2005年月組のエリザベートを DVD で見ました
私の大切な“ヅカ友”、女神が貸してくださった DVD 「エリザベート2005年月組公演」を初めて見ました。
これは女神が宝塚に夢中になるきっかけを作った公演とのことで、私も興味津々です。
私は宝塚観劇には大きなブランクがあり、子育て、家庭、仕事に完全に生活全体が持って行かれていた時期にはほとんど見ておりませんでした。今回見た公演はまったく初見です。
主役トートは彩輝直(あやき・なお)さん。エリザベートはなんと男役の瀬奈じゅん(せな・じゅん)さん。フランツ・ヨーゼフは初風緑(はつかぜ・みどり)さん。ルイジ・ルキーニは霧矢大夢(きりや・ひろむ)さん。ルドルフはあの大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さんでした。
彩輝さんのトップとしての姿は初めて見ました。
とてもいいトップであり、トートでした。そして、完璧だと、正直に思いました。
歌もいい、芝居もいい、たたずまいも堂々として、魅力ある人だと思いましたし、 DVD を見終わる頃には、もう感服してしまいました。このクオリティで宝塚、東京と公演してきたのかと思うと、ただただ驚愕するばかりです。素敵なトップスターです。
そしてエリザベートは男役の瀬奈さん。
私は瀬奈さんがトップになり、トートを演じたエリザベート公演を観ているので、「あの瀬奈さんがシシを演じて違和感はないのだろうか?」と疑心暗鬼でしたが、それがまた実に素晴らしいエリザベートでした。
娘役がやるエリザベートとはまたひとつ異なる堂々とした気品あふれるものでした。
死の影と共に迫るトートに怯える様子や、自らの人生を歩み出し、トートを突き放すような自信に満ちた様子など、けっこう“持って行かれ”ました、“凄いっ”とふるえがくるようでした。
そして瀬奈さんのあとにトップになった霧矢さんのルキーニは、私が実際に見た水さんの雪組、瀬奈さんの月組、明日海さんの花組のどのルキーニよりも群を抜いたものでした。
もう、ルキーニそのものです。
トップになってからも霧矢さんの演技は図抜けたものがありましたが、この公演のルキーニはなかなか誰もその域にまで達することが出来ないところまで作り込んでいたという感がありました。
ルドルフの大空さんは、まだあのトップに立ってからのオーラのようなものや、周りを自分に引きつけてしまうような“吸引力”は感じられませんでしたが、やはりスター性はキラキラと感じさせてくれました。
さらに若かりし北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんの姿や、チラッと明日海りお(あすみ・りお)さんの顔も見えたりしていました。そうそう、夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんの姿も・・。夢咲さんはロケットでも目立っていて、「そうか、たしか元は月組だったんだっけね」としみじみしてしまいました。
初風さんのフランツ・ヨーゼフも心理描写がうまくなされていて、人間味を強く感じるものでした。これも今まで私が見たものとちょっと味が異なる印象でした。そして後半に進むに連れ、どんどんとその人間味がものを言っているように感じました。
「子ルドルフ」役は彩那音(あやな・おと)さんでしたが、調べたらこの方、トップ彩輝直さんの妹さんなんですね、二人が同じ舞台に立って演技している姿って、なんだかドキドキしました。
全体にメロディアスな印象の強いエリザベートで、それは何よりも彩輝さんの歌のうまさによるものが大きいと思いました。さらに瀬奈さんのエリザベートは大きな感動を呼び込んでいました。
実力ある人たちが堂々と演じているエリザベートで、もう文句なしの満点でした。
さらにとてもわかりやすいと感じました。それは芝居も歌も伝えようとすることがはっきりと表現されていたからだと思います。これが大事なんですよね。
ただ、大作だからと大きく見せようとするのでなく、きっちりと丁寧にディテールにもきめ細かさを出して見せている、・・名演だと思いました。
女神、いいもの見せてくれてありがとう!(゚ー゚*)。oO
【Now Playing】 Listen To The Music / The Doobie Brothers ( Rock )
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