「福井謙二と水谷加奈のコトバのヒロバ」を読んだ
『コトバのヒロバ -うなって笑える日本語の話-/福井謙二・水谷加奈(講談社)』という本を読みました。
これは文化放送のラジオ番組「福井謙二グッモニ」の人気コーナーを本にしたものだそうです。
残念ながらこの番組は聞いておりませんので、この本での出会いが「コトバのヒロバ」との最初の遭遇となりましたd(^_^o)
で、本屋で立ち読みした瞬間に「これは面白そう」と思い、買ってきました。
その後はあっという間に読了。初めて知ることばかりの楽しい時間を過ごせました。
例えば、「ちんたらやってんじゃねぇ」の“ちんたら”って、江戸時代から鹿児島県で焼酎を蒸留するのに使われていた蒸留器の一種で、「ちんたら」ってのが本当にあったのだそうです。
「ちんちん」と釜が音を立て、「たらりたらり」と蒸留する様子から「ちんたら蒸留器」と呼んでいたということで、それがもとになり、ダラダラするという意味が「ちんたら」として全国に広まったという・・・知らなかったよ、びっくりです!
私がふだんからよく使う「おたんちん」と「おたんこなす」。
これも聞いて驚く意外な事実。昔の遊郭で使われていた言葉で、漢字で書くと「御短珍」。
つまり男性器、短いチンのことで、遊郭の女性がイヤな客のことを陰で「あのおたんちんが!」などと使っていたのだそうです。
では「おたんこなす」は、御+短+小茄子。つまり短くて小さいナスのこと。
「おたんちん」と同じ使い方なのですって(^^;)
要するに男性に対する辱めの言葉なんですね。
男女問わず使っていたなぁ(^_^;)
ほんと、意外だったわぁ・・。
たくさんある中からもう一つくらいいっときますか。
何かに夢中になるとき「めろめろになる」なんて言いますが、この「めろめろ」が鎌倉時代から使われていた古い言葉なんだと聞いてまた驚きました。
「めろめろとはぐる」などというように、薄いものがたやすく剥げるときの擬音として使われていたものなんだそうですよd(^_^o)
時代と共に炎が「めらめら」と燃え上がるの意味から転じて現在使われている「ハートに火がつく意味」や「物事におぼれて腰くだけになる意味」として「めろめろ」が使われるようになったんですって!
もう、こんな話が“い~っぱい”のこの本、福井さんと水谷さんの絶妙の掛け合いも伴って、とても愉快な本となっていました。
これもおすすめ本です。
【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 佐藤よし子(英国食卓史研究家) ( NHK-AM )
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