「知識人99人の死に方」を少しずつ読みました
直前のブログにちょっと書いた『知識人99人の死に方/荒俣宏・監修(角川文庫)』を少しずつながら読み進み、読み終えました。
監修の荒俣さんはすでにテレビ出演されているところなどをご覧になってご存知の方も多いと思います。“博物学の巨人”みたいな人です。
私にとって子供の頃から一番身近な漫画の手塚治虫先生や、澁澤龍彦、森茉莉、三島由紀夫、寺山修司、江戸川乱歩、向田邦子、市川房枝、高村光太郎、棟方志功・・・ありとあらゆるジャンルの知識人、99人の最期について書かれています。
死を当然のものと受け容れ、泰然としている者、怖れるもの、必死で戦う者、突然あっけなく逝く者、それぞれの死の数年前から直前、死に至る様子などが書かれていて、前のブログでも書きましたが、私自身が体調不良の時に読んだもので、こちらもどんどん元気がなくなりました (・_・;
奥さんの名を呼び死んでいった人もいましたし、家族に見守られながら死んでいった人もいました。
孤独な死もいくつもありました。
あらためて自分が死ぬときのことも思いました。どんな状況で死ぬのだろうと・・。
子供の頃から死ぬときのことを考えて寝られぬ夜を過したこともありましたが、今はどうやって死ねばよいのか、などと考えるようになりました。
じたばたしてみっともない死に方はしたくないな・・と。
このブログもある意味、日々自分に決着をつけて、死ぬ準備をしているようなものだとも、あらためて思いました。そう思うと少し、心落ち着くのです。
壮絶なシーンなどもありましたが、私がこの本で一番印象に残ってしまったシーン、再現いたします。
日本の洋画界にあって時代を画した画家・林武(享年78歳 死因・肝臓ガン)の亡くなる数日前の様子です。
美術評論家・田中穣がこう書いています。
【風呂に入るのは無理だから、体をふいてあげましょう、いい子だから、そうしましょ、と看護婦たちが赤子をあやすようにしてその準備にとりかかったところで、私はひとまず病室を出たが、それから四、五十分後、患者の懇望した“入浴”はすでに終わっているはずの病室へ、私は帰り際の挨拶をしにはいって、たじろいだ。ベッドの上の裸のその人の男性が、天に向かって、いきり立っていた。それは不死身の巨大さを見せて、怒りにふるえ泣いていたのだ】
・・う~む、なんということか。
【Now Playing】 歌の日曜散歩 / 杉原満・石山智恵 ( NHK-AM )
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