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2018/11/19

武田百合子さんの「日日雑記」を読んだ

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『日日雑記/武田百合子著(中公文庫)』という本を読みました。
本屋でたまたまこの本を発見するまで、著者の武田さんを知りませんでした。

故武田泰淳氏と結婚し、一女をもうけ、夫の手足となり、口述筆記をしたり、車の運転をして取材旅行に同行されていたとのこと。
夫の没後に、「富士日記」などで文学賞などを受賞され、平成5年に亡くなられています。

この本が目につき、ちらっと見た瞬間に、ただのエッセイではないものを感じました。
身辺の出来事、その折々の想いを綴ったものですが、その表現力、様々な事象に対する受けとめ方、感じたことを“まんま”書いているようで、ストレートに見えるが、微妙に手元で変化する球のような・・一筋縄ではいかないものを感じました。

はっきり言って、その表現に“虜”のようになってしまい、そして自分がこうしてブログ等でいろいろと書いている文にもたいへんな参考になりました。

「打て」と言って投げて、相手が打とうとすると、フッと打つ瞬間にボールが揺れるような感じ。
それが読んでいるこちらには、とても魅力的な文になっているのです。

逆に武田百合子さんを打者に例えると、来る球はなんでも打つ。
しかも右に左に、単打、長打、バントまで含めて変幻自在です。

テレビで見た人の発言についてああだこうだ、通信販売についても、猫の死とそれに伴う弔いの際に思ったことや、美空ひばりのドーム公演に行ったときに見たファンの異様とも言える様子と、ひばりの歌への感動について、などなど、どんな話題も武田さんが料理すると、誰にも考えもつかない文章になってしまう、というのが私の感想です。

例えば上記の美空ひばりさんの公演でのファンの様子について書いている部分では、読んでいるこちらが、がっかりするというか、残念に思ってしょぼんとしてしまうようなことを平気で書いていて、でもそれが武田さんの目を通した世間の様子として、とてもリアルに描かれているのです。
ひばりの歌とステージについては、そのまま武田さんが感じたことが直接的に書かれていて、こちらは別の面でその臨場感ある表現に唸ってしまうのでした。

その他、武田さんの周囲の人達とのやりとりや、出来事についても淡々と書かれているのに、毒があったり、よろこびがあったり、あきらめがあったり、感嘆があったりと、飽きることのない話題とエピソードに次々と頁をめくりました。

不思議で味わい深い武田百合子さんの文章。
いいものに出会いました。

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