古い本だが興味深かった「総理大臣という名の職業」
『総理大臣という名の職業/神一行著(角川文庫)』を読みました。
これもまたまたブックオフで108円。
1994年12月に刊行されたものの文庫化です。
出てくる最後の総理大臣は森首相だけど、でも総理大臣という職業の人がどんな環境で、どんな人達と関わり合いになり、どんな形で仕事をしているのかというものは、現在に至っても、読んでみたかぎり、そう変化は無さそうに思いました。
ひと言でいうと、総理大臣は「孤独」な職業だな、と思いました。
それはこの本の中にも頁を割いて書かれていたけど。
ジャーナリストである著者は、国の組織に詳しく、他の著者の同様の本なども過去に読んだことがありますが、その細部に渡る組織への深い取材と分析、実際に過去に起こった事実の記述などは比べるものがないくらいにすごい!
歴代総理がどうやって組織を動かし、誰を懐刀にして突き進んで行ったのか、また、誰が総理大臣に向かう途中で墜落していったのか、どうしてそんなことになったのか、これまた詳細な書きぶりに、昔のことながらドキドキしてしまいました。
また、総理とは名ばかりの人が居る傀儡政権や、“タナボタ”で首相になってしまった総理の政権がどんなことになってしまったのか、これほど簡潔で、なおかつ詳しく書いてある本は類を見ないと思いました。
歴代の官房長官の話も、総理以上にと言ってはなんですが、面白く、興味深く読みました。
総理とは盟友、右腕、腹心となるのが官房長官ですが、特に後藤田さんについての話は、これだけで一冊の本になるくらいのものでした。
今読んでも、まったく違和感のないこの本。
総理を中心とする日本の政治の根本的な知識がしみてくるようにわかる本でした。
歴代の総理大臣を思い浮かべながら読むと、ますますいい本だと思いました。
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