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2019/01/30

『宝塚夜話・第四十八夜 < 月組・美弥るりかさん退団 >について』

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宝塚歌劇・月組のスター、美弥るりか(みや・るりか)さんが6月の東京公演を最後に退団されると発表がありました。

美弥さんの今後はどうなるのだろうと考えていた中で最悪の結果になりました。

私、個人としては、星組に帰って紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんのあとをうけ、礼真琴(れい・まこと)さんがトップになるまで、美弥さんの宝塚での経験を十分に組に浸透させつつトップとしての姿を見せてくれる・・そんなふうに勝手に思っておりましたが、内心「宝塚の人事はけっこう非道だし、意味がわからないものが多い」とも思っておりましたので、今回の結末も、ある意味想定の範囲内でした(T_T)

星組のときは、メイちゃんの執事あたりで男役としての抜群の格好良さを見せてくれましたが、真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんが台頭してくると、なんだか霞んできてしまい、その後月組へ。

組替え直後の「ロミオとジュリエット」では、二番手といってもいいくらいの輝きと働きを見せ、一気にスター街道を歩み始めたかと思ったら・・同期の凪七瑠海(なぎな・るうみ)さん、そして雪組から沙央くらま(さおう・くらま)さんが組替えでやってきて、またまた立ち位置不明な状態。

さらに下級生の珠城りょう(たまき・りょう)さんが若くしてトップになると、ますます美弥さんの立ち位置は微妙な状態に・・。
でも、その間も珠城さんの若さゆえ至らぬ部分を十分にカバーして余りある活躍を見せてくれていました。

正直な気持ち、珠城さんがトップになった時のあのタイミングで美弥さんがトップになって、今のこのタイミングで珠城さんがトップになっていれば一番よかったんじゃないでしょうか。
そのときは、同じ星組からやってきた早乙女わかば(さおとめ・わかば)さんの相手娘役がとてもお似合いだったと思います。
早乙女さんだって、なんで月組にやってきたのか、という感じで退団されてしまいました。まったく惜しかった。

珠城さんだって美弥さんの下で経験を積み、今トップになれば、堂々の本格派トップスターだったんじゃないのかな。

読んでて「そんなことはないよ」という方はここいら辺で別のサイトに移動されてください。まだもうちょっと“グチ”るので。

そもそも龍真咲(りゅう・まさき)さんのトップが5年間と長かったことから異変が始まったんじゃないのかな。愛希れいか(まなき・れいか)さんが、そのおかげで若いトップスター珠城さんと引き続きトップ娘役をやらざるをえなくなって、娘役陣の立場(海乃美月/うみの・みつき さんと早乙女わかばさん)も揺れ動いていました。

そしてまた花組に組替えで行ってしまった鳳月杏(ほうづき・あん)さんを、またまた月組に連れ戻してしまった。・・これが美弥さんの退団と繋がっていたとはねぇ・・(T_T)

美弥さんには、最後の最後まで、独特の男役の魅力を見せていただきたい。
素晴らしい宝塚スターなんだから!

ファントムもチケット入手が困難となっていますが、また月組もこのようなことがあったので、入手困難となるでしょう。
なんとか頑張ってチケットを手に入れ、美弥さんの最後の姿を劇場で見たいと思っています。

2019/01/28

雪組・プレミアム・チケット化している「ファントム」見てきました

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宝塚歌劇・雪組東京公演「ファントム(Phantom)」を見てきました。チケット入手は困難を極め、高い料金で無理やり二階席を買い、その後ゆずっていただける方があり、一階席でも結局見ることができました。都合二回。

ファントムは、宝塚歌劇が大事にしている演目の強力な作品ですが、トップスターが“唄えない”と、成り立たないような「歌」の演目でもあります。
だから、トップスターの望海風斗(のぞみ・ふうと)さんが最もやりたかった演目でもあったのだと思います。
二回目に見た農協観光貸切公演では、開演前の組長挨拶で、梨花ますみ(りか・ますみ)組長が「歌唱力でも評判を呼んでいる公演でもあります」と自信を持って力強くお話されていました。結果もまさにそのとおりとなっておりました。

そして望海さんが、わざわざ相手役として真彩希帆(まあや・きほ)さんを星組から呼んだのも、もちろんこの演目のためだったんじゃないでしょうか。真彩さんも全身で歌い上げていました。
トップお二人とも歌で観客を魅了していた感がありました。


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しかし、私が見た公演の一回目は、なんだか雪組全体が「望海さん、願いがかなって良かった」みたいな空気が舞台全体に流れ、望海さん自身も割と“まとまってしまった”ような演技を見せていました。
また、真彩さんも前半、歌が少し乱れていたように感じました。後半も盛り返すまでには至りませんでした。
長い公演の中には一日くらいそんな日もあったのかもしれません。
私が見た一回目の公演で、舞台を正気に戻していたのは、カルロッタ役の舞咲りん(まいさき・りん)さんと、役替わりでシャンドン伯爵を演じた朝美絢(あさみ・じゅん)さんだったように思います。役を自分のものにし、周囲の雰囲気に引っ張られることなく、力強く演じていました。
キャリエール役の彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんも、「望海さん、よかった、よかった」みたいな“ほっこり”した雰囲気を感じさせていました。
その日は何かあったのかもしれないですね。

で、二回目の農協観光貸切公演は、初めて宝塚を見るおじいちゃんとおばあちゃんばかり、という私が初めて経験する劇場の雰囲気となっておりました。
開演しても、次から次へと遠慮なく何十人とトイレに出て、劇場係員も大変だったでしょう。

しかし、ストーリーが進むにつれ、拍手のタイミングさえわからなかった観客も、そのスリリングな展開と、舞咲さんがぐんぐん引っ張って行く様子に、「おおっ」とか、「あらぁ~」とか、反応がすごく、飲み込まれるように舞台に集中していくのがわかりました。

この日は、雪組は“ほっこり”気分もなく、望海さん、真彩さん、彩風さんら中心人物達がリードして、攻めまくるステージに変貌していました。これほど変わるのか、と思ったくらい。


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観客もラストの怒濤の展開に息を呑み、それにつられて望海さん、真彩さんも全開で飛ばすように歌いまくりました。
望海さんのファントム、独自のものを作り上げていました。真彩さんも苦労しつつ、クリスティーヌを完成の域に近づけていたのを感じました。

オマケのショーに突入すると(このショーも最高によかった)、農協観光様ご一行は、東京宝塚劇場ではたいへん珍しい“歓声”をあげ、ステージ中央「0」番に立つトップスター・望海風斗さんに手を振り、怒濤の盛り上がりとなり、望海さんも大階段を降りてきたときに、いつもとちがう様子にびっくりして、なんだかタイミングを微妙にずらしてしまったりの、ある意味ハプニング的な様相を呈しました。

