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2017/10/11

村上春樹の「雑文集」を読んでみた

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『雑文集/村上春樹著(新潮文庫)』という本を読みました。

音楽の話や、人生の話、若い頃の思い出話、文学賞受賞の挨拶文、その他著者の村上氏が“雑文”と読んでいるものが多数収録されていて、未収録・未発表のもの、没になった文なども含まれていました。

もともとあまり村上作品を読んでいない私がなぜこの本を手に取ったかというと、氏にとってのジャズについて書かれた部分が立ち読みで目にとまり、「すごいな」と思ったからです。
ジャズ評論家やオーディオ評論家の評論なども本や雑誌でよく目にしている私ですが、氏の文章は突っ込みどころが異なっています。

妙に専門的な解説みたいな文にはよく出会いますが、この本でのジャズへの著者の関わり方はよくいる日本のジャズファンみたいな感覚ではありませんでした。
今回のこの本の文でいうと、アメリカ側から、そしてニューヨークの当時の一流ミュージシャンから見たジャズについて書かれていて、単に“ジャズがいい”っていうんじゃなく、ジャズという音楽そのものが人々にとってどう受けとめられているのか・・という、私が今まで考えてもみなかった視点で書かれているのです。

それに付随するオーディオについても、氏はJBLの古いスピーカーを長年使用しているのですが、「いい音を追求する」ということであれば、現在出回っている高級品を揃えれば手持ちのシステムよりも格段にいい音と言われるものが出せるだろうが、自分の求めている音はそういうものじゃないと、現在のシステムで奏でられる音への自らの満足感について読んでいるこちらにもわかりやすく書かれています。
その表現も見事だと思ったのです。

ついこのあいだノーベル文学賞を取られた「カズオ・イシグロ」の作品についてもふれています。
イシグロの作品は礼拝堂の広大な天井や壁の絵画のようであると表現しています。

そして発表される個々の作品はほんのその絵画の一部を提示することに似ていて、やがては構築されるであろう宇宙のように広がった作品を眺望するような感覚であると書いています。
それが感動や興奮をもたらすのだと言っていて、そうか、そうなんだ・・と、思わずうなずいてしまいました。

収録されている文には、私のまったく興味のない分野も多々あって、それらについては、村上氏独特の表現がかえって足かせとなって理解し難く、読んでいてつらい部分もありましたが、それでも他では得られないものをこの本からもらったような気がしました。

・・カズオ・イシグロ作品に対しての記述はまさにタイムリーで、驚きました。


【Now Playing】 石が語る美の世界 / 山田五郎・絹谷幸太 ( NHK-FM録音 2007.9.16 )

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