「しっくりこない日本語」を読んだ
『しっくりこない日本語/北原保雄著(小学館新書)』を読みました。
著者は国語学者で、現在は新潟産業大学学長をつとめられています。
私よりも年代はずっと上の方ですが、日本語に対する感覚は割と近い感じがしました。
でも、私もけっこう指摘を受けそうな言葉づかいをしているんですけどね・・…σ(^_^;)
「きれくなる」→きれいになる・・という意味でしょうか。
著者同様私も使わないです。
「思惑」を【しわく】と読む人・・「おもわく」と私は読みますが、けっこう私の上司だった人達も【しわく】と読んでいました。最初は何のことかわかりませんでしたが、ああ「おもわく」のことだな、と後でわかったことがありました。
[困惑]や[迷惑]などの語と混同しているのかもしれません。
「気が置けない」は、本来の「遠慮する必要がない」「気が許せる」という意味にとっている人が少なく、逆の意味にとっている人が多いとのことですが、私はそのことを知ってるにもかかわらず、どう取られるかわからないので、使えないのです。
逆の意味にとられてしまう可能性があるわけですからね。
その歌の「さわり」だけ聞かせてください。
・・これも、「さわり」は本来、歌でいえば“サビ(聞かせどころ)”にあたる部分のことを言うのですが、でも一般には[最初の部分]だと思っている人が多いのではないでしょうか。
・・だから、勘違いされると思われるので、使えないのです。
<ら抜き言葉>の「着れる」「出れる」「見れる」などがいい例だと思いますが、多勢に無勢で若い人は(けっこう年配者も)使っています。・・これも私は使わないのですが、もう時間の問題で主力になっていくかと思われます。
それが高じて「考えれる」「わきまえれる」「信じれる」なども勢力を増そうかという状況ですが、ここまでくると“バカっぽい”ので、まだまだ大丈夫かも・・。
読んでいくと、著者が感じ取っているように日々日本語は変化し、誤った使い方が正しい使い方を駆逐していく様子がわかります。
そしてさらに著者や対談を終盤でされている梶原しげるさんもおっしゃっていますが、「そうだとしても、自分はその誤りを指摘し、最後まで正しい使い方をしていたきたい」というわけです(^_^;)
で、私もその一派です。
言葉には敏感にありたいな、と思いつつ本日の書き込み終了です。
でも、私も多々間違った使い方をしていると思いますので、その際は遠慮無くご指摘ください。勉強になるので。
よろしくお願いいたします。
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