そうそう、望海さんが羽を背負って大階段に現われたときの客席の“どよめき”と“歓声”には私も驚きました。
「楽しんでるじゃん、じいちゃん、ばあちゃんヽ(=´▽`=)ノよかったねぇ」

貸切公演ということで、望海さんが終演後に挨拶され、「農協観光」という言葉が望海さんから出ただけでもう“バカウケ”状態。
望海さん、貸切ってくれたところを間違えてしまったのかと、あわてていましたが、いやもう“箸が転んでも可笑しい”状態になっている農協観光ご一行様、存分に楽しまれていたようです。なによりです(*^_^*)

というわけで、「ファントム」は、ちょっと低調気味な公演日と、貸切公演でいつもとちがう雰囲気の公演での絶好調ぶりのふたつの状態を味わうことができました。

やっぱ「ファントム」はイイわっ!!'(*゚▽゚*)'

2019/01/25

「やりがいのある仕事」という幻想・・という本。

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『「やりがいのある仕事」という幻想/森博嗣著(朝日新書)』という・・本を読みました。
タイトル、本文にも「・・」が多いのは、やはりショッキングというか、自分の今まで考えていたような基本的なものの考え方が崩壊していくというか、ささやかな価値感、“粉々”って感じですよ。

著者・森博嗣さんについては、ついこのあいだ「月夜のサラサーテ」という本を、このブログでご紹介いたしましたが、今回もキツい一発・・二発・・いやもっとたくさんの“キツい”お言葉を頂戴した感じです。

まずは仕事というものがどういうものか、という定義を著者の考えに基づいてきっちりと明確に書いています。

詳しくはこの本を読んで、ということなんだけど、つまり仕事というものは、自分の人生そのものだ、とか、仕事にこそその人の価値・評価がはかられる要素があるのだ、とか、仕事がうまくいかない、仕事上の人間関係がやはりうまくいかない、などなど、私達が日常感じている、考えているようなこと自体がほぼ否定されています。

そんなことはたいしたことではない、というわけですよ。

だから、後半に著者が大学に勤めていたときに学生や卒業生から受けた相談に対する回答コーナーのようなものがあるのですが、“にべもない”速攻の回答に、著者も言っているが、励ましてもらおうと思って相談している学生や卒業生は、たぶん“ギャフン”となっていることと存じます (・_・;

たとえば、「休日も、仕事の心配事で心が支配され、気が休まりません。毎日仕事から帰宅しても、疲れ果ててなにもする気が起きません。せめて休みを休みたらしめるためにはどうしたらよいのでしょう?」

という相談に対し

「やりたいことを見つけることだと思う。」とまずストレートパンチ。
疲れ果てている以前に、家に楽しみがないことの方が問題ではないだろうか、と続き、そのあとはこの本を読んでください。
言われてみればまったくそのとおり、という気持ちになってしまいました。

人生に苦しむ人のパターンとして、仕事がうまくいかなくなったわけでもない、ローンはあるけど、お金に困っていない、ただ会社、家族、子供、ローン、両親、いろいろなものに少しずつ縛られて身動きできなくなっていた。
気づいたら、自分の自由なんてどこにもなくなっていた。ただただ働いて、毎日が過ぎて、酒を飲んで、疲れて眠るだけ、その連続に堪えられなくなる・・どこで間違えたんだろう・・そういうパターンだ、と書いています。

子供の写真を見せたり、仕事の話をしたり、買おうとしているマンションや、旅行に行ったときの話とか、そういうことを自分から言いたがる人は、楽しく生きていない人だとも・・。
なんか思い当たる人いっぱいいる。

本当に楽しいものは、人に話す必要なんてないのだ。とも、おっしゃっています。
なるほどね。

最も大事なことは、人知れず、こっそりと自分で始めることである。
人に自慢できたり、周りから褒められたりするものではない。自分のためにするものなのだから。・・と。

う~ん、最近、私もこの境地に少しばかり近づいているような気がしないでもない(^^;)
みんなが得意げに言っていることには、ほとんど興味がないんだよね。
これでいいんだね。

と、やや無理やり悟り気味になったところで、本日の読書感想、おしまいっ!!


【Now Playing】 There is No Greater Love ~ Go-Go / Miles Davis ( Jazz )

2019/01/24

コーヒーと楽しむ 心が「ホッと」温まる50の物語を読みました

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『コーヒーと楽しむ 心が「ホッと」温まる50の物語/西沢泰生著(PHP文庫)』を読みました。

カフェオレ、ブレンド、ブラックコーヒー、エスプレッソなどの項目があって、それぞれに心が和らぐ話、ホッとする話、ほろ苦い話、深い話など、著者がさまざまなシチュエーションやメディアなどから得たエピソードが語られている本でした。

「エスプレッソ」の項目で私がちょっと気になったエピソードをひとつご紹介します。

元CAで、現在は接客に関する企業研修ゃ人材育成を行う会社の役員をされている方から聞いたお話だそうです。

その方があるステーキハウスで食事をしているときに、突然アイデアを思いつき、あいにく筆記用具を持っていなくて、お店の若いスタッフに「ペンをお借りできますか?」と声をかけると・・・。

「貸し出す感じになります」・・と、答えたそうです・・ (・_・;

ようするに、今までにもお客さんに筆記用具などを貸すと、そのまま持って帰られてしまうので、「貸し出す感じ」・・になるんだと、いうわけです(^_^;)

おまけにね、会計のさいに店長から「お客さま、ボールペンは?」と聞かれたそうで、ちゃんと返却したことをその若い店員は店長に伝えてもいなかったわけです。

著者は、「お済みになりましたら、ペンはテーブルの上に置いておいていただければ結構です」・・これでいいじゃないですか、と言っています。
そのとおり!わざわざお客さんを疑うような言葉づかいでお客の気を損ねることはないんだよね。
スタッフにペンを戻しにいく手間もかからない。

「ペンを貸してください」こんなちょっとしたシーンでも、お店の機転ひとつで、お客さんも自分達も双方がハッピーになる・・と、著者。

こういうエピソードがいっぱい詰め込まれているこの本。

「カフェオレ」や「ブレンド」の項目では、もっともっと、心温まる話が語られています。

タイトルどおり、コーヒーと楽しみながら読める本でした。
でも、けっして緩すぎない読み応えも感じるものでしたよ。

2019/01/23

石を送るひと

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写真は、私のよく行く珈琲店「じゃくう鳥」のカウンター。
新年、じゃくう鳥開店の日に、このブログによく出てくる私の中学時代の担任の美術の先生を連れて、この珈琲店をたずねました。

先生は、このお店に、そしてマスターに、とても惹かれるものがあって、私もお連れして先生のよろこぶ様子を見てうれしい気持ちになったところでした。

そしたら、マスターが Instagram や、 Facebook に先生が伺ったときの様子を書いてくれて、それをまた私が先生に伝え、先生・・またまたよろこび倍増っ!ヽ(=´▽`=)ノ

先生からじゃくう鳥にお手紙(メールじゃないよ)、という具合にキャッチボールが行われ、私はボールの中継点的な(^_^;)役割をいたしまして、人と人のつながりというものは面白いものだとつくづく思った次第です。

そして今度は、先生からじゃくう鳥のマスターへの手紙ではなく、『石』が送られました。
マスターに聞いてみたら“ゆうパック”で、先生が銚子の海岸で拾ってきた石に、先生が想像した「じゃくう鳥」を描き、それらが送られてきたのだそうで、写真がそれです!

