The Beatles (White Album)記念盤、早速試聴。前日に続いて「2018ミックス」後編!
前日に続きまして、ビートルズのホワイト・アルバム記念盤、レコードのC面D面にあたる部分について聞いてみました。
Birthday
リズムがくっきりとして、雑音もなし。
ギター、ベース、ドラムの音も見事な分離具合です。
だから、逆にオリジナル・ミックスのざわざわと騒々しい感じは減少気味。
別のテイクに感じるくらいの違いを感じました。
Yer Blues
ジョンが遠くで歌っていて、こちらに呼びかけているような遠近感になりました。
ポールのベースは、オリジナルよりもやや引っ込み加減。オリジナルの“曲を引っ張って行く”ような感じは少しおとなしめです。
ギターの音もやや控えめな角のない音に感じます。
ジョージのギターと思われる間奏の部分の音も、はっきりと聞き取れるが、オリジナルよりは迫力不足な感じ。
全体には、曲の存在感を丁寧に出してみた・・そんな印象です。
Mother Nature's Son
ポールのボーカルが自然で“生”な感じ。
エコーの掛け具合も控えめのようです。
管楽器もブイブイいわせずに、この曲のもつ自然な感じに合わせたようです。
Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
イントロからオリジナルのピーキーな感じのギターは、やや抑えめにしてフレーズがよくわかるようになりました。
リンゴのドラムはバスドラが強調され、曲のメリハリがよく出ているように思います。
逆にギターが抑えめなので、ドライブ感はオリジナルの方が上かも。
Sexy Sadie
ジョンのボーカルが生音っぽく、よくボーカルの表情が聞き取れます。
バックのコーラスもよく聞き取れます。
ピアノの音も一音一音がめりはりよく聞こえてきます。
これも逆に言うとオリジナルのちょっと“ヤバい”ような録音加減が抑えられていると感じました。
曲自体をどう捉えるかという問題だと思うので、これはこれでいいかも。
Helter Skelter
ポールのボーカルがこれまた生っぽく、リアルな印象。
リンゴのドラムもエコー控えめで、曲の輪郭がはっきりとしています。
ギターの音もフレーズがよくわかるようなミックスなので、グシャグシャでガンガン、グギグギ・・みたいな滅茶苦茶なところは影を潜めています。
いったんエンディング風に遠のいて、また帰ってくる部分はそのままにされていますが、雑音は減少しています。
Long, Long, Long
オリジナルでは、リンゴのドラムの反響音がすごい録音でしたが、それも控えめになっています。
ジョージのボーカルもオリジナルよりは聞き取りやすいように感じました。
ここまで聞いて来て、レコード盤のC面にあたる部分はワイルドさよりも曲のもつ全体の雰囲気を大切にミックスしているのではないかと思いました。
Revolution 1
こちらもアコースティック・ギターもエレクトリック・ギターもまろやかになったと思います。
気のせいか、曲のスピードまで落とされているような気に・・。
バックコーラスもなんだかやさしい感じ。ジョンが余裕をもって歌っているようなやや“温泉気分”的なものを感じます(^^;)
Honey Pie
ポールのボーカルはあくまで自然。
マイクの前に立ったポールが想像できるようなリアル感も出ています。
間奏のギターも、もともとまろやかな音ですが、さらにまろやかさを増した感じ。
ドラムの音量もちょうどよい。
Savoy Truffle
マーティン・スコセッシの映画で聞いたこの曲のミックスは超過激でしたが、こちらはその期待を裏切って、とても常識的な範囲のミックス。
ギターの音を中心に“攻めて”くるようなところはありませんでした。
この曲については、もともとリミッターを使ってつぶされたような音だったので、そこを強調して“攻め”のリミックスが見られるかと思ったのですが、意外でした。
後半で少しだけ“攻め”たかな?
Cry Baby Cry
オリジナルでは、リンゴのバスドラとハイハットが、かなり強調されていましたが、こちらはそれを抑え、曲としての完成度を上げようという意図があるのか、まとまりの良いものになっています。
ポールのベースが割とよく聞こえて、「こんな小粋なフレーズを弾いていたんだ」とあらためて感じました。
Revolution 9
「ナンバー・ナイン」というテープ音声も、やや抑えめのようです。
元のテープがどんな形で残っていたのかわかりませんが、果たしてミックスは大変な作業だったのか、それとも「これはこんなんでいいや!」みたいな感じだったのか(^_^;)
曲?が曲だけに、判断が難しい。全体の雰囲気を捉えるのも難しいし・・。
でも、聞き続けていると、なんだかけっこう“いじっている”ような気もしますよ (・_・;
雑音的な部分もうまくカットされているのではないか、と思えます。曲じゃないから、全部覚えていないので、ちょっと初聞きで書くのは困難を極めます。
Good Night
こちらはオーケストラの音がより研ぎ澄まされた感じです。
リンゴのボーカルも自然に聞こえます。
オリジナルでは逆にリンゴの歌い方の特徴がよく聞き取れた感じがあるのですが、常識的に控えめとなったこのミックスではそれがあまり感じられません。
難しいね、普通に考えるとこっちのミックスが妥当だと思うんだけど、私はオリジナルのミックスの方が優れていると感じました。
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