NOBUNAGA 信長 -下天の夢-/ Forever Love !! を見ました
宝塚歌劇・月組東京公演『NOBUNAGA 信長 -下天の夢-(ロック・ミュージカル)/ Forever Love !!(シャイニング・ショー)』を東京宝塚劇場で見てまいりました。
これをアップするまでに千秋楽を迎えてしまうかと思いますが、ご容赦ください。私が観劇したのは2日(金)の13時半開演の部です。
今回のブログではまずミュージカルの「信長」から先に取り上げます。
次回はショーについて書こうと思います。
そして、この公演は月組・男役トップスターの龍真咲(りゅう・まさき)さんのサヨナラ公演です。
4年間に渡って月組のトップスターを張ってきた龍さん、今回のミュージカル「信長」は本人も望んでの演目とのこと。
いつもどおり私が見てきたそのままの感想を言うと、信長は龍さんそのものという強烈な印象を受けました。
月組での龍さんの今の姿がこのハードなロックギターサウンドで奏でられるミュージカルの主人公・信長に投影されているかのようでした。
うまい言い方が出来ませんが、我が道を中央突破で突き進む龍さんの良くも悪くもそのルックスからはあまり想像がつかない豪快なスター的な部分が、非常によく表現されていたと思います。ということで、龍さんのサヨナラ公演としてはもってこいの演目だったというわけです。
どんな風になるのだろうと思っていた“信長をロック・ミュージカルで演る”という試みは大成功だったんじゃないかと感じました。
龍さんの堂々と自信に満ちた信長、裏切られようが、思いもしなかった展開がやって来ようが、信長の存在は揺るがない、そんな演じ方はまた龍さん独特のものであったと思いますし、歌も含め、ラストを飾るにふさわしい舞台でした。
相手役、愛希れいか(まなき・れいか)さんは、数奇な運命をたどる信長の正室を演じていました。
ここ数公演、愛希さんは娘役としてはかなり異例で難しい役どころを、その女の強さを感じさせる存在感で唸りたくなるような形で見せてくれていて、その部分にさらに磨きがかかってきたように感じました。
こういう存在感の娘役って、かつていなかったんじゃないでしょうか。独自の道を歩んでいるという気がします。ただ孤高の娘役にならなければいいけど・・(老婆心)。
明智光秀役の凪七瑠海(なぎな・るうみ)さんと、羽柴秀吉役の美弥るりか(みや・るりか)さんはさすがの好演!特に美弥さんは月組に来てその存在も演技、歌唱も大きく飛躍させてきたと思います。素敵な男役になりました。
凪七さんも負けてはおらず、同期二人の月組での活躍は素晴らしいものがあると思いました。
二番手男役の珠城りょう(たまき・りょう)さんは、むしろ羽柴秀吉を演じた方が良かったのに、とも思いましたが、今回はローマ出身の騎士でやがて家臣となるロルテスを演じました。ただ、役どころに謎が多く、見ている側にもどう捉えたらよいのかわかりにくい設定で、ちょっと気の毒に思いました。
なので、二番手としてはもうひとつ活躍できる場面が少なく、もやっとした印象が残ってしまいました。
専科からの沙央くらま(さおう・くらま)さんは、足利義昭を演じ、やはり演技巧者ぶりを見せてくれました。この人の演技にはいつも“きらっ”と光るものがあります。
そして、多くの人に“好かれる”タイプの役者ですね、私も大好き。
今回のミュージカルはそれぞれ名前の付く役どころがたくさんで、組子各々が見せ場をつくることができるようになっていました。朝美絢(あさみ・じゅん)さん、暁千星(あかつき・ちせい)さんら若手も大活躍していましたし、私の押している紫門ゆりや(しもん・ゆりや)さんや、宇月颯(うづき・はやて)さんなども充実した演技を見せてくれました。
今回の公演は、龍さんのサヨナラ公演として、月組が取り組んだロックミュージカル・・“しかも和物”・・として大きな成功を収めたのではないかと思いました。
今までにたくさんの演目を見せてくれた龍さん、ありがとうございました。
そして珠城りょうさんのトップお披露目を楽しみにまた月組を見たいと思います。
【Now Playing】 ハー・ソング / ト・ブランヂリオーニ ( Pops )
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