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2017/10/14

花組「ハンナのお花屋さん」観劇してきました

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宝塚歌劇・花組 赤坂ACTシアター公演「ハンナのお花屋さん」を観劇しました。

写真のとおり、主人公は花屋さんを演じる明日海りお(あすみ・りお)さん。
以前宝塚グラフだったでしょうか、明日海さんが花屋さんになっているシチュエーションの巻頭グラビアがあって、私もとても気になりました。
明日海さん、とてもうれしそうだったのです。

そんな花好きな明日海さんの望みをかなえるような形で上田景子先生が書き下ろしたミュージカルです。
ロンドンの閑静な高級住宅地の一角に花屋を開いているデンマーク人のフラワー・アーティストが明日海さん演じるクリス・ヨハンソン。
デンマークに残した父との関係は母の死にともなって悪化している状況。

主演娘役の仙名彩世(せんな・あやせ)さんは、故郷クロアチアを離れ、仕事を求めてロンドンにやって来たが、異国の都会で不安を抱えながら暮らすミアを演じます。
ミアも地雷で亡くなってしまった弟の死は自分のせいだ、幸せになってはいけないという心の殻に閉じ込もっています。

芹香斗亜(せりか・とあ)さんは、明日海さんの回想の中で父親役。これは難しい。
幻想の中で妻ハンナとの幸せな日々や、ハンナの死後の苦悩する様子、それを取り囲む故郷の人たちの姿・・特に後半はこの芹香さん演じるアベルをめぐる当時の事実が演じられる部分がこの演目にとって大きな意味をなしていて、ハンナを演じた舞空瞳(まいそら・ひとみ)さんの演技とともに見応えがありました。
そして明日海さんの花屋さんの周囲の人々も含めた花組の層の厚さを感じました。
皆が皆、輝いていました。

今回特に光っていたのは明日海さんの花屋のカフェとWeb部門担当をしているトーマス・ルイクを演じた優波彗(ゆうなみ・けい)さんです。
とても自然な演技なのに、表現されているものは深い。芝居心のあるジェンヌさんだと感心しました。

物語全体としては上田先生は、宝塚らしくないと言ってもいいくらいの内容で、明日海さんと仙名さんの“愛が実る”過程を中心に描くといういつもの宝塚的なストーリーではないものを作り上げていました。
もっとささやかな、「どんな人も幸せになっていい・・。花は神様が人々に分け隔てなく幸せになってほしいという天からの贈り物」というコンセプト。
なのに、世界は人々が憎み合ったり、戦争が起きたり、差別があったりという状況がずっと続いている・・そんな神の望んでいる部分と現実のギャップという深いところまで実は踏み込んでいる作品でした。
上田先生らしい、人間的テーマのある作品だと思いました。

だから、客席の私も、私の周囲の人たちも自然と涙が流れてしまい、ハンカチ必須なものになっていたのでした。

特に前半ラスト付近の仙名さんの渾身の演技のときには涙が止らず、さらに後半の芹香さんを中心とした明日海さん演じるクリスの父母に関わる愛の真実のシーン、続いて明日海さんが心のわだかまりを解き、未来に向かって歩むシーン、さらにさらに仙名さんとの未来を予感させるシーン、静かだけど私には心に残るミュージカルでした。

明日海さんも、たぶん自分が今までに心の中で描いていた自分らしい演目にじっくりと取り組むことができて(これには仙名さんという相手役が必要だった)、充実した日々を過されているのではないでしょうか。
落ち着いている舞台姿に見えましたが、秘めたる力強いものをたしかに感じました。

私が見た回は、立ち見も出ていましたが、ぜひとも宝塚の新しい側面を見せてくれているこの演目、ファンには見ていただきたいものでした。


【Now Playing】 深層深入り 虎ノ門ニュース / ケント・ギルバート、半井小絵 ( YouTube )

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