映画「家へ帰ろう」を見てきました
映画『家へ帰ろう(THE LAST SUIT)/2017年 スペイン・アルゼンチン 監督:パブロ・ソラルス 出演:ミゲル・アンヘル・ソラ、アンヘラ・モリーナ、オルガ・ボラズ、ユリア・ベアホルト、マルティン・ピロヤンスキー、ナタリア・ベルベケ』を見てきました。
いい映画でしたよ。
アルゼンチンに住む88歳の仕立屋アブラハムという男が主人公。
冒頭から、自分が50年間住んでいた大切な家を家族達に売られ、施設に入れられ、脚が悪いので、切断されようとしているシーンで始まります。
そこを施設送りにされる前日の夜に飛び出し、ポーランドに向かいます。
そこには、70年前にホロコーストから命を救ってくれた親友がいて(ほんとうは現在住んでいるかも、生きているかもわからない)、自分が仕立てた最後のスーツを渡そうとするのです。
その道のりは長く、盗難にあったり、病に倒れたり、でも様々な人と知り合い(煙たいジジイとして最初は出会うが、主人公の不思議な魅力で、やがて知り合った人達はアブラハムに協力してくれるようになる・・この人と人のつながり、人生の機微がとてもいい)、少年期に過酷な運命を過したポーランドにたどり着きます。
ナチスのあまりにも残酷、残忍な行為の再現シーンなどもあり、それを見ているだけで、哀しさが胸いっぱいに広がり、アブラハムと一緒に旅をしているような気持ちになりました。
友との再会がなるのか、ラストシーンは最大の見どころですが、結果は書かないけれど、私は心の底から泣きました。
それまで、皮肉屋で、いやなジジイ的な部分が前面に出ていたアブラハムですが、でも様々な人と出会い、いい関係をつくり、ほんとうの、人と人の絆のようなものを見せてくれ、最後に人として一番大事なものにふれたように感じました。
上映館は少ないかもしれませんが、見て、感じて、損のない、良い作品でした。
おすすめです。
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