50周年記念エディション「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド New Stereo Mix」“ざっくり”と聞いてみた
ビートルズが生み出した傑作アルバム、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が世に発表されて50周年。
それを記念してあらたにミキシングを行い、発表された New Stereo Mix バージョン。
ちょっと遅れましたが遂に手に入れましたので、さっそく聞いてみました。
今回は“ざっと聞き”した第一印象を書いてみます。
オリジナル・レコード、CDと同時に聞きくらべたわけではありませんが、私の耳に、身体に残っている、そして沁みているオリジナル盤の記憶と比較しながらのものです。正確ではありませんが、とりあえず、ざっと聞いたところです。
では、一曲目から曲順に。
1 Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band
いきなりバスドラムにパワー感があります。「やってやろうじゃないの!」というジャイルズ・マーティンの心意気が冒頭から伝わってきます。
おっと、ポールのボーカルは、なんだかゴージャスな感じがします。残響音などに変化を加えたからでしょうか。
右スピーカーのギターでは、ロックらしい音の歪み具合がはっきりわかり、くっきりとプレイが浮き彫りになっているような印象です。
いつも気になる、途中で“グキッ”とやめてしまうギターソロは、やはり・・そのまま・・。そこまで手を入れちゃねぇ・・と思ってのことか。
それからリンゴのスネアの音が突然消える謎の部分は、やはりそのままスネアの音は消えていました。これはたぶんバックのオーケストラの音を生かそうとして、スネアの音が消えてしまったと考えるのが相当ではないかと思います。つまり音源としてはもうその部分のスネアの音は残っていないのでしょう。
全体のコーラスについては、個々の声がよく分離して聞こえるようになったと感じました。
サビの前のボーカルの音は、ホールにいるような感じがより増していると思いました。
2 With A Little Help From My Friends
まずは、リンゴのハイハット・プレイが繊細でくっきりとした音で聞こえるようになりました。
タムタムも元々オリジナルでは、ワイルドな音の録り方がされていましたが、さらに迫力あるのものになっていました。
コーラスについても、これもまた分離してよく聞こえます。
ポールのベースは想像していたほどは強調されていませんでした。もともとかなり強調されていたからかもしれません。
3 Lucy In The Sky With Diamonds
次に、この曲ではドラム、特に、タムタムの音がドラムの裏側のヘッドが跳ね返る音まで十分に聞こえてくるようなサウンド表現をしています。。
サビのルーシー・インザ・・・の部分のベースの音がいままでと異なる気がします。エフェクト感があるもので、単音的ではありません。
最後のリフレインの部分のドラムも反響音が増した感じでした。
4 Getting Better
最初のコーラス部分にキレがあります。
ポールのボーカルにパワーを感じるし、ボーカル部分については、生音っぽい成分が増えたように思います。だからポールのボーカルも聞き取り易いし、逆に伸び伸びしているようにも感じます。
ポールのユニゾンになっているボーカル部分には切れ込むような迫力があり、「ジーン」というギター?の音も明らかに変化を感じました。そしてなんだか宇宙的空間のようなものを感じました。
ポールのペースはオリジナル盤より輪郭をぼやかして“ポーン・ボーン”いう感じを増強しているようです。
5 Fixing A Hole
ポールのベース、単音に聞こえないくらいのエフェクト増しの感じがします。
バックの弦楽器のサウンドには、ふわふわとした空間を感じるような気がしました。
エピフォンであろうリードギターの音もくっきりとした感じです。
リンゴのハイハットにかけているエフェクトも強調されているように思いました。
6 She's Leaving Home
明らかにスピードが上がり(モノラルのスピードと同化したらしい)、ポールのボーカルはステレオミックスに慣れた私には“高っ調子”に聞こえる(^_^;)
逆に外部ミュージシャンが弾いている弦楽器は上品になったように聞こえる。
ポールのボーカルの音自体はまろやかになったようにも感じました。
7 Being For The Benefit Of Mr.Kite !
いきなり迫力が1.5倍増し!d(^_^o)
リンゴのスネアもハイハットも増強1.2倍増し
バックのテープ編集した間奏部分も輪郭くっきりです。
ポールのベースも“こんなもんでどうだ”ってポールが言い出しそうなくらいバブン・バブンいってる(^^;)
ラストの部分のフレーズがオリジナルと異なっているように感じた・・気のせいか・・。
8 Within You Without You
オリジナルでは“もや”の向こうからジョージが語りかけてくるような感じだったが、割と目の前でジョージの説教を受けている…σ(^_^;)感じ。
聞き易いけど、不思議感は減ったように思いました。
※ここまで聞いてきて、うわさに聞いていたよりもまっとうなミックスになっていると思いました。
たぶん・・大袈裟に言っている人って、ふだんあまりサージェント・ペパーズ・・を聞いていなくて、オリジナルとそんなに変わらない部分も初めて聞くような衝撃を受けてしまっているのではないか、などと密かに思いました
9 When I'm Sixty-Four
バックのクラリネットなどの演奏にリッチな感じがします。
全体に豊かな曲になった印象です。
ポールのボーカルは、生音っぽい成分が増しているよう。
リンゴのブラシの音もエフェクト感を減少させ、すっきりした印象です。
10 Lovely Rita
ドラムの音、特にハイハットとスネアが“本日おまけ増量中”的な感じ(*^_^*)
感想のピアノもオリジナルよりもはっきりと聞こえます。
バック・コーラス、個々の声もオリジナルより分離して聞こえました。
11 Good Morning Good Morning
ドラムがドスドス、ズボズボいってる(^_^;)感じ
ベースもヤケになってるのかと思うくらい、“これもん”で弾いている。
スネアもこれでもかというくらいの大増量&響き線の音もがっしり入っている。
ついでにバスドラもドッスン・ドッスンすごいのでした。
12 Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
こちらはバスドラを強調したいはずだと思っていたらそうでもない(^^;)
そのかわりボーカルは切れ込み鋭く、ロックでヤクザな感じ増強です。
13 A Day In The Life
ジョンのボーカルが豊かな音になっています。エフェクトで絞っている感じがしません。
そしてこの曲もリンゴのドラムを大増強するかと思いきや、割と冷静にほどほどに強化しているのでした。
でも、ドラムの裏側のヘッドの鳴りを拾うくらいのいい感じの強調がされています。この辺の加減が絶妙です。
途中のオーケストラの盛り上がり部分も意外とそんなに“やり過ぎ”感はありません。
ただ「ア~~ア~~ア~~」のところのサウンド的空間はオリジナルよりも浮遊感がリアルに出ていると思いました。
最後の「ダ~ンッ」ていう四人で三台のピアノを弾いた部分については、迫力がかなり出てましたd(^_^o)
いかがでしょうか、“ざっと聞き”状態の感想。
今回のアルバム全体についての感想は、また後日、もう一度聞き直してからにいたします。
それではみなさん、何度も聞いてみましょうね(^-^)/☆
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