「わたしの『もったいない語』辞典」を読んだ
『わたしの「もったいない語」辞典/作家・文学者・俳人などのエッセイ集(中公文庫)』を読みました。
いろいろな言葉の世界のプロ150人が選んだ言葉へのオマージュ、簡単にいうと「最近、こんな言葉使われなくなってきたよね、でも“いい言葉”だよ、まだ使ってみたい」というようなものが書かれたエッセイ集なのです。
様々な人が書いているだけに、それぞれがそれぞれに面白かったのでした。
俳人の関悦史氏があげた『縁側』。
「三和土・たたき」「欄間・らんま」「囲炉裏・いろり」に比べれば、まだ使用頻度は高い方かもしれないが、縁側そのものが街を歩いていても一般民家では見かけることがなくなりました。
隣のおばさんや、行商の人など、顔なじみの人は縁側に現われた。
私の実家も、そのご近所も、子供の頃はそんな感じでした。
東日本大震災のあとに、避難中の人達から口々に訴えられたのが、“縁側”や“井戸端”のような近所同士が集まることの出来る“中間領域”の懐かしさだったと書かれていました。
もう“縁側”が街に復活することはないだろうけど・・、でも関氏は「震災時には、携帯電話で見ることのできる「ツイッター」が役立った、と言っています。
既知・未知の入り混じった多くの人との交わりが今は「縁側」の代わりとなっている、というようなことも書かれていました。
「縁側」だけでもこれだけの話題になる。
その他「お店屋さん」「活字」「カランコロン」「達者で」などなど、様々な人がいろいろな言葉についてふれていました。
私の“もったいない語”は、「愛」と「正義」と「真実」です(*^_^*)
もう毎日生きていて、日常これらに“お目に”“お耳に”かかることはない。
特に「政治」の世界では“死に絶えた”言葉です。
「愛」と「正義」と「真実」がリアルに生きているのは・・宝塚歌劇の中だけです。ほんと、私の場合はそう・・。
三つの失われた言葉、ものに対しての渇望が私を宝塚劇場へといざなう…σ(^_^;)結局、“宝塚オチ”かい!(^^;)
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