佐野洋子さんの「ふつうがえらい」を読んだ
『ふつうがえらい/佐野洋子著(新潮文庫)』を読みました。
平成3年初出で、平成7年に文庫化、その後版を重ねて平成23年には「二十刷」になっているものをブックオフでゲットd(^_^o)いつものとおりです。
佐野さんの文章は、常に自分の思うがままに一直線に突き抜けて行く感じ(^^;)
ある意味“男っぽい”っちゃあ、男っぽいが、でも自分の息子にぞっこんでデレデレするようなシーンはいかにも女性というか、お母さんというか、「旦那とは離婚できるが、子供とは出来ないもんねぇ~」っていう論理が茫然としている間に中央突破する、そんな佐野さんの“がさつ”だけれど、“繊細”なエッセイとなっております(*^_^*)
佐野さんは本好きというか、活字無くしては生きていけないタイプの人。
男には多いが、女性には割と少ないタイプかもしれません。
だから、小学生時代からモーパッサンや夏目漱石などを読み、すっかり“耳年増”に(^_^;)
そうこうしているうちに、本なんかまったく読まない同級生の女子は、18~19のお年頃になり、いつの間にか妙に色っぽくなり、「私、処女だと思う?」などと質問され、頭のてっぺんからつま先まで、まったくの処女の著者は“一張羅”のジーンズにジャージみたいなカッコで、「しまったぁ、こいつらいつの間に!」みたいなことになっている・・。
知識だけは頭の中に満杯で、あらゆる恋愛の物語を読みまくっているのに、自分は小学生時代から“女ターザン”みたいになったまま・・( ̄O ̄;)そんな佐野さんの様子に私も“どん引き”。
「花も嵐も“踏みつけて”」生きて行く佐野さんの豪放磊落&落涙エッセイでした。
好きな人はあっという間に読んでしまうことでしょう。
「ふつうがえらい」、そうそのとおり。私も“ふつう”のまま、本を読み漁っていたい。
« 月組・赤坂ACTシアター公演「雨に唄えば」を観劇 | トップページ | 宮下奈都さんの「遠くの声に耳を澄ませて」を読んだ »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 古本の頁を繰っていて見つけるもの(2022.01.23)
- 中学生時代から今に至るまで、「レコード盤を貸してくれ」「CDを貸してくれ」「本を貸してくれ」と言われる話。(2021.12.21)
- 「日本人も知らなかったニッポン/桐谷エリザベス」を読みました。(2021.10.03)
- 「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。(2021.09.28)
- 坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。(2021.09.25)
「恋愛」カテゴリの記事
- 吉行淳之介と開高健の対談形式本「街に顔があった頃」を読みました。(2023.09.05)
- 映画「青いカフタンの仕立て屋」を見ました。(2023.06.20)
- 「アガワ流 生きるピント」を読みました。(2023.06.18)
- 映画「パリ タクシー」を見て来ました。(2023.06.01)
- 「夫婦という他人/下重暁子」を読みました。(2023.05.14)
「家族・親子」カテゴリの記事
- 永六輔さんの「老い方、六輔の。」という本を読みました。(2023.06.29)
- 「アガワ流 生きるピント」を読みました。(2023.06.18)
- すごいタイトル「妻がどんどん好きになる」を読んだ。(2023.06.09)
- 映画「パリ タクシー」を見て来ました。(2023.06.01)
- 「夫婦という他人/下重暁子」を読みました。(2023.05.14)
« 月組・赤坂ACTシアター公演「雨に唄えば」を観劇 | トップページ | 宮下奈都さんの「遠くの声に耳を澄ませて」を読んだ »
コメント