酒井順子さんの「都と京」を読んだ
『都と京/酒井順子著(新潮文庫)』を読みました。
“都・みやこ”と“京・みやこ”です。つまり東京と京都のこと。
著者の酒井順子さんは、東京に住んでいますが、京都の魅力に30代からめざめて、どうしても、ときには京都に出掛けたくなる、その魅力について書かれているのです。
私も東京勤務の時に京都市の方と知り合いましたが、やはり、佇まいというか、雰囲気も異なるし、“京・みやこ”の方の泰然自若・悠然とした感じは他のどの市の方とも違うし、“別もの”(^^;)でした。
「いけず」と「意地悪」、「もっさい」と「ダサい」の言葉の違いや、節約については「始末」と「ケチ」の違いについての酒井さんの語りは、とてもよくわかった。
祭りについても、東京の高円寺阿波踊りや浅草のサンバ・カーニバルのような、何処かからか持って来てとりあえず祭りにしちゃう感覚と、祇園祭のような歴史あるものからくる京都の人たちの様子など、読んでいて、わかり過ぎて面白く、止らない感じ(゚ー゚*)。oO
同じ大学生がたくさんいる東京と京都でも、東大生と京大生を例に、これまた“なるほどねぇ”と思わせる見事な説得力!
ついには、京都出身の綿矢りささんと東京出身の金原ひとみさんの文学と、両者の振る舞いというか、世渡りの違いにまでふれています。
で、ただ東京と京都の違いにふれるだけでなく、京都で宿泊したときの旅館での過ごし方の良さや、さまざまなお店や、街角での「いらっしゃいませ」と「おいでやす」のサービスの異なりなども紹介していて、読んでいて、こりゃ絶対に京都に行きたくなるよ・・と思ってしまうようなものでした。
面白い話題が満載なのですが、私が特に気になったのが、「・・・してはる」という言い方。
東京には無い言い回しです。
「してらっしゃる」とは明らかにニュアンスが異なる・・。
また、「おいもさん」や、「おくどさん(※かまどの意)」などの“さん”の使い方がこれまたいいっ!!
北野天満宮は“天神さん”と親しまれ、神仏、神社仏閣も、さんづけで呼ばれるところが、これまたたまらない。
京都、・・新幹線で通り過ぎることばかりだったが(妻と長女は出掛けたりしているが)、私も今年は行ってみようと思ったのでした。
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