寺島靖国さんの「JAZZ雑文集」を読んだ
『JAZZ雑文集/寺島靖国著(DU文庫)』を読みました。
いや、長かったというか、たいへんだったというか、手に重かったというか、700ページもあるのです。
著者の寺島さんは、ジャズ喫茶のオーナー(最近、メグを譲ったらしい)、オーディオマニア、レーベル・プロデューサー、そしてジャズに関する執筆でも有名です。
その人が書きも書いたり700ページ!!
老人の“グチ”、恨み節、罵り、泣きごと、我田引水、ケンカの売ったり買ったり、などなどと700ページも付き合ったのです、もうやんなっちゃった(^_^;)
しかもハイハット・シンバルの“ズシャ~ン”にこだわっている、などというわけのわからないどういう音かもわからない表現に四苦八苦し、そうですか、おじいちゃんそうなんですね・・みたいになってきて、まさに「傾聴ボランティア」的な読書となりました(*^_^*)
非常に臆病な側面をときどき見せてくれて、あれれ意外と可愛い感じ、などと思っていると、突然凶暴になり、同業者やミュージシャンに毒づき、挙げ句には、この本の元となっている連載誌の読者からのお手紙に真っ向戦いを挑みます、もうこのひと“ぶっ壊れて”いる。
などとは思いつつも700ページも無事読んだわけで、それを面白がっている私がいるわけです。しかも、ジャズの話題で700ページ書ける人なんて他にいるのかね、素晴らしいっ!!
結局、私は寺島靖国さんの存在そのものに魅了されているわけです、びっくりだよ、自分でも…σ(^_^;)
昔はよかった的なこだわりを捨て、新しく出てくるジャズを聞け!、口で歌えないアドリブなどろくなもんじゃない、スタンダードを半分くらい、新曲を半分くらいにした、ほどよいアルバムを出せ、アルバム・ジャケットにこだわれ!ジャケット見てても買いたくなるものがおそろしいほど無いぞ、“自分のジャズ哲学”を押し付けるな、“オーディオ”でなく“ジャズ・オーディオ”だ、ジャズ喫茶では1260円以上たのむから消費してくれ・・(^_^;)などなど、次々と速射砲的に様々な話題について書いている寺島さん、疲れましたが面白かったですよd(^_^o)
最後の方で、千葉市の稲毛にあるジャズ喫茶「キャンディー」を訪れ、そのJBL「エベレスト」の音に感心する寺島さん。ママの「JBLの音ではなく、キャンディーの音なのです」という言葉にさらに感服。
またママのカウンターでの客扱いの妙味にも驚いていました。
キャンディーは千葉が誇るジャズ・スポットです、あらためてそう思わせてもらいました。
ジャズが好きで、“ジャズの話題をオカズに飯が食える”ような人、そんなあなたには700ページなんて、なんてことないかもしれません。あなたも“犠牲者”になりましょうよ(^_^)
【Now Playing】 トーキングウィズ松尾堂 / 菅野祐悟、和田薫他 ( NHK-FM )
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