映画「太陽の塔」を見ました
映画『太陽の塔/日本 2018年 監督:関根光才 インタビュー出演:赤坂憲雄、安藤礼二、糸井重里他多数』を見てきました。
あの大阪万博の会場で唯一現在まで残されている岡本太郎作の「太陽の塔」の映画でした。
私はてっきり今回復活し、人気となった太陽の塔の内部展示「生命の樹」を中心に映像で太陽の塔を追いかけ、岡本太郎氏の塔と塔内展示への思いについてドキュメンタリータッチで繰り広げられる映画だとばかり思っていました。
だって、映像的にそれは面白そうで、映画というものにとてもマッチすると思ったからです。
でもねぇ、内容はほぼ全部さまざまな人へのインタビューばかりでした。
それが悪くはない内容というか、たいへん力のこもったものになっていて、テレビなどの特集番組だったらなかなかのものだったと思いました。
ただ、映画館に行って大きなスクリーンで見る映像作品としては全くの一本調子で、しかも太陽の塔についても映像はそんな多くはなかった・・。
太陽の塔が、今現在も当時とは異なる意味合いを持って現存し、依然として私達に何かを語りかけているように感じる、ということも語られていたし、「人類の進歩と調和」なんて当時の万博キャッチフレーズとは完全に反目するような作品であったことも語られていました。
インタビューの内容もスケールが拡がり、原発への疑問や、あれから果たして進歩したのかわかりませんが、様々な文明の利器を使いこなし?ている人々の姿は、やはり当時岡本氏が見越していたように、人類にとってあまり意味・意義のあるものでなかった、ということもどんどん深められて語られていました。
もっともっと話は拡がり、チベット仏教や、曼荼羅にまで到達し、私達人類の過去と未来の姿まで語り尽くすような内容で、中身は濃く、考えさせられることもたくさんありました。
それはそれで良かったのですが、もっともっと太陽の塔について映像ふんだんにして見たかった、聞きたかったというのが私の感想です。
映画としての映像のダイナミックさは、あまり感じなかったのです。
でも、終了後のお客さんの感想に耳を澄ましていると、「とても良かった」という声は多く、「見方の問題、視点のちがい」なのかもしれません。
いい映画には違いないが、映画としての面白さはあまり感じなかった、そんな印象でした。
上の写真は、入館時に鑑賞記念として配られたステッカーです。
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