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2016/09/13

エリザベート・宙組公演 まずは東京幕開け二日目に偵察に

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宝塚歌劇・宙組東京公演「エリザベート -愛と死の輪舞-」、9日初日のものをまずは早めの二日目に偵察に行ってまいりました。このブログでも何度か書きましたが、本場宝塚大劇場で一ヶ月ほど公演してきても、東京に来ると大抵“振り出し”に戻って再度構築していくというのが今までの宝塚の演目を見てきての感想でした。

なので、公演半ばのチケットは既に手に入れることが出来たのですが、あえてシェイクダウンしているような状態の「エリザベート」が見たくて券を入手し、見てきました。まさに偵察。

記憶には直近のエリザベート公演として、花組の明日海りお(あすみ・りお)さん主演のものが印象に強いのですが、意外や宙組のエリザベートは黄泉の帝王トート(役:朝夏まなと/あさか・まなと)がいかにも異界からやってきた摩訶不思議な雰囲気を・・出していない・・ほんとか?!と、思いましたが、あの明日海・トートが最初に現われた時の寒気がするほどのゾクゾクするあの妖気のような感じが・・ない・・。

これは・・と、思っているとルイジ・ルキーニ役、私の大好きな、そして今回一番期待している愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんが狂言回し的な今回の役で舞台を振り回すように展開・・かと思ったら、けっこう控えめに感じるような印象・・!!!

冒頭のハプスブルク家の亡霊達が現われ、さあこれから始まるぞっ・・ていう盛り上がりに盛り上がる部分も・・なんだか“から滑り”している感じ。組全体が埃ふかいダート上でタイヤを空回りさせているクルマみたいな感じでした。
これはいったいどうなっているんだ、と不安になりつつ舞台進行を見守りました。

実咲凜音(みさき・りおん)さんのエリザベートが少女だった頃のシシのシーンもいまひとつ子供に成り切れていない。歌もセリフも中途半端。
舞台は全体に“さぐり”を入れているような組子達も乗り切れていないような状態で進行・・。

純矢ちとせ(じゅんや・ちとせ)さんのゾフィーが登場してきたあたりで段々正気に戻ってきた感じに。

一幕が終えてロビーに出ると、「もうひとつまとまっていないのかなぁ、雰囲気がわかりにくい」という会話が聞こえてきました。ロビーの皆さんの状態を観察しても“今ひとつ”な印象でした。うつむき加減で、あまり元気がない感じ・・。

二幕に入り、「キッチュ」で愛月さんにエンジンが掛り始める(#^.^#)
客席に来ていた安蘭けい(エリザベート初演にも出演)さん、同じく初演時の歌唱指導の楊淑美さんが愛月さんに紹介され、客席は突然興奮し始めます。

そして「病院」のシーン。
星吹彩翔(ほしぶき・あやと)さんの、自分こそがエリザベートだと思う患者のヴィンディッシュ嬢の素晴らしい演技から、宙組のエンジンに火が入ったようでした。

実咲さんはエリザベートが乗り移ったかのような迫真の演技と歌唱。朝夏さんもぐいぐいと舞台を引っ張り始めます。クルマで言えば、それまで4速80キロくらいで走っていた実咲さん、3速90キロ、2速110キロとガツン・ガツンとシフトダウンし、今までの舞台から得た経験の集大成を見せるかのように魂の演技を見せつけます。

さらに今回役替わりのルドルフ役・澄輝さやと(すみき・さやと)さんが渾身の演技で舞台、銀橋をトートと渡り合い、いよいよエリザベートらしくなってきました。

真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんは、そんな組の様子にも動ぜず、安定した演技でフランツヨーゼフを堂々と作り上げ、怜美うらら(れいみ・うらら)さんはマダム・ヴォルフを怜美さんらしいキレのある演技と野太い歌唱でうまく演じていました。

今回の初日からまだあまり日が経っていない舞台を見ていて感じたのは、あえて「ヒューマン・ドラマ」的な形でエリザベートを見せているのではないか、ということでした。
つまりトートという黄泉の帝王がエリザベートを愛し、死の世界にいざなう、摩訶不思議で、ある意味ホラー的な感覚よりも、人間としてのエリザベートや、フランツ、ルドルフの生き方が中心に置かれているのではないかという・・そんな印象なのです。
偶然そうなっているのではなくて、今回は小池修一郎先生の潤色・演出の他、小柳奈穂子先生も演出としてクレジットされています。
小柳先生の何か考えが反映されているのかもしれません。

私が見た雪組・水さん、月組・瀬奈さん、花組・明日海さんのエリザベートとは明らかに異なるエリザベートです。
その意図するところは今後より明確になってくると思いますが、とりあえず今の段階で私が感じたことは上記のようなことです。
また次回、公演半ばの脂が乗りきった状態での宙組の報告をいたします。


【Now Playing】 Straight No Chaser / Miles Davis ( Jazz )

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