花組公演「雪華抄(せっかしょう/金色(こんじき)の砂漠)」二度目
前回偵察に行ってそのままノックアウトされた宝塚歌劇・花組東京公演『雪華抄(せっかしょう/金色(こんじき)の砂漠)』、再度観劇してまいりましたので、また感想を。
“和もの”ショーの「雪華抄」は休日で割と初見の観客の多いこともあって、“ちょんぱ”の始まりで「わぁっ」と喜びの声が上がり、あとは一気怒濤のショーです。
コンパクトなショーですが、見どころはたくさん、そして主要な男役にはそれぞれの見せ場があり、ファンにとって、とても楽しく、わくわくするショーで、今回も楽しめましたよぉ~っヽ(=´▽`=)ノ
セットも素晴らしいし、花組全員がステージに広がる様は圧巻です。これから見る方、期待していいですよ。
ミュージカル「金色の砂漠」は、主役の明日海りお(あすみ・りお)さん、花乃まりあ(かの・まりあ)さんともに前回からさらによく練られていると感じましたし、特に花乃さんはパワーアップしていました、幼少期も大人になってからも・・。
鳳月杏(ほうづき・あん)さんの王・ジャハンギールは、非常に濃い役であり、また、ただひとつかけた“情け”が“アダ”となり、大きな運命の流れに呑み込まれる様子がスケール大きく描かれていました。
そして、夫を殺された上に鳳月さん演ずる王の妻となる、あまりと言えばあまりな運命の王妃・アムダリヤを演ずる仙名彩世(せんな・あやせ)さんもこれまた見事。
仙名さんには、さらにネタばれするので書けないのですが、大きな秘密があります。もうねぇ、そのへんの堪え、忍び、献身的な心を持ち、愛に苦しむ姿は流石です。今までよくあった役とは異なるますます静かな演技が共感を呼びました。
第二王女の桜咲彩花(おうさき・あやか)さんも落ち着きがありながら、しかも華やかでしとやかな印象の演技が印象に残りました。この人と仙名さんは娘役として素晴らしいものをいつも感じます。
明日海さんと同じく奴隷、そしてストーリーテラーを演じた芹香斗亜(せりか・とあ)さんも、その美しい男役の姿だけでうっとりですが、語りもうまいし、シャープなのに大きさを感じさせる演技がとても良かったd(^_^o)
明日海さんと渡り合う部分もありますが、そのときのお二人はとても舞台映えします。
花乃さんに求婚するテオドロスの柚香光(ゆずか・れい)さんも、花乃さんに入れ込みつつも、計算高い様子、ピンチになると、あっさりと態度を変えてしまうところなど、明暗、強弱がうまく取れていたと思いました。
そのほか、教師・ナルギス役の高翔みず希(たかしょう・みずき)さんは、見ていて悪いヤツかもしれないが、とても可哀想な役どころで、それもやはりベテランらしい演技で観客を引きつけました。
そうそう、求婚者のひとり・ゴラーズを演じた天真みちる(てんま・みちる)さんの優しくて、ひとのよい役柄が、この激動の物語のオアシス的な感じでした。ほっとします。天真さんもとてもよいです。
奴隷・ピピの英真なおき(えま・なおき)さん、ブリーの瀬戸かずや(せと・かずや)さんも、あいかわらずうまいです!安心しますね。
ということで、前回書き切れなかった主演お二人以外の方にちょっとふれてみました。
全体としては、とてもいい形で公演が進行していて、ますますよくなっていました。
まだまだこの物語、行き着く先はより完成されたものになりそうです。期待しています。
【Now Playing】 橋幸夫の地球楽団 / 水前寺清子 ( TBSラジオ )
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