「オーディオ小僧のいい音おかわり」を読んだ
『オーディオ小僧のいい音おかわり/絵と文:牧野良幸((株)音楽出版社)』を読みました。
牧野さんの著書(絵と文)は、過去に牧野さんが少年時代から聞いてきたビートルズのレコードの話をまとめたものを二冊、このブログでご紹介しましたが、今回はオーディオについての牧野さんの様々な経験をまとめたものです。
面白かったエピソードのひとつは、アナログ・プレイヤーの「ガラード301」を手に入れてからの牧野さんの様子です。
ガラードで聞いた音をイラストで表現している部分があるのですが、実にリスナーの眼前に広がる音の世界がわかりやすく描かれていて、「そうか、こんな感じに劇的に変わるのか」と、私もちょっと高価なプレイヤーに心が傾きかけてしまいました。
フォノイコライザーや、カートリッジも取り替えて試しているのですが、それも私は一度も経験していない羨ましい光景でした。そういう楽しみってあるよなぁ・・と、またも憧憬のまなざしでイラストに見入ってしまいました。
それから、今まで読んできた牧野さんの本では登場してこなかったクラッシックの世界についてもふれられていて、牧野さんが息子さんとオペラを聴きに(観に)、ドレスデンやプラハを訪れるシーンもあって、私には未知の世界が繰り広げられ、「今後、そこまで行くかな、自分・・」と思いましたが、そこまでいくと人生のスパンが足りないような気がしてきました。・・今後の課題といたします(^_^)
後半、多くの部分を割いて、私が気になってはいるが、まったくどうしたらいいのかわからない“ハイレゾ”の世界に突入する牧野さんのオーディオ世界が描かれていました。
・・まったく聞いたことが無いのです、ハイレゾ。
牧野さんが紹介している文を読むと、明らかに今まで聞いていた世界とは異なる音が聞こえているようです。しかも、クラッシックや既存のロック、ジャズなどの録音について多くふれられているのですが、かつての歌謡曲についてもハイレゾ音源がたくさんあるという・・。
これも、そこまで足を突っ込んでしまうと、オーディオの底なし沼にはまり込んでしまって、「楽曲そのものを楽しむ」という私の基本姿勢が大きく崩れ、私の音楽人生が楽曲中心から音の世界中心に遷ってしまう懸念を感じました。
もうちょっとハイレゾは待ってみようかな・・というところです(^^;)
というわけで、牧野さんの本はいつも楽しく拝見しています。今回もあっという間に読み終えました。結局、楽曲も楽しむし、オーディオ的にもほんとうは楽しみたい自分を発見しちゃいました。
【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 村上里和 ( NHK-AM )
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