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2016/10/29

映画「ダゲレオタイプの女」を見てきました

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映画『ダゲレオタイプの女(LA FEMME DE LA PLAQUE ARGENTIQUE)/2016年 フランス・ベルギー・日本  監督・脚本:黒沢清 主演:タハール・ラヒム、コンスタンス・ルソー、オリヴィエ・グルメ』を見てきました。
もう、予告編を見ていたときから怪しく不思議な雰囲気漂う、しかも映像がとても静かで美しい映画という印象でした。

監督は日本人で、その他キャスト、スタッフ、ロケ地全てがフランス現地製というこの映画。見た目はフランス映画そのものという感じなのですが、物語の底辺に漂っている妖気的な香りは日本古来のもの・・、という独特なたたずまいを感じました。


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そもそも「ダゲレオタイプ」というのは、世界最古の写真撮影方法で、ネガを作らず、直接銀板に焼き付けるもので、人物を撮影するためには長時間に渡り身体を拘束するため写真のように独特の器具を使用して70~120分も固定する必要があるというものです。


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その撮影方法に魅せられ、固執した男、ステファン(オリヴィエ・グルメ)は、自分の妻を撮影し、作品を作っていたがその妻は自殺してしまいます。
それでも、娘マリー(コンスタンス・ルソー)を同様に撮影するステファン。そのダゲレオタイプで撮影した映像が上記のものです。映画を見ていてあまりの美しさに我を忘れそうになりました。


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そんな状況下、撮影の助手に応募してきたのが、ジャン(ハタール・ラヒム)です。
ステファンの助手になり、マリーとも親しくなる中、撮影スタジオのあるステファンのお屋敷では自殺した彼の妻が見え隠れし、さらにマリーも階段から落ちる事故で・・。

その後は現実の出来事なのか、幻想なのか、亡霊が起こしている世界なのか・・作りようによっては単なるホラーになってしまうものが、深い精神世界の物語になって行ったように思いました。

そして何よりも哀しげな光の加減を実にうまく取り入れた映像と、役者の抑え気味な実に深く豊かな演技に感心しました。

昔は写真を撮ると命が縮まるなんて言っていたものですが、まさにダゲレオタイプの撮影方法は、モデルはある意味命懸け、そして被写体と撮影者の愛情交換、束縛という側面を感じさせ、そこからインスピレーションを得て作られた作品だと思います。
見る人にもよると思いますが、私には心の中に深く入り込んでくる作品でした。

以前、このブログでマノエル・ド・オリヴェイラ監督の映画「アンジェリカの微笑み」をご紹介したことがありますが、あちらは美しい女性の亡骸を撮影することで死者に魂を奪われるお話でした。
今回の「ダゲレオタイプの女」は、美しく現に生きている女性を撮影することによって、死に撮影されている本人も、やがて撮影している側も近づいていくという物語でした。
映像も内容も見応えあるものでした。


【Now Playing】 大人のジャズタイム / 島崎保彦他 ( ラジオ日本 )

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