女心についての十篇「耳瓔珞(みみようらく)」を読みました
『女心についての十篇 耳瓔珞(みみようらく)/安野モヨコ 選・画(中公文庫)』を読みました。
名だたる(円地文子、川端康成、白洲正子、岡本かの子、有吉佐和子、芥川龍之介、織田作之助ら)作家の女ごころの“ひだ”を味わう傑作選です。
女の胸をかき乱す、淋しさ、愛欲、諦め、悦び・・などを著わした作品を味わう本です。
様々な作家が書いたものですが、それぞれがそれぞれにインパクト強めで迫ってきました。
いきなりですが、結論として・・女ごころは・・まったくわからん・・・。
だから・・文学になるんですよね。
だから・・男は一生、女の虜となり・・一生、女のために右往左往することになるんですね。
たとえば、川端康成の「むすめごころ」などは、主人公の女性が、自分が好きな相手に自分の好きな友を紹介して、二人をなんとか結びつけようとする。
そんな中、その好きな男から求婚されてもなお、自分の友と大好きな男を結びつけようとする。
そんな状況に苦悶しながら、ついに二人を結婚させた上で嫉妬含みの感情を自分で確かめ、なんだかわからないが、納得するような感情を得る・・。
さらに結婚した方の親友の女性も、「彼は三人で暮らしたいと言っているくらい私たちは仲が良い」みたいな発言をしていて、・・???です。
でも、それを文学として読んでいくと、三人の時間の経過とその空間がたまらなく狂おしくも刺激的、そして不思議な感覚が渦巻くのです。
どの話も“強い”ので、楽しめました。
女ごころの奥の深さにふれたい男性にも女性にもおおすめ本です。
【Now Playing】 土曜ワイドラジオ東京 ナイツのちゃきちゃき大放送 / ナイツ ( TBSラジオ )
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