【はっPのアナログ探訪_0150: MAGIC TOUCH / STANLEY JORDAN ( LP )】
今回のアナログ探訪は、ジャズ・ギタリスト、スタンリー・ジョーダンのアルバムです。
ブルー・ノート・レーベルから出されたこのアルバム、当時はギタリストの間では騒然と話題になった作品ではなかったかと思います。
一曲目はビートルズの「エリナー・リグビー」をジャズにして弾いているのですが、アルバムジャケットの裏面にも書かれているように、「驚くな、このギターはたった一人で、しかも同時に弾いているのだ」みたいなことが書かれていました。
今でこそ、日本には、告井延隆さんという“超絶ギター・ひとり全パート演奏”の達人がいらっしゃいますが、たぶんこのアルバムが出たときには、まったく信じられないプレイだったと思います。
プロモビデオで見たときにも、その映像だけではどう弾いているのかもわかりませんでした。
オリンピックの体操競技が時代を経るにつれ、過去の超絶技術が“普通”の難度になっているような感覚にも似たものを、今聞いていて感じました。
あの頃は、あまりに“テクニック誇示”的に聞こえてしまい、鼻白むような思いもしましたが、でも、今のこの時代に聞いてみると、なかなかソフトでふんわりと優しい感覚のギターに感じます。
かなり意外な感覚でした。
ようするに「音楽」として純粋に楽しめるものになっていました。
結局、そういうことなんだなぁと思いましたよd(^_^o)本人は、ただいい音楽を演奏していただけなんですね、やや偏見をもって聞いていたあの頃の自分に気づき、ちょっと恥ずかしくなりました。
ギターの音色は、リバーブ的な残響音のエフェクトはかかっているものの、あくまでナチュラルなもので、静かに部屋でフレーズごとの余韻を感じながら聞いていくことができました。
クールなプレイの中にも、ほのかな温かみを感じるいい演奏でした。
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