私はうれしくなって、そして笑ってしまい、こんなことってあるんだ、先生も私もすっかり“いい歳”になってしまいましたが、先生の発想は、まだまだあの私の中学時代のままです。

“誰が「石」をゆうパックで送るのでしょうか”'(*゚▽゚*)'

石に絵を描いて送っちゃう!
そしてそれを受け取ったマスターが珈琲を淹れているカウンターに並べている・・。
絵描きの先生と、美術に造詣の深いマスターの心のやりとりに、すっかり感心してしまいました。
私には、まだまだそんな“大人の枠を飛び越えた”ような、上記のようなことは出来ないな、と思いましたよ。


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「石なんか送って、変な人って思われないかな?」なんて、自分のほんとうの感情を押し殺してしまい、うまく相手とのキャッチボールができなかったかもしれません。

いい歳になって、また先生に教わりました。
今年に入って、先生から「俺たちはもう、先生と生徒じゃない、歳の離れた友達だ!」というお言葉をいただいてうれしくなったところだったのですが、いやいやまだまだ“先生と生徒”なんだな、ってあらためて思い直しました。

これからも先生にいろいろ教えてもらおうっと!!(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 Eat At Home / Paul And Linda McCartney ( Rock )

2019/01/22

切手からのいい話

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このあいだ、TBSラジオの「嶌信彦 -人生百景・志の人たち-」という番組に、日本郵便株式会社の主任切手デザイナー、玉木明さんという方が出演してインタビューを受けているのを途中から聞き、良さそうな話だったので、翌日「ラジコ」で聞き直してみました。

玉木さんの切手への特別な思いを語られていたのですが、その中から、私の心にじわっと入ってきたエピソードをいくつかご紹介いたします。

手紙や葉書は、“用もない”ときに書くのがいい。
というお話。
何か用件があって、綿々と伝達・連絡・確認事項などを書くのも手紙ではあるが、用もないのにふと誰かに手紙を書くなんていいじゃないですか。
というわけです(*^_^*)
最近、私も中学時代の担任の先生がパソコンもスマートフォンも持たず、もちろんメールも使わないため、手紙を書く機会があります。

でね、用があって手紙を書くときでさえも、書くとき、送るときに何かうれしさを感じるんですよ。そしてもちろん手紙をいただいたときにもうれしさがじわ~んとやってくるのです。

だから、ためしに用もないのに手紙を書いてみましたが、これがまた心がおだやかになっていいですねぇ(゚ー゚*)。oO

きっと、用もないのに書いてくれた手紙を受け取ったときにもうれしさがいっぱいになると思いますよd(^_^o)

さらにエピソード。
玉木さんは、切手も集めているのですが、袋詰めになって安く売っている使用済み切手などを買い求めているようです。
私も小学生のときに何十円とかの金額で、外国の使用済み切手の詰合わせみたいな小袋を買いました。

玉木さんもおっしゃっていましたが、そこには、切手を買った人、手紙を書いた人、手紙を運んだ人、受け取った人、などがその国の特徴ある図案の切手に消印と共に込められていて、それらを想像しただけで、果てしなく空想が広がるんだというわけです。わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ・・なんて人が昔にいましたが・・(^^;)
消印の外国の郵便局の名前を見ただけで、またその国へ心が飛んでいくような気もします。

特に面白かったのは、「メールは電気がなければ受け取れないじゃないですか。でも、切手を貼った手紙は、住所さえあれば電気のない場所にも届く可能性がある。切手をつくっている身としては“優越感”を感じますよ。」と笑っている玉木さん、愉快でしたヽ(=´▽`=)ノ

楽しいお話でした。
こんな話が聞けるのもラジオならでは。
郵便だけでなく、ラジオも見直した方がいいですよ。聞いてみるといい番組がいっぱいある!
何よりも、テレビとちがって、自分に語りかけられているような気がするのがラジオです。これは、多くラジオを聞いている方が言うことです。


【Now Playing】 空も飛べるはず / スタジオUSEN ( Jazz )

2019/01/20

月組・東京国際フォーラム公演「ON THE TOWN」を観てきました

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宝塚歌劇月組・東京国際フォーラム公演「ON THE TOWN」を観劇してまいりました。
このブロードウェイ・ミュージカルは、1944年初演の作品で、音楽はレナード・バーンスタインによるものだそうで、たしかに心に残る、美しい曲がたくさんだったと思います。

また、ダンス・シーンも多く、しかも群舞的なものが中心なので、月組の綺麗でシャープなタイプのダンスをする組には持って来いでした。
とても華やかでダンスもこのミュージカルの呼び物になっているんだな、と思いました。
今の珠城りょう(たまき・りょう)さん中心の月組にはピッタリとあつらえたようです。

そして、新しいトップ娘役となった美園さくら(みその・さくら)さんには、トップ娘役として、そして珠城さんとの新トップコンビの“プレお披露目”となりました。

美園さんは、昨年の「雨に唄えば」でミュージカルにとても向いているな、と感じさせてくれましたが、今回も“はつらつ”として、元気良く、歌唱力もあるので、まるで問題なく主役をこなしていました。必死にはやっているけれど、落ち着いた印象もあり、“度胸”ある人だなとも思いました。
ただ、役的には登場シーンが主役のひとりなのに少ない印象でしたが。

主演の珠城さんは、こういう真っ正直で、誰からも愛されるキャラクターはもちろんドンピシャで、彼女の持ち味を生かしながら、このミュージカルをゆとりをもっているくらいに引っ張っていました。トップにもすっかり馴染んできました。

準主役的にこのストーリーを支えた暁千星(あかつき・ちせい)さん、風間柚乃(かざま・ゆの)さんは、お二人の個性が強く出ていて、珠城さんと共に観客の笑いを取りながらぐんぐん突き進んでいく感じでした。

