BBC特番、サージェント・ペパーズ50周年記念ドキュメンタリーを見た
11月3日にNHKで放送された表題の記念番組を録画しておいて見てみました。
日本版タイトルは「ペパー軍曹の音楽革命 ~ビートルズ不朽の名盤はこうして生まれた~」となっていました。
本国では早くに放送されたようですが、日本語版製作に時間が掛かったのか、それとも契約等に手間取ったのか、でも放送されてよかったです、見ることができて。
しかもなかなか丁寧な作りの番組になっていました。
サージェント以前のビートルズの歴史はさらっと流し、サージェント制作過程にほとんどの時間を割いていたのはとてもいいことでした。
よくこういう特番があると、本編の一番肝心なところにたどり着いたところで時間が押していて、ろくな解説もなされない番組が多い中で、BBCはじっくりと作品ごとの特徴や、ビートルズの楽曲に対する取り組み方、録音技法、演奏方法について細かに、しかも初めてサージェントの解説を聞くような人にもわかりやすく(これが大切だと思う、ファンなら、マニアなら知ってるだろう的なものが多かった中で、この番組はその点がとても親切だった)、さらに当時の時代背景(社会的なこと、技術的なこと、音楽的なことまで)もうまく説明してくれていたと思います。
映像的にもとても面白くて、サージェント・ペパーズの雰囲気が番組全体でわかるような感じになっていました。
わかりやすく番組を作れるってことは、サージェント・ペパーズの録音プロジェクトについて、かなり深く研究しているってことだと思います。
よくわかっていない人に限って、やたら小難しいことを並べ立てたり、ビートルズの特番なのに、ビートルズに対して批判的であったりもするものです。
つまりよくわかっていないから、話の方向をずらそうとするからなのだと思います。
マニアならよく知っているエピソードも紹介していましたが、それに付随して様々な映像や残されたトラック、実際の新しい音楽的技法や、演奏への取り組みなども絡めて紹介している“善意”の方向性にはうれしくなりました。
だって、私はビートルズ・ファンなのですから。
結論的には、サージェント・ペパーズは、その後のロック、ポピュラー・ミュージックにとって画期的なものだったということになったわけですが、よく後年のジョンのサージェントに対する批判的な発言などを真に受けてこのアルバムを貶めるようなことを言ったり、解説したりする人がいます。
例えばこのアルバムのジョンの曲をきちんと聞けば、ジョンが新しいことに夢中になって取り組んでいたことがわかると思います。
自分で、自分の感性でよく聞きもしないで、人の発言やそのときの時流に乗った批評などに惑わされる人、今までたくさん見てきました。
その人たち、サージェント・ペパーズ50周年記念盤や、書籍なども発刊される中、自説をどうこねくり回しているのか聞いてみたい(ほんとうは聞きたくない)ものです。
【Now Playing】 Getting Better / The Beatles ( Rock )
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