映画「キセキの葉書」を見てきました
映画『キセキの葉書/2017年 日本 監督:ジャッキー・ウー 主演:鈴木紗理奈』を千葉劇場で見てきました。
実話をもとに作られた映画で、脳性麻痺の重度の障害を持つ女の子と長男、夫、そして自分という家族構成で、震災後の神戸に住む四人家族の物語です。
その家族をぎりぎりの状態で支え、奮闘し、悩み、苦しみ、そして人からのささやかであたたかな言葉に光明を見出していく主婦役の鈴木紗理奈さんが主役です。
さらに遠方に住む両親のうち、母親とは脳性麻痺の長女への冷たい言葉で確執があり、その母が今度は認知症と鬱という、これもたいへんな症状が顕著になり、父親から再三の電話が来て、それにも心痛み、やはり人からのささやかな言葉から母親にも遠方から全力で対応していく・・。
聞いているだけで暗くなりそうな話ですが・・、それがねぇ涙なくしては語れない光輝く物語に進展していくのです。
遠方の母親には脳性麻痺の長女がいる身、そして夫が単身赴任留学となってしまった状況で直接行くことが出来ないが、毎日おもしろエピソードで葉書を送るということを始めます。
どんどん症状が重くなる母親(役:赤座美代子・・静かかつ激しい女優魂を感じさせる演技だった)が、やがて心開き、しかも最終的に5000枚にも達したという(実話)葉書が楽しみになり、スケッチブックにそれらを貼り、そのスケッチブックに「希望」とマジックペンで書き入れるまでに回復してゆく過程はあまりに長く、紆余曲折があるのですが、大きな感動となります。
また、そのきっかけとなった、やさしく、しかも力強く、さりげない言葉をかけた紗理奈さんを見守る近所の老婦人を演じた雪村いづみさんの演技もしみじみとよかった。
脳性麻痺の長女を演じた八日市屋天満さんも、信じられないような素晴らしい演技で脳性麻痺の女の子を演じ、やがて紗理奈さんはじめ皆の言っていることが理解出来ていることがわかる感動の場面まで見ているこちらをものすごく強い力で引きつけていました。この子の役者魂も常人ではないと思いました。
長男で紗理奈さんのことを気遣い、やはり涙なしには見られない健気な様子を演じた福冨慶志郎さんも溌剌として心打ちました。
そして主演の鈴木紗理奈さん。
もともとの大女優が演じたのならば、こんなに人の心を打つ演技はできなかったのかもしれません。
彼女の演技にひたむきに取り組んでいる様子は、この映画のストーリーも素晴らしいのですが、全身で原田美幸という女性を演じていて、大きな感動を呼びました。
もう、涙なしには見ることの出来ない作品でした。
多くの人に見てもらいたな、と思いました。
最近のニュースなどでご存知の方もいらっしゃると思いますが、主演の鈴木紗理奈さんはこの作品で、スペイン・マドリード国際映画祭・最優秀外国映画主演女優賞を受賞しました。
授賞式前夜のレストランでパスポートを盗まれてしまった紗理奈さん。
受賞挨拶のときに「パスポートなくして、賞取った!」と叫んで笑いをとりましたが、「人生の転機、自分の中で何かが動いている」と語っています。
写真は満面の笑みでトロフィーを掲げる紗理奈さん。
女優としての活躍がこれから楽しみです。
今回は、感動の映画のご紹介でした。
映画の中で心に残った言葉。
「生きているだけで、ここにいるだけで幸せなんだ。」と言う言葉。私もたいせつにしたいと思います。
【Now Playing】 トーキングウィズ松尾堂 / 大橋マキ、平山令明 ( NHK-FM )
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