暁さんの天性の明るく突き抜けるような、そしてちょっと幼いような可愛い感じ、風間さんの人間的な魅力を滲み出すように表現できるタイプ、両個性がうまく絡み合ってこの演目の“肝心要”な要素を作り上げていました。

そして・・暁さんの相手役白雪さち花(しらゆき・さちか)さん、さらに風間さんの相手役となった蓮つかさ(れん・つかさ※今回は男役から強烈な印象の娘役に転身!!)さんが“ミサイル&バズーカ砲”クラスの弩弓の演技と歌を見せてくれました。
お二人とも自由自在!!変幻自在!!観客を完全に引きつけて、月組の層の厚さ、実力をこれでもかと叩き付けてくれました。
もうまいりました脱帽ですヽ(=´▽`=)ノ素晴らし過ぎた。
客席は笑いと感激の拍手でうごめくような様子を呈していました。

輝月ゆうま(きづき・ゆうま)さんも、独自のキャラを骨太に演じ、「やっぱこの人すごいわ」とまたまた感服。おそれいりました(^^;)

1944年初演と、古い演目でしたが、そんなこともまったく感じさせず、月組らしい今風な印象もあり、さらに前述したように、曲よし、ダンスよし、ストーリーよし、演技よしのいい作品でした。

珠城さんの月組、どんどん仕上がってきています。
これで、組は別部隊も現在公演しているわけですから、たいした陣容です。
本公演がまたまた楽しみになってきました。

2019/01/19

旅の窓・沢木耕太郎を読んだ

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『旅の窓/沢木耕太郎 文・写真(幻冬舎文庫)』を読みました(見ました)。
これは著者の沢木さんが世界のいろいろな国を旅しているときにフィルムを使って写真撮影したものに、その時々のキャプションを加えて本にしたものです。

カメラマンでなくとも誰が撮った写真でも興味を持ってしまう私。
で、この本に載っている沢木さんの写真は独自の視点で撮られていて、とても惹かれるものでした。

旅の途中で、その街で出会った人にふと感じた何かを、その瞬間に撮ったもの。

なぜか広大で雄大な景色を撮った写真の端っこにぽつんと小さぁ~く人が写っている作品が多いのも、偶然が重なったのかもしれませんが(ご本人もそう書いている)、とても印象的で素敵なものになっています。

子供や、家族、一人で物思いに耽る人、などの写真も魅力あるものになっていました。
もちろん文章は風景や街、人々の様々な様子などについて優しい視線で書かれたものでした。

その中でちょっと私が気になったエピソード。

「旅をなぞってはいけない。それがこの何十年かの旅で得た教訓のひとつである。」

というもの。

著者が若い頃の旅の記憶を求めてスペインのマラガというところに再訪したが、かつての宝石のような空間だった所が、二十年も経ってすっかり変わってしまって・・というお話でした。
「私はやはり失望しないわけにはいかなかった。」と、書かれていますが、私にも似たような経験があります。
でも、時には最初の探訪からの年月の良い変化を感じて涙してしまうこともあります。

「旅のなぞり」は多くは失望となり、時には感動を呼ぶことも・・。面白いエピソードでした。

2019/01/16

先生からもらった『いのししの絵』

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新年明けて、このブログに何度も登場する私の中学時代の担任の美術の先生と6日に今年初めて会ったのですが、そのときいただいたのが写真の「いのししの絵」です。

小さな絵ですが、黒い簡易的な額に入れて「好きなのえらべ」と言われて真っ先に手を伸ばしたのがこの絵でした。

他にも全くタイプの異なる絵があったのですが、私はこの“超デフォルメ”された「いのしし」が気に入りました。

目が横に並んでんだよ!d( ̄  ̄)しかも鼻の形もビョ~ンて伸びてるし、脚の形もファニー、さらにボディが丸太みたいで、さらにさらにお尻の方に PICASO って書いてあるじゃんヽ(=´▽`=)ノ

新年早々こんなことができるのは先生をおいてほかにいないっ!と私は笑っちゃいました(^-^)/☆

この絵は私の部屋の入り口のドアに貼り付けました。
部屋に入るたびに楽しませてもらいますd(^_^o)

先生、出会った人にこのサイズのそれぞれ異なる絵を配っていましたが、くっそまじめな人がこれを渡されたら「????」ってなるんでしょうね(*^_^*)ああおもしろい。

70歳をこえてなお生き生きとこんな絵を描いてくださる先生に尊敬と感謝の眼差しを向けた1月6日でした。

2019/01/14

突然思い立って「松山庭園美術館」へ

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連休最後の成人の日。
朝、突然思い立ち、匝瑳市の松山庭園美術館に出掛けてみました。
ちょっと前にネットで見て気になっていたのです。


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『十人十色 -楽しい個展めぐりⅡ-』と題された企画展。


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この庭園美術館は、庭園の中に何軒も東屋のような展示場所や、本格的な展示館、さらに本館にはいくつもの展示スペースがあり、様々な作家の作品がそれぞれに個性を光らせて展示されていました。
また、常設サロンには「藤田嗣治」や「村山槐多」の作品があまりにも無造作に展示されていて、驚きます。


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この美術館は“ネコ”の美術館としても有名とのことで、今回の作家さんの作品にもネコがテーマのものが多数ありました。
どれも楽しく、不思議で幻想的なものも・・。
作家さんともいろいろお話できました。


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驚いたのは「ワインとアートの世界・林暁男ソムリエ・ワインラベル展」という企画展示の部屋。
ラベルが額に入って展示され、日本ソムリエ界の草分けと呼ばれている林暁男さんご本人にラベルから見えてくるワインの世界、日本のワインの現状まで解説いただいてしまいました。
私はクルマで来たのですが、望めばワインの試飲も可能となっておりました。飲めた人、うらやましいd(^_^o)


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林さんはとてもやさしく、物腰もやわらかく、素敵な方でした。
お願いしてお写真を撮らせていただきました。やさしそうだけど、風格ある方でしょう?!


