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2018/06/26

宮下奈都さんの「遠くの声に耳を澄ませて」を読んだ

20180626_miyashita_natsu001

『遠くの声に耳を澄ませて/宮下奈都著(新潮文庫)』を読みました。

宮下さんの小説を読んだのは初めてでした。
幾編かの短編によるものなのですが、登場人物はそれぞれの短編に“かぶって”いて、それが絶妙の効果を発揮しています。人生が何か織り込まれてつくられているのだ・・っていう感じ。

それぞれの話は、私達が日常に感じている“些細な”ことを取り上げているのですが、でもね、それらが重なって私達の人生が構成されているわけですよね。
私自身が夢で見たような、ほんのちょっと軽く、でも忘れられないような出来事、他者からのひと言、など、いろいろなピースがはめ込まれて日常が出来上がり、やがてはそれが人生となっていく・・、そんな感じなのです、この短編小説集。

付き合っている男女、ふと、なぜこの人と一緒にいるのか、などと思うと、そこからまた自己の摩訶不思議で迷宮的な精神世界に迷い込んでしまったり、田舎のおじいちゃんとの幼い頃の思い出の断片が、おじいちゃんの具合が悪くなり見舞に行ったときに瞬時に蘇ってきて、当時おじいちゃんが語っていた謎の国の名前を思い出したりする話もありました。
そして、その国は実在し、おじいちゃんの想い出の「缶・かん」にその謎解きが仕舞われていた話など・・、ちょっとキュンとしたり、記憶の片隅から風が吹いてくるような話ばかりでした。

で、私も小さい頃に不思議だと思っていたことや、大人になってからの人とのつき合いの中で感じた、“妙な”心にささる棘のような出来事などをいくつか思い起こしてしまいました。

人生の中での特別な出来事や、生死にかかわる重大な話、などではなく、日常の中にある私達人間のちょっとしたわだかまりのようなものを描いて秀逸の作品でした。
読後の今も、何かざわざわと、そしてそよそよと何か心の中に風が吹いています。


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