宝塚歌劇・宙組東京公演「異人たちのルネサンス/白鷺の城」を見てきました。
宝塚歌劇・宙組東京公演『異人たちのルネサンス -ダ・ヴィンチが描いた記憶-(ミュージカル・プレイ)/白鷺の城 -本朝妖綺譚-』を見てきました。
今回は変則的というか、ショーが最初で、休憩を挟み、ミュージカルというパターンでの公演でした。今までにも何回か経験しています。
「日本物レヴュー」なので、順番としてはこの方が観客には良いと思います。大階段でのフィナーレがありますからね。
今までに宙組で日本物のショーというは見たことがありませんでした。実際には過去にあったのでしょうか?
見た感じは、やはり馴れていないというか、和物独特の重厚感というか、腰の据わった感じがあまりありませんでした。宙組らしくスピーディーで“爽やか感”が出ていて、和物ではこの宙組独特の感じがプラス方向にはたらいていたかというと、正直言ってもうひとつという印象でした。
雪組や、花組の日本物レヴューでは、やはり経験がものをいうのか、もっとしっとりしていて、落ち着いていて、なおかつ艶やかだった記憶があります。これは経験と慣れということがありますので、仕方ないでしょうね。
陰陽師と人心を惑わす妖狐の時と場所を越えた対決がテーマとなっていましたが、そこまで深いところに到達できずに時間切れ、そんな感じでした。
専科の松本悠里(まつもと・ゆり)先生も出演されていましたが、シーンの構成も未完成な印象を受けました。
時間が短かったからかもしれませんが、やはり“こざっぱり”し過ぎていたと思いましたし、“静と動”の配分もまだ練り上げられるんじゃないかと思いました。
全体に今ひとつでした。
続いてミュージカルの「異人たちのルネサンス」。
万能の天才ダ・ヴィンチが、その創作の源を“ある女性”に求めていたという仮定のもとに、主人公ダ・ヴィンチを演じる真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんと、周囲の人々との愛憎劇となっておりました。
特に創作の源であるカテリーナを演じた星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんについては、今までも歌も演技も上手く、ほとんど文句の付けようのない娘役という印象が強かったのですが、でも、やはり経験不足なことが原因となって深みが出て来ないという感じがありました。
宝塚の舞台経験だけでなく、人生経験なども経てのトップ娘役就任という形にした方が良かったのじゃないか、などと老婆心ながら思いました。
怜美うらら(れいみ・うらら)さんでは歌唱力に不安があったのかもしれませんが、それでも過去の舞台での芝居の上手さは他にないものがありました。
一年くらいでもいいから彼女にトップを任せて、その間にいろいろな経験を積んだ方が良かったかも・・。
脚本が弱いこともあるのだと思いますが、二番手男役の芹香斗亜(せりか・とあ)さんや、愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんの好演もいまひとつ盛り上がりにつながりませんでした。
だいたい客席の様子を見ていると上記のようなことってわかってしまうんですよね。
終演後の劇場をあとにする皆さんの声にはいつも耳を澄ますのですが、無口、あるいは元気がない、またはあそこがもうひとつ・・みたいな力無い声が多かったです。
残念ながら大きな声で褒めている人、感激してこの気持ちどう表わしたらいいのか!みたいな人はいませんでした。
演目の善し悪しで、こういう公演もあります。
私としては次回に期待します。
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