出口治明さんの「働き方の教科書」を読んだ
『「働き方」の教科書/出口治明著(新潮文庫)』という本を読みました。
私はこの方を存知上げませんでしたが、“49歳で左遷され、60歳で起業した人生の達人”という出口さん、ものすごい勢いで人生を疾走する、そんな人としての印象を受けました。
京大法学部を出たが、司法試験に落ち、何をしているのかもよくわからない生命保険会社に入る出口さん。
そこで会社で得た仕事のノウハウについて、“目からウロコ”的なものを紹介してくれるのですが、でもそれだけではありません。
人の運命なんて出口さんのように思い描いていたコースを外れることがほとんど、でもそこからものの考え方、人生の考え方、自分の気持ちの持って生き方、それらをどうするかが大事なのだ、というようなことが前半に書かれています。
特に仕事一筋、仕事が人生、仕事が自分そのもの、・・そんな考え方をしていると若い人は今後の人生の道筋を見失うよ・・というアドバイスというか示唆的なことも書かれていました。
仕事をしている時間とその他生活している時間を単純に計算すると、仕事をしている時間は3割にも満たない。
なのにその仕事を全てと考えてしまうのではなく、他の部分、生活し、食事をしたり、家族・彼女・彼などと過す時間、それを大切に、そして仕事はわずか3割程度だと思うと、そんなに思い詰めて仕事をする必要がなくなる、とおっしゃっています。
・・もっと若いときにこの本に書かれているようなことを知りたかった・・…σ(^_^;)と思いました。
そして後半は、50代を境に人生をもう一度考えてリスタートできるのでは、ということも書かれていました。
このあたりになると、ズンズン前に進む出口さんの考え方と自分の考え方に隔たりが出てくるのですが、でも基本的に何かスイッチを切ってしまって、惰性というか残り火というか、細々と人生後半を生きて行くようなことを今現在の自分は望んでいないので、そこでは共感できるものが大いにありました。
ラストでふれている今後の世界の状況、そして日本はどうなっていくのか、という部分では、ある意味楽観的な観測をしているように感じましたが、でも力があって、自分の考える方向に向かって生きて行く出口さんがそう考え、突き進んで行く姿には爽やかな迫力があります。
読んでよかった、明るく、前向きで気持ちに“張り”が出てくるような本でした。
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