「荷風セット」にたどりつく
前回ご紹介した宝塚歌劇・雪組公演を市川コルトンプラザの「東宝シネマズ」でライブ・ビューイング観劇したあと、建物を出るともう夕刻です。
検索してたどりついた京成本八幡駅すぐ近くの『大黒家』さんという料理屋に足を運びました。
食堂というよりも、老舗の料理屋の風格がありました。
ここは永井荷風が晩年亡くなるまで住んでいた地で、荷風は店が休日でも訪ね、ここでよく食事していたそうです。店は休みでも荷風には料理を作って差し上げたとのことです。
亡くなる前日もここで荷風は食事。
荷風の傑作と言われる「断腸亭日乗」という日記文学にもこの大黒家は登場していたとのこと・・今度手に入れて読んでみます。
店に入ると老舗らしい落ち着いた佇まいでした。
壁に貼られていたセットメニューに『荷風セット』を発見!!'(*゚▽゚*)'
写真のようにカツ丼と上新香、酒一合がセットとなり、これは荷風がいつもたのんでいたものだそうです。
荷風は“カツレツ丼”と呼んでいたようですよd(^_^o)
亡くなる前の晩もここでこの品を食したとのことですが、食べてみて、若くて健康な者でなければちょっと食べきれないような量でした。
荷風は死の前日に大黒家に来たときには息を荒くしていたらしいのですが、死因となった潰瘍性出血によりかなりの貧血になっていたのではないかと想像いたします。私も同じ病気で同じ症状になったことがあるのでよくわかります。
それにしてもこれをその状態で食べきったとは・・。
実際に食べてみると、カツ丼はやはり美味しい(*^_^*)・・当時と味も量も変えていないそうですが、あの時代にしてはけっこう上等な出来なのではないでしょうか。のせてあるグリーンピースが懐かしい。
新香も酒のつまみにできるし、量もちょうどよい。
酒は菊正宗の燗。
日曜の夜のひととき、ゆっくりと酒を傾けて楽しめました。
お店の外には荷風先生の写真、その他展示されていました。
ちょっとばかりタイムトリップと美味しいものを楽しみに行って見るのもいいと思いました。
【Now Playing】 けんかをやめて / 河合奈保子 ( 歌謡曲 )
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コメント
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こんにちは、はっPさん。
「断腸亭日乗」おすすめです。
私はこの時代を表している書籍(興味をひいたものだけですが)はなるべく読むようにしています。
だって、学校でちゃんと教えてくれませんでしたからね。
二十歳過ぎくらいから海外旅行に行くようになったり、仕事などで外国人と雑談をすることがあったりすると、このちょっと前の自分の国の事が全然わかってないことに気づかされて、40歳を前にこのままでは大人になれないと思ったのが読み始めた始まりですかね。
本書はほとんどは荷風さんのあまり変わり映えしない日々を綴っているのですが、関東大震災と東京大空襲のくだりは淡々としながらも、荷風の感情や行動の表記がTVのドキュメンタリーを観ているより実際の市民の様子が窺い知れる感じがしました。
最近、教育勅語なんて叫ばせている幼稚園があるようですが、また同じ道を辿りたいとでも思っているんでしょうかね。。
投稿: 総武食堂 | 2017/03/08 18:21
総武食堂さん、こんばんは!(^_^)
「断腸亭日乗」おすすめですか?!このあいだ二軒ほど本屋に寄って探したのですが見つかりませんで、とりあえず荷風の別の本を買ってみました。後日楽しみに読んでみます。
そして、総武食堂さんのコメントの
>荷風の感情や行動の表記がTVのドキュメンタリーを観ているより実際の市民の様子が窺い知れる感じがしました。
という部分にはげしく興味を持ちました。
そういうのが読みたいんですよね。
なので、さらに探してみます。
こういうものを読んでみないと、当時の実際の様子なんてわからないといつも思っているのです。
たとえば、断定的に「あの時代は“真っ暗”だった」なんて言葉を盲目的に信じ込んでいる人がいるけど、実際に毎日真っ暗だと思いながら暗黒の時を過していくなんて、人間にはできないもの。
その点でいくと、ブログなんて、通常の人達が普通に考えたり、感じたりしていることがわかる未来への貴重な資料になるかもしれません。
投稿: はっP | 2017/03/08 21:32