「化け物使い」は落語の世界だけではない
このあいだ USEN放送で落語を聞いていたら、談志の「化け物使い」をやっていて、この話は、とあるご隠居の人使いが荒く、雇われる使用人が三日ともたずやめていく、でも我慢して勤め上げた使用人が一人いた。
ご隠居は安い屋敷を見つけ、そこへ転居することにしたが、安いには理由があり、化け物が夜な夜な出るという。
それをきっかけに文句も言わず勤め上げていた使用人は辞めていく。
あなたみたいに人使いが荒いと私以外には誰も勤まらないと、さんざん嫌味をご隠居に言いつつ・・。
でもね、ご隠居はまったく反省も懲りもせず、次の使用人を見つけようとする。
そんな中、家移りした化け物が出る家で迎えた夜に・・一つ目小僧がでてくる。
ご隠居は驚きもせず一つ目小僧に次から次へと用を言いつけ、次の晩には、のっぺらぼう、その次の日には大入道が現われるが、皆仕事を次から次へと言いつけられ、消え去ってしまう。
最後に狸が現われ、自分が全部化けていたのだという。
そしてまた用事を言いつけられると・・・「おひまをいただきたい」と言う(^_^;)
こんなことが現実にもあるよなぁ、と思った。
私の10年以上前の上司は、私を呼びつけると、私の通常業務以外に自分がつい最近知った様々な世間のトレンド的な事柄や、事業、ネットワーク関係の新技術などなど、次から次へとレポートを作って報告しろと言いつけました。
通常、それらを調べて考えをまとめ、報告するには一~二週間はかかるが、それを一日で作れと言い、取りかかった直後にまた別のことを思いつき、それについて同様のことを言い出す・・。
日にそれが三度も四度もあるので、もう地獄のような忙しさになる。
どんどん宿題が雪だるま式に増えた上に、本来の自分の仕事は滞る・・( ̄O ̄;)
「あれはまだか?」などと覚えているので油断もならない。
挙げ句に、宿題をやっている最中に次の宿題を被せられるのを避けるため、年休を取って自宅で宿題をやることになったのでした・・もう苦肉の策です。
日に何度も出される宿題は業務終了後、帰宅してから深夜まで、さらにもちろん土日は宿題をやり続け、自分の生活は無くなりましたよ。
まさに談志が演っていた“化け物使い”そのままに、考えられないほどの矢継ぎ早で次から次へと仕事を言いつける。
今だったら、何か返答できたかも、と思いますが、後の祭りです。
自分が“化け物使い”になっていませんか?!
自分が“化け物使い”に使われていませんか?!
談志の落語を聞いていて思ったこと、書いてみました。
【Now Playing】 酔いどれかぐや姫 / 南高節とかぐや姫 ( フォークソング )
« The Beatles (White Album)記念盤、早速試聴。前日に続いて「2018ミックス」後編! | トップページ | 映画「アンダー・ザ・シルバー・レイク」を見てきた »
「心と体」カテゴリの記事
- とげぬき地蔵尊「高岩寺」に行ったときの話(2023.12.10)
- 「人生ノート/美輪明宏」を読みました。(2023.12.09)
- 「眠れぬ夜のラジオ深夜便/宇田川清江」を読みました。(2023.11.30)
- 加藤諦三先生の『どうしても「許せない」人』を読みました。(2023.11.27)
- 伊集院静さんの「あなたに似たゴルファーたち」を読みました。・・この文を書き終えたときに伊集院さんの訃報が入ってきました・・。(2023.11.24)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 巣鴨に落語を聞きに行ってきました。(2023.12.06)
- 「日本列島なぞふしぎ旅 -中国・四国編-/山本鉱太郎」という本を読んだ。(2023.11.16)
- 「宮本貴奈トリオ with エリック・ミヤシロ ~Special JAZZ Concert~」に行ってきました。(2023.10.01)
- 嵐山光三郎さんの「文人悪妻」を読みました。(2023.09.26)
- 佐倉市立美術館で開催されていた企画展「IMAGINARIUM」を見てきました。(2023.09.25)
「仕事で生き生き」カテゴリの記事
- 下重暁子さんの「自分勝手で生きなさい」を読みました。(2023.11.12)
- 中島らもさんの「ビジネス・ナンセンス事典」を読みました。(2023.10.09)
- 「新聞記者 司馬遼太郎/産経新聞社(著)」という本を読みました。(2023.05.23)
- 「何をしてもうまくいく人のシンプルな習慣/ジム・ドノヴァン」という本を読みました。(2023.05.20)
- 諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知りました。(2023.04.27)
「しみじみモード、私の気持ち」カテゴリの記事
- 伊集院静さんの「あなたに似たゴルファーたち」を読みました。・・この文を書き終えたときに伊集院さんの訃報が入ってきました・・。(2023.11.24)
- 「ぼんやりの時間/辰濃和男」を読みました。(2023.10.27)
- 「見事な死/文藝春秋編」を読みました。(2023.10.10)
- 「逆境を乗り越える技術/佐藤優・石川知裕」を読みました。(2023.09.21)
- 永六輔さんの「老い方、六輔の。」という本を読みました。(2023.06.29)
« The Beatles (White Album)記念盤、早速試聴。前日に続いて「2018ミックス」後編! | トップページ | 映画「アンダー・ザ・シルバー・レイク」を見てきた »
コメント