「昭和ヒット曲の真実 全147曲」を読んだ
『昭和ヒット曲の真実 全147曲/橋本テツヤ著(中経の文庫)』という本を読みました。
ラジオDJを経て、コラムニストなどの活動をしている著者の昭和歌謡への想いが強く伝わってくる本でした。
私もあらためて昭和のヒット曲の数々をこの本により新鮮な気持ちで思い出すことが出来、しかも今になって「ああ、そんなことを歌っていたんだ」と気づくことも多かったのです。
気づかせてくれるってことは、著者の想いはそれぞれの曲の隅々にまで行き渡っている・・ということなのだと思いました。
尾崎紀世彦の「また逢う日まで」は、もともとズー・ニー・ブーというグループが「ひとりの悲しみ」というタイトルで歌っていたということも書かれていました。詞も異なる部分があったようです。
「ふたりでドアをしめて・・ふたりで名前消して」と、同時に部屋を出て行く、たぶん同棲していたであろう男女の様子がうかがい知れますが、不思議な歌詞だなぁと思ったことを思い出しました。
で、この曲は大ヒットしてレコード大賞に!
この本でも何例か挙げられていますが、もともとはB面だった曲や、歌手本人はまったく乗り気でなかった曲などがやがて大ヒット曲になり、その歌手の代表的な歌になるということは多々あるようです。
人の運命、歌手の運・不運って不思議な縁のようなものを感じます。
それは私たち普通の人間でも同じ。
今、とても仲良くしている人も、万に一つの可能性で出会っていたりします。
“縁を大切に”って、あらためて思い直しました。
イルカの「なごり雪」が、風の「22才の別れ」の続きだった・・というのも初めて知りました。
このままでは幸せにならないと気づいた彼女が「目の前にあった幸せにすがりつく」彼に別れを告げる“さよなら”・・。
その“さよなら”の言葉は、あの「なごり雪」の駅での別れのシーン、「君の唇がさようならと動くことがこわくて下をむいてた」につながっていたとは・・伊勢正三さん、やります。
そういう物語も知ることができて、“ジン”ときたりもする本でした。
ページをめくる度に、ああ、あの曲、こんな歌詞だったっけ、そうか、こんな想いが詰め込まれていたのか、などと記憶の片隅にあったものが再度浮き上がってくる、そんないい本でした。
【Now Playing】 天使のウインク / 松田聖子 ( 歌謡曲 )
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