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2017/08/30

「ジーン・ワルツ」を読んだ

20170827_gene_waltz01

『ジーン・ワルツ/海堂尊著(新潮文庫)』を読みました。

主人公の曾根崎理恵は、大学医学部の助教。
そして閉院間近のクリニックで五人の妊婦を診ている。五人それぞれが年齢、境遇、その他複雑な事情を持っていて、それだけでも読み応えがあるのですが、この本はさらに生命の意味や、尊厳、踏み込んでいって代理母出産というテーマにも“挑んで”(読んでいて挑むという表現がピタリと感じた)いました。

そしてそれらの重いテーマを抱えながら、それをエンターテインメント的に小説に仕立て上げる・・。著者の海堂尊さんの激しく勢いのある筆致に圧倒されました。

主人公の女性は、閉院間近のクリニックでも働いているのですが、閉院まで追い込まれたのは国(厚生労働省の官僚のやり方)のせいだと、国の行政にも立ち向かいます。
なので、主人公の属する大学では彼女が目の上のタンコブというか、邪魔で、抹殺したいような存在でもありました。

でも、彼女の講義は純粋な医学からは逸脱しながらも生徒には好評、それがまた大学側にとって許せないことに・・。

主人公の曾根崎理恵と大学、さらに国の対立と“戦い”はラストの緊迫感ある展開にまで及び、最後まで目が離せません。
曾根崎側につくかと思われた准教授も最後には戦いを挑んでくる・・が・・、大どんでん返しがラストに待ち受けています。言っちゃうとおもしろくないので書きませんが(^_^;)

クリニックで診ている五人の女性の人生模様、生まれてくる赤ちゃんの境遇、果てはクリニックの院長(癌で余命幾ばくもない)の奇跡的な赤ちゃんの取り上げなど、出産に立ち向かう個々の女性達と主人公とスタッフの姿に読んでいて涙が止らなくなりました。

主人公は冷静で、しかも理性的、合理的、策士でもありますが、周囲の女性達のあまりにも人間的な生き方が対象的で、そのコントラストの描き方にも深く感心してしまいました。

最後の最後まで息をも尽かせぬ小説でした。すごいっ!

ブックオフで108円で買ってきたけど…σ(^_^;)、内容は衝撃的でした。満点!


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コメント

ジーンワルツ 読みました。通勤電車で読むのは、大変だったなぁ〜と(ウルウルこらえて)思い出しました^_^

カズッピさん、コメントありがとうございます!
やはりウルウル来ましたか(^^;)
私も涙をこらえるのがたいへんでした。

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