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2017/07/21

益田ミリさんの「ちょっとそこまで旅してみよう」を読みました

20170721_miri_masuda1

『ちょっとそこまで旅してみよう/益田ミリ著(幻冬舎文庫)』を読みました。

この本のいいところは、私のような“旅慣れない”凡人にとって、気持ち的にとても“近い”感じで書かれているところです。

名所旧跡や、美味しいものがあるスポットなどを、これ見よがしに“どうだ”と言わんばかりに紹介するようなところは微塵もなく、あくまでも“自然”な書きぶりであり、心の置き方もニュートラル、とても心安らぐのでした。

そして金沢や秋田、東京深大寺の旅と、フィンランド、スウェーデンなどの国外旅行がまったく同列に書かれていて、外国旅行も気負いのない自然な様子で書かれています。
これがなんとも言えずよいのです。

そして私たちが旅先で些細なことに驚いたり、よろこんだりするのと同じように、常に旅先での出来事やモノについて新鮮な視線を向ける益田さん自身に心動かされるのでした。

さらに、お母さんとの旅も何編か書かれているのですが、自分が今後たぶん子供を産まないだろうと感じている著者が、旅先での母親の様子を見て、自分がもし子供を持ち、歳をとってからこうして子供に連れられて旅行に出たときにはこういう表情をするのだろう、こんな反応をするのだろう、としみじみしている部分があり、そこにも益田さん独特の感じ方がしんみりと、そしてほっこりと存在していて、またまた感心してしまったのでした。

特に国内への旅には身も軽く、さっと行ってしまう益田さん。
そして緻密な計画よりも、行った先での自分のアンテナに引っかかったものを大事にその日の予定を立てたり、旅先で出会った人の話に“ピピン”ときたら行ってみる、それも参考になりました。
あそこに行かなくちゃ、あれも見なきゃ、などとあせっていると旅って“せかせか”と落ち着かないものになってしまいます。
こういうの、いいなと思ったのです。

国外旅行での益田さんの意外と積極的で好奇心満々な姿も楽しく読みました。
家族と旅に出てみたい、気になる友と出掛けたい、彼・彼女と行ってみたい、などシチュエーション的にもいろいろと出てくるので楽しいですよ。おすすめ本の一冊です。


【Now Playing】 I Concentrate On You / Mel Torme ( Jazz )

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