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2018/02/06

嵐山光三郎さんの「新廃線紀行」を読んだ

20180206_kouzaburo_arashiyama01

『新廃線紀行/嵐山光三郎著(光文社文庫)』を読みました。

この本は、鉄道の「廃線」を訪ね、その消えた鉄道の残影を求め、感じ、全国26路線にも渡る廃線を踏破する紀行文なのです。

そもそもが、そんなに廃線があること自体私は知らなかった。

鉄道が敷設され、伸びていくことによってそこには血が通うように生命が宿るように人が住み始め、やがて様々な理由でピークを過ぎると“廃線”という問題が浮き彫りになり、ある日廃線の憂き目に遭う。

すると、生命線であった血管が突如遮断されることになり、町は廃れる。
その様子もこの本で描かれているが、実に寂しい・・。
そして、その町で健気に食堂や菓子屋などを商っているお店も訪ねるのだが、そこにも人生の悲哀や、わずかだが、希望の灯りのようなものも感じます。
それが実に・・しみじみといいのです。

重要文化財を擁する絶景廃線や、ご当地グルメ、温泉まで堪能できる廃線。
廃線といっても様々、その味わい方も様々です。

嵐山さんは時には自転車で、時にはローカルバスで、国土地理院の五万分の一地図で調べた点と線をつなぎ合わせ、ひたすら廃線を巡りまくります。

ある廃線駅では、次々と現われる廃屋と化した駅舎や、錆びたレール、蔦の絡まる信号機などを見て“マジ”にむせび泣きます。
なぜか、私ももらい泣きしそう・・(T_T)

日本全国、廃線となった路線は、それぞれの物語を持ち、その後その町に住む人々のドラマもあります。

廃線は、一年で草ぼうぼうになってしまう反面、50年経っても消えない鉄道の痕跡があるそうです。
「廃線をたどる」という新しい分野が開けているようですが、まさにその分野の先頭切って走っているのが嵐山さんのようです。

日本人らしい“詫び寂び”さえ感じさせる不思議な「廃線紀行」、新たな感覚の本でした。


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