」にしようとする人たちがいたようですが、そうはならなかったのだそうで、そりゃそうだ、なんだかしっくりきません。
「瓦礫」は、もともと瓦や小石がイメージされます。そもそも瓦が砕けたもののことを指していたようです。
「がれき」と平仮名で表現されることも多いと思いますが、大震災が続いた昨今、人の住む建物や日常使う家具、家庭用品、想い出のアルバムまでをその名で呼ぶのもなんだか胸にいやなものが残ります。
別の表現はいまだ使われていないようなのですが・・。
そんなこんなでこの本を読んでいると、時代によって、人々の考え方によって漢字の使い方は刻々と変化していることがわかりました。
この本に書かれていることは時代の資料的にも貴重なものだと感じました。
そして、知っておくと自分が文を書くときにも役立つように思いました。漢字を意識して過している人には興味深い本ですよ。
【Now Playing】 新日曜名作座「大事なことほど小声でささやく」 / 西田敏行・竹下景子 ( NHK-AM )
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