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ふと思い立った美術館探訪だったのですが、行ってよかった(゚ー゚*)。oO
美術作品と共に庭園も楽しめましたし、いい空気も胸いっぱいに吸ってきました(^-^)/☆
いい一日になりました。

2019/01/13

「ことばの食卓」を読んだ

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『ことばの食卓/武田百合子著・野中ユリ画(ちくま文庫)』を読みました。
以前にもこの武田百合子さんが書いた「日日雑記」をご紹介したことがありますが、今回もその文の妙技に舌を巻きました。

一眠りしたあと、晩ごはん食べる。
あたし、うなぎが大好物。昨夜なんかも、うなぎ入れた小田巻蒸しこさえてもらった。
それと付け合わせに、ほうれん草のおひたし。
まぐろの山かけも大好物。
でも、くどいもの二つはいやだから、一つくどけりゃ、片方はさっぱりと。
そいで、お酢の物が大好きだからね。
ワケギと、それからあのー何か、貝あるでしょ。それでこさえたりなんかすれば、本当にうんとおいしいねぇ。

・・という具合で、誰も真似できない書きっぷり、文体だと思いました。

描写もいいし、本人の気持ちが語調にうまく出ている。
短い文でも、本人の「人」が見えてくるように感じます。

さらに、この本1984年に刊行されたものの文庫化ですが、武田さんの文により、当時の町の様子、人の様子、店の様子、様々な風俗なども描かれていて、それも非常に興味深いものがありました。
こういう人が、こういう書き方をしないと当時の「時代」は脚色されたものとなって残ってしまったかもしれません。

文良し、そして野中ユリさんの挿絵も素晴らしい、私の大好きなタイプの本でした。


【Now Playing】 It Could Happen To You / Horace Parlan ( Jazz )

2019/01/12

話題の映画「ボヘミアン・ラプソディ」を見てきました。

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あちこちで話題となっている映画『ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)/2018年 イギリス・アメリカ 監督:ブライアン・シンガー 出演:ラミ・マレック、 ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョゼフ・マゼロ、エイダン・ギレン、トム・ホランダー、アレン・リーチ、マイク・マイヤーズ』を見てきました。

ブリティッシュ・ロックの代表格でレジェンド、「クイーン」の下積み時代から、あのボブ・ゲルドフが行った「ライブ・エイド」でのウェンブリー・ライブまで、ボーカルのフレディ・マーキュリーを中心とした伝記的映画です。

クイーンの4人を演じたラミ・マレック他の出演者は、ルックスも、楽器を演奏する姿も、まるでフレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラーそのものでした。
クイーンをリアルタイムで経験した私でさえ本人達が演じているように錯覚することが何度も・・。そんなリアルに感じるシーンやエピソードの連続です。

クイーンを知らない若い人たちにも好評、さらに長女が友達から得てきた情報によるとラストの15分くらいが圧巻で涙がとまらない、ということでした。


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実際に見てみると、“最初から最後までが圧巻”でしたヽ(=´▽`=)ノ
実際のクイーンの楽曲が入ってくる部分は実にクイーンらしいサウンドでスクリーン上の場面にピッタリとはまり、見ている私はこのフレディの苦悩や、メンバーとの軋轢、フレディが“落ちていく”様、などが、クイーン現役バリバリの時代にこの映画を見ているような気分になり、クイーンは懐かしいものではない!まだ自分の中ではそんな想い出なんかになっていない、ということを深く感じました。

たいへん良くできた映画でした。
ロックを久しぶりに魂で聞き、見た感じ。


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クラプトンや、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジなどとは一線を画すブライアン・メイ独特のギターサウンドとフレーズ、どんなにワイルドに弾きまくっても上品な彼のギター・プレイに久しぶりに大きな音でふれて、ふるえるような感動が体の中で巻き起こり、ロジャー・テイラーのゆっくりなテンポの曲でも“嵐のような”ドラム、ジョン・ディーコンのおとなしそうだが、グイングイン煽るベース、そして、人生を懸けたフレディの天にも昇らんばかりの突き抜けたボーカル、・・体中にあの頃のざわめきがやって来ましたよ(゚ー゚*)。oO

ストーリーももちろん良かったし、音楽はもちろん、キャストもバッチリだし、エンターテインメント的にも楽しめるし、フレディの人生にもふれることができる、・・最後まで“前のめり”に見てしまいました(*^_^*)とってもいいロックな映画でした。

2019/01/09

「人生の結論」小池一夫著を読みました

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『人生の結論/小池一夫著(朝日新書)』を読みました。
著者の小池氏は、作家で漫画原作者だそうで、『子連れ狼』の原作で知られている方とのこと。小説を書き、作詞、脚本も手掛けておられます。80歳を越え、氏のツイッターはフォロワー80万人を超え、驚きを覚えながら、この著書を読みました。

完全書き下ろしのこの本、人間関係や働くことについてのヒントが満載でした。
しかも私でもわかるような、やさしい言葉で書かれていて、さすがの人生経験を感じました。

「一流は競う、二流は群れる」「人間関係を突き詰めれば、無理をして付き合わないこと」「仕事ができるフリをやめると、目的にたどり着ける」・・などなど、タイトルだけでハッとするのです。中身はさらにわかりやすくて濃いっ!

特に私の心に響いたのが、

「自分の使っている言葉が、他人からのいちばんの評価の対象になるのは仕方ないこと」
というところでした。

内面がいちばんわかりやすいのはその人の使っている言葉だ・・というわけです。

人間は言葉で思考する。だから、年を重ねたアイドルに向かって・・「劣化した」などという言葉を平気で投げつける。

精神が弱った人に向かって「メンヘラ※私はこの言葉を知らなかったのでこの本を読みつつ調べてみた」、さらに一線から外れた人に「オワコン※この言葉もよく知らなかったのでさらに調べた」という流行り言葉をぶつける。

これらの言葉が浮かんだら、自分の思考は汚い言葉に毒されている、負けていると思った方がいいと、著者は書いています。
私もそう思いましたよ。

「劣化しているのは自分自身だ」と、著者は強く言い放っています。

いい言葉を使う人には、いい人生をつくる力がある・・という著者の言葉に力強く背中を押されたような気持ちになりました。

『日頃使っている言葉とは、人生を変えるものであると言っても過言ではない、言葉の選択力と人間力は正比例だ!』・・涙がでるほど同感した!

言葉に鈍感な人が多すぎるっ!私はそう思う。

2019/01/08

このあいだの休みに先生と古木・巨木・奇木巡りをしてきた

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このあいだの休みの日に、このブログに度々登場する私の中学時代の担任の美術の先生と待ち合わせ、表題のとおり「古木・巨木・奇木」巡り?をしてまいりました。

先生は古い樹木や、巨木、なかでも奇妙な形になった木々に興味があって、よく私にどこそこのお寺にすごい木があった、とか、あそこにあった奇天烈な形の木を一度見せたかったなどとお話をしてくれます。

というわけで、私も大網白里にある(土気の飛地なのか?)縣神社にお連れして、先生に古木・巨木・奇木を味わってもらいました(゚ー゚*)。oO
これがまた先生の美術作品に何か大きな影響を与えているのかもしれません、その形や感じるエネルギーのようなものから・・。


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最初二枚の写真は縣神社でのもの。二枚目の写真には木を見上げる先生も写っております(^_^;)


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三枚目の写真は千葉市の大巌寺町にある淑徳大学の正門を入ってすぐのところにある奇木!?
入り口の守衛さんにお願いして門の中に入り、撮らせていただきました。
先生、おおよろこび!d(^_^o)


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樹木と撮影、会話をしてからは落ち着いて淑徳大学近くの珈琲店「じゃくう鳥」でまったりといたしました。
マスターと先生も久しぶりの再会でした。
先生、ここでもニコニコしてお話をしつつ、珈琲を美味しそうに啜ってました。
かかっていたマイルスのジャズもよかった。・・この音楽にも先生大満足!

