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2018/09/11

「インテリジェンス人間論」を読んだ

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【※このブログでの文は、8月頭からのブログ休止中にデジタルでメモしておいたものをアップするものです。なので、現在とタイミング的にマッチしないものもアップされるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。】

『インテリジェンス人間論/佐藤優著(新潮文庫)』を読みました。
ブックオフで買っておいたもので、平成19年刊行の本を平成22年に文庫化したものです。
内容は、懐かしい話題が随所に出て来ましたが、それでも佐藤優さんの常人では考えられない情報の取り方、分析の仕方には、あっと驚かされる本です。いつものことですが。

著者の佐藤さんは、外務省のラスプーチンと言われることになってしまい、この本の中でも書かれていますが、策略か陰謀か・・それとも・・2002年5月に背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けたことはご存知の方も多いと思います。
早い話が、歴代総理やロシア首脳の素顔を間近に知り、国際政治の最前線で“ヤバい”仕事をしていたからこその顛末と言うべきでしょうか。

外交官・政治家が使っている「インテリジェンス」という言葉とその意味を知ったのも、佐藤さんが著述業に転向して、その本やラジオ等メディアでの発言を聞いてからのことでした。
人間観察力を磨き、情報を入れ、分析する。そのインテリジェンスが、佐藤さんがかつて所属した外務本省国際情報局分析第一課で「外交の武器」となっていたことがよくわかりました。

その中で、意外だったのは、橋本龍太郎首相と“ガチ”で取り組んだ日露外交のぎりぎりのやり取りでした。
橋本さんのロシアとの外交へ懸ける意欲は、まさに“命懸け”とも言えるもので、著者の佐藤さん含め、あの鈴木宗男氏が絡んできた当時の克明な様子には息を呑みました。
橋本さんて、執念とさえ思える外交への情熱があった人なのだと、この本を読んで、今まで知らなかった一面に驚きました。

また、小渕恵三首相の見た目は温和な印象の人物像なのに、怖ろしいような人柄であったことが事実として書かれていたり、実はあの政治家はこんな人だった、とか、あのときの政治の舞台裏ではこんなことがあったということが、まさにその場に立ち会っていた佐藤さんから赤裸々に語られているのです。
この本は中身が濃いっ!

そんなこんなで、あっという間に読み終えましたが、内容が重い割には、知って驚く意外な事実にびっくりしている間にずんずん読み進むことができました。
書かれている話題はやや古い時代のものでしたが、とても興味深く読めましたよ。

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