映画「ラ・ラ・ランド」を見ました
映画『ラ・ラ・ランド(LA LA LAND)/2016年・アメリカ 監督・脚本:デイミアン・チャゼル 出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン』を見ました。
これも千葉劇場で一週間限定上映でした。つくづくもったいない話です。いい映画でした。
ミュージカル映画ですから、肝心なシーンでは歌とダンスが付きものです。
日本人の多くには伝わらない部分も多いかもしれません。でも、ミュージカル好きな私にはピタッと心の枠にはまりました。
自分の夢が、“なかなか”かなわない、はかないものなのか、それとも夢を見続けるべきなのか、さらに恋というものはあまりにも男と女の気持ちが“ここだ”というところですれ違ってしまい、なかなか成就しないものなのか・・・、多くのダンスシーン、歌唱シーンが薄暗いところでのもので、そんな気分を象徴しているような気がしました。
互いが好きなのに、でも互いに気を遣う部分がうまく噛み合わない、でも狂おしくなるほど好き・・そんな主演二人の様子、さらに夢が遠のいていったり近づいてきたり、夢の方向がずれていったりのもどかしい部分も胸にキュンと来るくらいの切なさで描かれていました。
それに歌とダンスがかぶさってくるので、ミュージカルらしい、いい映画になっていました。
主演の二人もとっても魅力的で完全に感情移入してしまったのですが、ラストに近づくにつれ、やはりこんなラストなのか・・と、ちょっと哀しい気分に沈んだのですが、それが最後の最後、10分間くらいでしょうか、宝塚のフィナーレみたいにさっきまでのことが嘘みたいなシーンになり、えっ、えっ、これってどういうこと?!って、あまりのことに心臓がドキドキして、ワクワクして、何が何だかわからないくらいの昂揚した気持ちになり、そしてさらに二段構えの本当のラストシーンがあって・・。
最後の仕組みについてはここで書くと、これから見る人に申し訳ないので書けませんが、最後の10分が始まる前までは75点~80点の上出来の映画ととらえていました。
でも、ラストシーンがあることによって100点満点の映画になりました。
ほんとうに素晴らしいミュージカル映画でした。
アカデミー賞でしたっけ、間違えてこの作品が受賞したと発表され、その後訂正が入ったりしましたが、でもこの映画を見ると、そんなこともこの映画らしいと思えてくるくらい、人の、男女の運命って、ふとしたことで全くの反転したようなものになるってことがわかりました。
ミュージカル好きでなくとも見た方がいい、素晴らしい映画です。
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