先生はいつまでも先生
このブログに度々登場する私の中学時代の担任で美術の先生。
実際に中学時代にはそんなに仲良くしていたわけではありませんでした。
中学を卒業して翌年、先生宅に友だちと泊まりがけで出掛けて、銚子電鉄に乗ったり、焼き物を体験させてもらってからは30代後半まで音信不通でした。
30代後半になったある日、中学時代に先生からもらった暑中見舞や、年賀状を発見!そこに描かれていた絵にあらためて「これはすごい作品なんじゃないのか?!」と驚き、先生にそれらを写真に撮って手紙で送ってみたのです。
先生も若かりし頃の自分の絵を見て「ショックを受けた」とおっしゃっていましたが、「展覧会をやっているから見に来い」と手紙をいただき、20年近くぶりの再開をしました。
先生は変わっておらず、むしろその絵画や作品に対する感覚は若々しいくらいに新鮮なものを持っていらして私を驚かせました。
ちょうどその頃ジャズにも目覚めた私に、「ジャズが好きか、それはいい」と先生も好きな音楽はジャズだと言ってくれて、その直後、驚きの展開に。
先生が匝瑳市の松山庭園美術館のアトリエで、先生の作品を展示しつつ、ジャズの生演奏を行うという企画をされ、私が行ってみると、そこには、ジャズの巨人(※偉人と言った方が適当か)「エルビン・ジョーンズ」や、デルフィーヨ・マルサリス他、ニューヨークのそうそうたるジャズ・ミュージシャンが登場し、演奏を始めたのでした。夢を見ているみたいだった。
千葉の田舎の田んぼの中の美術館で世界一流のミュージシャンが先生のために訪れ、ライブを行っている・・。
もうそれからは先生とはずっとずっとのお付き合いになり、今に至っています。
このあいだも、絵画ではなく、造形の展示を今までとは全く異なる人達とギャラリーで行い、大盛況でした。若い作家の人にもまったく対等にくったくなくコラボする先生に感服したのでした。
ギャラリーでお話していると、そこの近所に革細工をしている日本家屋があるが、ツタがからまってなかなかいいぞ、一緒に行こうと私と他の若い作家を連れ出し、そこで私が撮った写真がこのセピア色の写真です。写っているのは先生です。
とっさの判断で私はセピア・モードでこの写真を撮ったのですが、あとで先生に郵送すると、すかさず電話が!
「この写真はいいっ!」何か自分の紹介をするときなどに使わせてくれとのことで、快く応じました。どんな形で使ってくれるのか楽しみです。
私の大事な大事な担任の先生は、今でも私を担任してくれているみたいです。
ますます元気で多くの作品をつくり続けてほしいのです。
« 太田和彦さんの「日本の居酒屋 -その県民性-」を読んだ | トップページ | きょうは完全休養にした »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 『話術/徳川夢声』を読みました。(2020.08.12)
- こういうときにどうすればいいのか(2020.04.05)
- 今年も暮れて行きます。一年を振り返って。(2019.12.31)
- 石を送るひと(2019.01.23)
- 切手からのいい話(2019.01.22)
「様々な交流」カテゴリの記事
- 横芝光町のギャラリー『笑虎』での「南隆一個展」に行って来ました。(2020.12.06)
- JR飯岡駅併設の「海上ふれあい館」にレコード鑑賞に出掛けました。(2020.11.29)
- スペシャル玉手箱・ブックを作ってみた(2020.11.15)
- 「造形遊び4人展 ゴチャマゼ!」に出掛けた。(2020.09.23)
- 竹内政明の「編集手帳」傑作選を読みました。(2020.09.22)
「しみじみモード、私の気持ち」カテゴリの記事
- 体調のこと(2021.03.01)
- 向田邦子さんの「父の詫び状」をあらためて読んでみた。(2021.02.10)
- 体調をくずしておりました。(2021.01.30)
- NHK 「SWITCH インタビュー」で望海風斗さんと浅田真央さんの話を聞いた。(2020.08.10)
- 「気の毒な人」の続き・・“馬鹿者っ”て怒る人(2020.07.05)
「建物・風景」カテゴリの記事
- 「今日もいち日、ぶじ日記/高山なおみ」を読みました。(2021.02.26)
- 向田邦子さんの「父の詫び状」をあらためて読んでみた。(2021.02.10)
- 太田和彦さんの「ニッポンぶらり旅 可愛いあの娘は島育ち」を読みました。(2020.11.13)
- 「お寺の掲示板」・・面白くて、“タメ”になって、笑った。(2020.07.24)
- なぎら健壱さんの「東京路地裏暮景色」を読みました。(2020.04.11)
コメント