脳の本番は56歳から始まるという・・「成熟脳」を読んだ
『成熟脳/黒川伊保子著(新潮文庫)』という本を読みました。
表題にあるように、“脳の本番は56歳から始まる”・・もの忘れは「老化」ではなく「進化」だった!・・という(*^_^*)なんとも心強い謳い文句じゃぁありませんか。
脳の成熟過程は7年毎であり、なんでも吸収し、覚えていく過程から、自らの脳のスタイルを確立していく過程、さらにさまざまな失敗をして経験していく過程、そして今までの経験を生かして成熟期に入っていく過程、そしていよいよ『本番』は56歳からだというのです。
物事の優先順位が見えてくるのは、最高潮期を脳が迎える56歳で始まりを告げる・・というヽ(=´▽`=)ノうそのようなホント?!の話。
著者は奈良女子大学理学部物理学科卒で、かつてAIの研究に携わり、現在は(株)感性リサーチの代表取締役、いい加減なことを言っているわけではないのです。
「あのひと、え~となんだったけ、あの役のあのひと」なんていって、俳優の名前が思い出せなくて・・どうしようなんて思っていませんか(私も思っている)?
56歳からの最高潮の脳はそんなこと覚えていなくてもいいから名前を覚えていないだけ、顔がわかってるんだからいいじゃん!ってことらしいです(^^;)いやぁ、ほっとするわい。
で、詳しく脳の成熟過程をなぞっても、この本を売っている著者と新潮文庫に迷惑をかけるので、私が最近特に気になっていることについてもふれていたので、その部分について・・。
小室哲哉さんの報道から、ちょっと雲行きが変わってきた不倫報道にも関係するのですが、「一緒の墓に入らないからこそ、節度と憧れを保つ仲。一定の年齢を過ぎたら、そんな異性の友だちが許されてもいいような気がする。」と著者はおっしゃっているのです、もちろん著者にも旦那さんがいての話です。
夫婦生活とは、“恋が腐っていく”のを見守る暮らしである。
優秀な子孫を作るために、夫婦は互いに“感性真逆”の相手に惚れる(その方が違う感性を持ち寄ることになり、子孫の生存可能性が高くなるという、まさに理論的な理由があるというわけ)。
で、“くっつき合った”ときには、脳が相手のあら探しをやめる期間があって、それが“あばたもえくぼ”期間だという・・(^_^;)
そんでもって、あばたも・・期間は永遠ではない!
やがて恋が腐った果てには、「腹が立つけど、邪魔じゃない」という一体感みたいなものが生まれる・・オレか?!・・んだそうですよ。
夫婦になった以上、上記の感覚を味わわないのは、とても惜しい気がするともおっしゃっています。
腐臭を我慢していると、やがてミイラになるから心配いらんっ!そこまでくれば夫婦は安泰!だってさ( ̄O ̄;)
でね、「夫が女友達と万灯籠を歩くくらい、目をつぶってあげてもいいような気がする。」ってわけです。
男女が逆でも同じ。
ただし、その場合も、言わぬが花。
「嘘をつくくらいの遠慮」があるほうが配偶者に対する色気を感じさせる。
・・ということなんですよ。
「不倫、不倫」と騒ぎ散らして、芸能人や政治家を一線から引きずりおろすのが、昨今の風潮だけど、世間の人々はそこまで清廉潔白に生きているのだろうか・・」ともおっしゃっています。
「万灯籠の夜に粋な会話を交わす熟年男女の真実を、白日のもとにさらしてこき下ろさないですむような成熟した社会であってほしいと願うばかりである。」と、その章を結んでいます。・・同感。
というわけで、上記のようなひとつのエピソードを取り上げた項目だけでも面白いでしょ。全編読むと、まさに様々、人間の、脳の、成熟過程について、とても面白く、詳しく書かれています。
なかなかの本でした。
【Now Playing】 You Don't Have To Mean It / The Rolling Stones ( Rock )
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