かつての先生と生徒、いい歳こいても仲良くできて、私はしあわせです(*^_^*)

2019/01/06

「月夜のサラサーテ」を読んだ

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『月夜のサラサーテ/森博嗣著(講談社文庫)』を読みました。
1957年生まれのこの著者を、私、恥ずかしながら存知上げておりませんでした。
人気作家で、Amazon.co.jpの10周年記念で殿堂入り著者にも選ばれているそうで、すまん!って感じなんです。
本屋で立ち読みして、こりゃ面白そう!と手に取った次第です。

著者・森博嗣氏が100のつぶやきをしているというこの本、「謝罪会見は、いったい誰に謝っているつもりなのか」とか、「リストラで駄目な部分が切られるが、原因は駄目だからではない」、「感動の不適切な扱いが目立っているこの頃」などなど、目次を見ているだけで面白そう、と感じたのでした。

しかしながら、この本のカバーにもかかれているように、著者・森博嗣氏は理屈っぽい・・っていうか、理詰めでどんどん攻めてくるので読んでいるこちらも“ぐうの音も出ない”状況に陥ります。

人として生きていると様々な出来事、事象に出くわしますが、それを著者は観察、考察して、こちらが長いこと信じてきたような世の考え方をバッサリと切り捨てます。
でもって、今まで味わっていた世の中の慣わしとは異なる世界が見えてくるのです。
それが痛快である場合もありますが、あまりの切り捨て度にガックリくることも・・。
非常に私にとっては、微妙な本となりました。

読んでいて、納得がいった項目も多々ありましたが、その中で最も共感したのは・・

自分の欠点や悪行など、防御が難しい部分を持っていると、そこを攻められるくらいなら、さきに相手を攻撃しよう、となる。そうならざるをえない。

と、書いていて、具体的な例として・・

ネットで散見される事あるごとに他者を非難する人達。
この人達は、多く自分が非難されたくないという心理によるものである。
と言っています。

人の行為に対する賛否ではなく、人格を攻撃する場合が多々見られるが、例外なく、自分に人格的な欠点があって、そのコンプレックスを抱えているから、ついその攻撃が「有効だ」と思いついてしまうのだという。

・・共感した。

自覚もなく、人格を攻撃し、単に貶め(おとしめ)たいというだけのもの。
理屈が述べられないからそうなる。・・まったくだ!

相手の能力的な部分を攻撃する人は、自身に能力的な欠陥があるのだと断じています。

こうして、人間社会の構図が見通せるのだと書かれていて、今まで何となく感じていたことが理路整然と述べられていて、わたしゃ唸っちゃいましたよd(^_^o)

この著者の本は、もう一冊持っているので、それを読んだときには、またこのブログで感想を書こうと思います。

結局は手に取ってよかった本でした。

2019/01/05

ホワイト・アルバム50周年記念盤、「イーシャー・デモ」と「セッションズ1~3」を聴いてみた。【4/4】

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◇CD 6: セッションズ

いよいよホワイト・アルバムの記念盤試聴も最後の一枚です。
これもアルバム製作過程のセッションを録音したもの、ではいってみます。


1. アイ・ウィル(テイク13)

ちょっと録音過程でふざけあっているところから始まりました。
ポールの甘い歌い方、シャウトもいいが、こっちもいい!
アイ・ウィルのいいところがこのセッションでも良く出ています。
ジョンか誰かが何か叩いてリズムを取っているのも既に入っています。
曲の骨格はすでに出来上がっています。


2. ブルー・ムーン(スタジオ・ジャム)

ポールが軽く歌っているが、それがなかなか味わいを感じさせます。
本気で録音してもいいものが出来たかも。


3. アイ・ウィル(テイク29)

けっこうそっと囁くように歌い始めましたが、頓挫・・。


4. ステップ・インサイド・ラヴ(スタジオ・ジャム)

アンソロジーでも聞いた曲。
これはそんなに本気でやっている感じはない。でも、スタジオでくつろいでいる様子のポールが感じられる。ギターもかる~く弾いています。


5. ロス・パラノイアス(スタジオ・ジャム)

続いてこの曲に突入するが、これもアンソロジーで聞けたもの。
完全におふざけモードに入っていますが、こういうふざけ方もビートルズが得意なんじゃないでしょうか。シングルB面になっていた「ユー・ノウ・マイ・ネーム」みたいにいくらでも展開できそうです。
でも、これに付き合わされた録音スタッフはうんざりしたんじゃないかな(^_^;)


6. キャン・ユー・テイク・ミー・バック(テイク1)

最終的に、ジョンの「クライ・ベイビー・クライ」のお尻にくっつけられたポールの不思議な雰囲気の曲です。
ギターもあまりポールの演奏では聞かないタイプの弾き方をしています。
知識がないので、こういう音楽が何をモチーフとしているのか、はっきりしませんが、ちょっと民族音楽的な要素を感じます。
ポール、けっこう“ノって”歌っています。


7. バースデイ(テイク2 インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

バッキング・トラックですが、まだ教科書的に演奏していて、骨組みを作っている段階に感じます。
ギターのワイルドさもまだまだオリジナルの域には達していないし、ポップさが出過ぎなギターの部分もあります。
リンゴもあまり技を繰り出さず、しっかりとリズムキープに徹している感じ。


8. ピッギーズ(テイク12 インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

これもバッキング・トラック。
弦楽も入って優雅な感じが醸し出されています。
こうしてバッキングだけを聞いていると、この曲にもかなり力が入っていたのだとあらためて感じました。
あまり重要曲じゃないような印象がありますが、でも、そうとう作り込んでいる様子が窺えます。


9. ハピネス・イズ・ウォーム・ガン(テイク19)

オリジナルで世に出た感じにかなり近づいている。
エレクトリック・ギターも歪ませているし、ジョンも料理の仕方の方向が見えているよう。
サビの部分が“語り調”になっていて、あの叩き付けるような歌い方はまだしていない。


10. ハニー・パイ(インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

バッキング・トラックだが、雰囲気はもう十分出ている。
ギターの甘いトーンもオリジナル・バージョンどおり。
レトロなあの演奏も既に入っていて、歌を入れれば完成のところまでたどり着いている。
間奏のギターも本編と同じ。テイクも同じなのだろうと思う。
リンゴのやさしく丁寧なスネアも効いているし、ハイハットの使い方もうまいっ!


