映画「ストリートオーケストラ」を見ました
『ストリートオーケストラ(Tudo Que Aprendemos Juntos)/2015年・ブラジル 監督:セルジオ・マシャード 出演:ラザロ・ハーモス、カイケ・ジェズース、サンドラ・コルベローニ』という映画を見ました。
物語は、ブラジルの名門交響楽団のオーディションに落選したヴァイオリニストのラエルチ(役:ラザロ・ハーモス)が、失意のなかスラム街の学校での音楽教師をやむなく生活のために引き受けたことから始まりました。
ギャングに襲われたラエルチが見事な演奏で命を助けられるシーン、音楽に感動したギャングたちが銃を下したということを聞いた子供たちが暴力以外に人を変える力があることを知るシーン、最初はどうしよもうない状態だった子供達の音楽指導をするシーン、どれも作り込みによっては感動が広がるものになると思われたのですが、観客として見た印象ではどれも、もうひとつ描き切れていないように感じました。
だから、感動がわっとやって来ない。
生徒の中には悪の道、組織にスラム街で生活する故に入り込んでいる者もいて、ストーリーとしては、たいへんな事件に巻き込まれることになり、スラム街全体と警察の“戦闘”と言ってもいいシーンも出てくるのですが、その結末の処理も、もうひとつだったように思います。
先生役のラザロから見ても、生徒から見ても、スラム街の住人から見ても、その騒動の顛末があやふやなままになってしまった気がしました。
主演の先生ラエルチが再度交響楽団のオーディションに合格し、生徒達と別れて、後任に子供達のオーケストラを引き継いだあとの様子も、再度指導に来たりしたのはいいのですが、そうすると自分が合格した楽団での演奏がおろそかになってしまうと言っていたにもかかわらず、結局、子供達の演奏会も、ラエルチ先生のあらたな楽団での演奏もうまくいってしまうという展開に・・??
どうしてそうなったのかという部分については映画の中では表現されておらず、見終わったあとも、なんだか・・・・・・黙り込んでしまう感じでした。
もうひとつ作り込みが足りないように私には感じられました。
モチーフとしてはいいものがいっぱい入っているのに、もったいない、そして感動の嵐がやって来そうな予感が裏切られたようにも感じました。
人それぞれの見方もあるので、強くは言えませんが、そんな映画でした。
【Now Playing】 大人のジャズタイム / 島崎保彦他 ( ラジオ日本 )
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じゅんやさん、コメントありがとうございます(^o^)
そうなんですよね、終盤はおっしゃるように“脳内補完”が必要だったかも・・。
いいシーンや、画像も撮れているので、もうひとつ観客としての視線から練っていればいい映画になったのかもしれません。
また今後も映画の感想を書いていきますので、時々のぞいてくださいね。
投稿: はっP | 2016/09/03 15:54
ストリート・オーケストラを一昨日観た者です。
私も何とも言えない気持ちのまま映画が終焉を迎えてしまいましたが、ブラジル社会をまざまざと見せつけられたせいかな?などと思っていました。
終盤の生徒を教えるシーン、オケの人達もチラチラ見えたので「あれ?」とは思いましたね。まぁ上手く調整したのかな?とか、脳内補完する必要があったのは、ちょっと疲れたかも知れません。
投稿: じゅんや | 2016/09/03 13:57