磯田道史氏の「歴史の愉しみ方」を読んだ
『歴史の愉しみ方 -忍者・合戦・幕末史に学ぶ-/磯田道史著(中公新書)』を読みました。
磯田さんの歴史本はどれを読んでも楽しいし、面白いd(^_^o)
サブタイトルにもあるように「忍者」についても今回は古文書をあたり(現存しているものは数少ない)、忍者の給料はどのくらいだったのか、時代によって、藩によって、どんなことをしていたのか、させられていたのか・・まで非常に興味深く読みました。
今でも忍者の末裔はこの日本に存在しているわけですが、私が小さい頃に「風のフジ丸」という忍者アニメ番組が放映されていたことを思い出しました。
その番組では、アニメの放映後に、本物の忍者の先生が実写で出て来て、数々の忍術を実演してみせる、というコーナーがありました。
大人になっても、忍者の話には、なんだかワクワクするんですよね(^-^)/☆
また、著者の磯田さんが骨董市などに出向いて“掘り出し物”の古文書などを見つけ出すシーンにも胸躍りました。
私も骨董市が開かれていたりすると、ひやかしにのぞいてみるのですが、古文書はさすがに見つけたりはしないまでも、時代を感じるものがあると、これはどこの誰が使っていたのだろう・・などと、その時代に思いを馳せ、不思議な気分になるものです。
“殿様のお世話”がいかように行われていたのか、その「お世話マニュアル」を発見したエピソードもありました。
日本人は文書好きだから、そんなものも文書化されて遺っているんだなと、これまた興味津々に読みました。
東日本大震災後には、著者は過去の大地震についても克明に調べ上げています。
歴史的な事実を調べ、それと現在の地震学、地学などの研究とを重ね合わせ、後世のために今出来ること、成さねばならぬことを見出し、実行、実施していくことが数十年、数百年先の我々の子孫を救うことになります。
かつて大津波を経験した場所には、「家を建てる場合、集落をつくる場合は、これより先の高台につくるべき」という『碑』がいくつもあるということは、あの大震災後に何度か報道されていたのを見ました。
せっかく先人がのこしておいてくれたのに・・、と思いましたが、でも、今回の大震災後に「どうせ何百年先に大きな地震、津波が来るのだ、もう一度同じ場所に町、住宅を造ればいいのだ」というようなことを言っている人をずいぶんと私の周囲でも見ました。
そういうことをした結果が今回の悲劇を生んだんじゃないのか、と私は思いました。
自分の代じゃ問題ない、っていうのは後世に対して無責任じゃないでしょうかね。
・・と、この本を読んでいると、いろいろなことに思いが拡がります。
相変わらずの広角度な歴史本でした。
【Now Playing】 深層深入り 虎ノ門ニュース / 井上和彦、ケント・ギルバート ( YouTube )
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