太田和彦さんの「居酒屋歳時記・上」を読んだ
『居酒屋歳時記・上/太田和彦著(小学館文庫)』を読みました。
今までにも太田さんの“居酒屋本”は何冊も読んでご紹介していますが、今回の居酒屋歳時記は上・下巻になっていて、読み応えがあります。
そして、それぞれの項目が割と長文なので、文中にも太田さんがふれていますが、けっこうヘビーな書き物だったようです。
太田さんもそんなことで気合いが入っているのか、いつもより文体はやや重めで、骨格がしっかりしていて、とても読み甲斐がありました。
でも、前半戦では、割と途中から“エッチ”な方向に文章が流れて行って、文中で同席の女性にたしなめられるシーン多数!(^^;)
今回は、金沢や、京都、松本、大阪、盛岡、八戸、静岡、横浜などの名店の紹介もじっくりとあったり、春の新酒、春は煮魚、春は筍、など季節の気分でウキウキと書かれたものもあり、居酒屋建築にまでふれて、ただの呑兵衛ではいられない、本格派の知的呑兵衛になれそうな内容でした。
読んでいて、一度は行ってみたいと思ったのは、千葉からもその気になれば行ける、横浜の「野毛」でした。
三浦半島浦賀水道は絶好の漁場として知られ、横浜はその新鮮な魚をいち早く食べられる町でもある、ということでそういったものも食べられるし、一番興味深かったのは「麺房亭」というお店です。
「酒と食の<美味しんぼ>はこの店だ」と太田さんが太鼓判を押しているこの店、全国の産地直送にこだわり、和、イタリアン、炭火焼き、さらに全て手打ちのパスタ、うどん、ラーメンで後を〆るという・・気になるお店です。
野毛は、テレビなどの映像を見ても、とても居酒屋が並んでいる街並みが風情そのものになっているように感じて、今、私が気になりっぱなしなところですd(^_^o)
太田さんらしい、ただ店や酒、肴の紹介だけでなく、店主との心の通う情景も素敵な本でした。
また下巻を読んだらご報告いたしますね。
【Now Playing】 The Breeze And I / Ray Bryant Trio ( Jazz )
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