太田和彦さんの「日本の居酒屋 -その県民性-」を読んだ
『日本の居酒屋 -その県民性-/太田和彦著(朝日新書)』を読みました。
“腰巻き”には、写真のとおり「太田和彦30年の集大成 のれんをくぐればお国柄が見える。」と書かれています。
このブログで何度もご紹介している“居酒屋の第一人者”太田和彦さんが都道府県別にそのお国柄に触れつつ、その地で出会った太田さんお気に入りの居酒屋について“愛”を込めて教えてくれちゃうという、“居酒屋好き”の皆さんにはこたえられないものになっています。
冒頭の北海道から動画などでもお馴染みの“太田節”が展開されます。
内地のしがらみを嫌った意欲ある開拓者によるフロンティアの合理精神が進取独立の気風を育てた・・とあり、居酒屋はどこに行っても自由の風が吹いていると語っています。
来道者を偏見なく迎えるウェルカムな姿勢は、しばし西欧の酒場やパブで飲んでいるよう・・ともおっしゃっています。
ここで紹介されている旭川の「独酌三四郎」は、私もかねてより憧れている居酒屋です。
すらりとした美人おかみは日本三大“白割烹着美人”と持ち上げます(゚ー゚*)。oO
ここの「焼き燗」と呼ばれる、直火の燗酒は太田さんいわく、絶妙の勘所を心得ているようです。おかみが腕によりをかけてつくる「ニシン漬け」といっしょに味わいたいものです。
このように各都道府県の特徴を紹介してもらいつつ、南下して沖縄にたどりつくこの本、まさに居酒屋界の名著と呼ぶにふさわしい内容となっていました。
横須賀の「銀次」や、大阪阿倍野の「明治屋」、和歌山の「千里十里」、松江の「やまいち」、倉敷「鬼の厨しんすけ」、高知の「葉牡丹」、大分の「こつこつ庵」、鹿児島の「菜菜かまど」など、ぜひ一度は寄ってみたい居酒屋の数々は、枚挙に暇がありませんが、読んでいるだけで、その場で各地の名酒と共においしい肴を味わっているような気になりましたよ。
これは、呑兵衛にとって『居酒屋・バイブル』的存在になる本でした。
あなたも呑兵衛なら、ぜひ手に取って読んでみて!d(^_^o)
【Now Playing】 While My Guitar Gently Weeps / George Harrison ( Rock )
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