11. サボイ・トラッフル(インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

これまたバッキング・トラック。
ブラスのぶいぶい言わせる感じがもう素晴らしい。グシャッとつぶれるような音の録り方もカッコイイ!
ジョージのこの曲、サウンドがいい。ジョージのこういう感覚はジョンもポールも負けちゃうかも。この世界はジョージならではだと思った。


12. マーサ・マイ・ディア(ウィズアウト・ブラス・アンド・ストリングス)

ブラスと、弦が入っていないこのバージョン、ポールが部屋で歌っているみたいで、これはこれで味わいがあります。
つまり、この曲自体がもともと優れた曲なんだと気づかされました。
この頃のポールの甘い感じの歌い方は「アイ・ウィル」でも感じたけど、魅力あります。


13. ロング・ロング・ロング(テイク44)

喋っているときのジョージとポールの声が聞き分けられない・・初期のときにも感じたけど、ビートルズの声ってそうなんだよな、とここで思い出しました。
原初的な録音ですが、あの“ぽつんとひとり”みたいな雰囲気はもう出ている。
そして、リンゴのドラムでドンッドンッって盛り上がっていく部分も出来上がっている。
途中でちょっと遊びみたいな感じに突入するが、まだまだ曲の行方は不透明な頃なのか。


14. アイム・ソー・タイアード(テイク7)

だるう~い感じの歌い方は、オリジナルよりもこっちの方が出ているかも。
シャウト気味に移行する部分はもうここでもやっている。
ブレイク時のリンゴの強烈なフィル・インはまだやっていない・・と思ったら途中からやり始めた。でもまだ未消化な感じ。


15. アイム・ソー・タイアード(テイク14)

こっちは割と静かにあきらめ感を出して歌っている感じ。
コーラスも入っているがちょっとそぐわない。
このバージョンは本気モードを感じるが、まだいろいろ迷っているところがあります。


16. コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ヒル(テイク2)

ヨーコとジョンが喋っている音声が入っている。
歌が始まるとヨーコが歌っている声もうしろで聞こえている。
ドラムのリズムがまだ定まっていない部分もある。変拍子な曲なので、お試し中なリンゴを感じます。拍子が変わる部分の繋ぎ方の工夫も大変だったと思う。
ジョンはギターを弾いてるからそんなに感じないのかもしれないけど、リンゴは苦労したと思います。


17. ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード(テイク5)

アコースティック・ギターであやしい感じで歌うポール。
シャウトもかますが、ポールの七色のボーカルにはいつも舌を巻きます。
で、この曲をアルバムに入れちゃったというのがすごいことだと思いました。


18. ジュリア(ツー・リハーサル)

ギターはジャラジャラとコード・カッティングで弾かれている。
で、続いてスリー・フィンガーで・・。
これがいいかも、というジョンの気持ちが聞いていて表われているように感じた。
詩にも自信があるのだろう、しっかりと発音して歌っているジョン。
歌っているうちに、いい曲だと実感したんじゃないでしょうか。


19. ジ・インナー・ライト(テイク6 インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

バッキング・トラックです。
あのまぶしいばかりに美しい伴奏がそれのみで聞けます。
インドを感じさせます。音はとてもきれいでクリアに録られています。
これもジョージのサウンドに対する感性を強く感じました。


20. レディ・マドンナ(テイク2 ピアノ・アンド・ドラムス)

ピアノとドラムだけのこの曲を聞くなんて初めてのこと。
なんといってもこの曲は、ピアノとドラムが中心になって展開しているので、聞いていて「なるほどバッチリの演奏だ」と思いました。
リンゴのブラシでしょうか、シャッシャカいうスネアがぴったりマッチしています。
いつも思うが、ビートルズにとってリンゴの存在はとても重いものがあると思う。


21. レディ・マドンナ(バッキング・ヴォーカルズ・フロム・テイク3)

リンゴやメンバーの和んでいる声も最初に聞こえる。
楽しそうな雰囲気を感じてうれしいっ!


22. アクロス・ザ・ユニバース(テイク6)4

アルバム「レット・イット・ビー」で聞くことのできたこの曲のセッションの様子です。
今ではいくつかのアルバムで聞くことが出来ますが、ジョンはシンプルにギターを弾き、シンプルに歌っています。
こういう素朴なバージョンも良かったのかもしれません。
結局いままで世に出たバージョンはどれも完成に至っていないように思います。
でも、曲の良さは誰もがすぐにわかり、カヴァーも多いです。ジョンの魅力があふれた作品なんじゃないでしょうか。

2019/01/04

ホワイト・アルバム50周年記念盤、「イーシャー・デモ」と「セッションズ1~3」を聴いてみた。【3/4】

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◇CD 5: セッションズ
ホワイト・アルバム50周年記念盤・試聴。今回は「セッションズ」の2枚目に突入です。
さて、どんな音源が飛び出すのか?!


1. セクシー・セディ(テイク3)

アコースティック・ギター中心の録音です。
ドラムはほとんどスネアの音などから感じるのは生音です。ミュートがよく効いたタムの音が聞こえます。
ジョンのボーカルは、けっこう“ダル”な感じ。
少し、つまびくようなエレクトリック・ギターの音も聞けます。このフレーズは初めて聞くものでした。


2. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス(アコースティック・ヴァージョン テイク2)

ホワイル・マイ・ギター・・はアコースティック・ギターのバージョンはよく聞きましたが、ジョージのしゃべりも曲の途中で聞けたりします。
で、ボーカルの音はほとんど生音です。
うしろで、オルガンの音も聞こえます。教会っぽいような厳かな雰囲気を醸し出しています。
アコースティック・ギターの音もほとんど加工されていない音でした。


3. ヘイ・ジュード(テイク1)

入りの「ヘイ」の声の出し方を何通りか試しつつポールの歌が始まりました。
ドラムのリズムを刻んでいるシンバルの音はオリジナル・バージョンのあの音で聞こえてきます。
途中から別のリズムパターンの叩き方も試しています。
ピアノのプレイもほぼ決まってきた状態のようです。
曲の構成も、固まってきたようで、一通り歌った後に、あのリフレインが延々と続くパターンもやっています。
ポールのシャウトも入って、だいたいの手応えも掴んでいる感じ。
リフレイン時の色々なパターンのポールのアドリブ展開もけっこう試しまくりです。ちょっと“いただけない”感じのアドリブもありますね(^_^;)まあ、練っている段階なので、こういうふうに録音されたのでしょう。
ファンとしては興味深いものです。


4. セントルイス・ブルース(スタジオ・ジャム)

初めて聞く録音です。この曲自体もこのセッションで演奏されたことさえも知りませんでした。
スタジオ内での肩慣らしみたいなものでしょうか。


5. ノット・ギルティ(テイク102)

これは今までにもよく聞いてきたパターンで演奏されています。
ジョージのボーカルにもエコーが掛かっているし、エレクトリック・ギターにもエフェクトが効き、しっかりした演奏をしているので、割と発表しようとして本気モードで演奏、録音されたものだと思います。
全ての楽器がきちんと整理され録音されています。ジョージはちょっとこの曲に自信があったのでしょうね。力が入っています。


6. マザー・ネイチャーズ・サン(テイク15)

ギターの弾き方も、歌い方も、ほぼ決定していて、本番の録音も間近という段階のようです。
まだドラムが入っていないので、このまま聞いていると、オリジナル・バージョンを既に知っているので、何かやはり“物足りない”感じがします。
ミキシング・ルームのジョージ・マーティンとスタジオ内のポールのやり取りも聞こえてきます。


7. ヤー・ブルース(テイク5・ウィズ・ガイド・ヴォーカル)

エレクトリック・ギターの演奏も、ベースも、ドラムのリズムパターンも決定版に近い。
ジョンのガイド・ボーカルが遠くで聞こえていますが、それが余計にこのバージョンのワイルドさを増しているようです。
この曲、楽器の演奏だけだと、ほんとうに荒っぽくてカッコイイ!!
間奏のグギャグギャのギターの隣で聞こえてくるギターのフレーズもちょっといい!
高音のリードギターの音はまだオリジナルバージョンほど過激なものにはなっていません。
まだ、もうひとつを模索中な感じ。


8. ホワッツ・ザ・ニュー・メリー・ジェーン(テイク1)

音はクリアに録られていて、ジョンも真面目に歌っていますので、これもアルバムに本気で入れようとしていたのかもしれないですね。結局“没”になってしまったわけですが・・。
途中でジョンが笑い出しています。そして中断・・。


9. ロッキー・ラックーン(テイク8)

ポールの完全な“語り”から入り、途中からメロディーをつけて歌い出しています。
この曲は、語りでも歌っても、ストーリー性がよく出てきます。あらためてこのバージョンを聞いてそう思いました。
リンゴのドラム・パターンは固まりつつあります。リンゴには得意な曲調かもしれません。
ポールのアドリブが入った歌唱にも、軽々とリンゴはついていきます。さすが!!


10. バック・イン・ザ・U.S.S.R.(テイク5 インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

スタジオ内の音が聞こえてから演奏開始。
ベースのドゥビドゥビいう音は、もうこの段階からやっている。
おそらくジョンであろうかっこいいリズムギターのパターンも登場している。
間奏のリードギターも既にオリジナルバージョンに近い。
バッキング・トラックだが、けっこういい感じで“ノって”いるd(^_^o)
もう少しテンポアップすれば、オリジナルバージョンそのものだ!


11. ディア・プルーデンス(ヴォーカル、ギター&ドラムス)

この録音はギターの音がすでにオリジナルバージョンと同じものになっている。
ドラムとベースが弾むように刻むリズムは、まだ登場していない。
ハイハットのギクシャクしたような16ビートの部分はこのバージョンで登場している。
エンディングのギターの速いカッティングはちょっといいぞ!


12. レット・イット・ビー(アンナンバード・リハーサル)

後に発表されたこの曲の面影はほとんど無い。
でも、このあたりで既にレット・イット・ビーはポールによってメンバーに知らしめられていたのだと思い、少し驚きがあった。


13. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス(サード・ヴァージョン テイク27)

アコースティック・ギターとピアノとドラム、それにエレクトリック・ギターも入ってくるが、これは明らかにクラプトンの弾き方だ。
クラプトンのギターは後からオーバー・ダビングしたなんて言ってた人がいるけど、これを聞くとそんなことは無かったとわかる。クラプトンのギターは、あのオリジナルバージョンの音のつくり方とは異なる。後に加工されてあんなふうになったのだな、と感慨深かった。
クラプトンのギターはこのセッションバージョンでも魅力的!


14. ベイビー・アイ・ドント・ケア(スタジオ・ジャム)

ポールの好きな感じのロックンロール。ソロになってからもよくこんな感じの録音を残している。短い録音だがちょっと面白い。


15. ヘルター・スケルター(セカンド・ヴァージョン テイク17)

ポールのボーカルにはエコーが掛かり過ぎなくらい掛かっている。
ベースのズベン・ズベンいう感じはオリジナルと同じくらい過激。
リズムギターのぶっ壊れたラジオみたいな音もオリジナルさながらの凄さ。
曲のテンポもかなりアップされ、しかもこんな過激な曲なのに、キャッチーな感じがなんとも言えず素晴らしい。
ビートルズは見事にこの曲を料理している。


16. グラス・オニオン(テイク10)

基本的な構成は決まった段階の録音です。
ジョンも歌詞をはっきりと歌っていて、やる気が出ています。
弦楽の音はまだ入っていませんが、この曲の方向性がはっきりしてきて、まだまだ様々な要素を加えることが可能だな、とジョンは感じていたかもしれません。

2019/01/03

新年早々、ホキ美術館の「人・ひと・人」展に行ってきた

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昨日は、千葉市緑区あすみが丘東3-15にある「ホキ美術館」に『企画展:人・ひと・人 -人って面白い-』を早朝にあった仕事のあとに出掛けました。

ホキ美術館は写実画のみコレクションされた特異な美術館ですが、ここの所蔵作品の中から、老若男女の人間を描いた作品を集めた企画展です。
掲載したチラシの写真に載っている人物は「写真」じゃありませんよ!全部絵の具で描いた絵画です。


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ただの写実絵画じゃありません。写実を突き詰め、その人間の本質に迫る作品や、その表情に親しみ、謎めいたものなど、見れば見るほど引き寄せられるのです。
川のせせらぎの中に身をおいた設定や、その他人物がいる場所自体が面白いものもあります。


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ここは何度来てもそのつど面白い美術館です。
私もかなりのリピーターですd(^_^o)


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当日は年賀ということで、ポストカードまでいただいてしまいました。
この美術館は外観も、そして館内も、それ自体がアートなので、それもいいのです。

お正月、新鮮な気持ちのときに行ってみるとよいかも。

2019/01/02

元日は初詣に

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元日は我が家四人家族と義母・義弟妹の七人で初詣に出掛けました。
朝は早起きして、まずは家族四人で氏神様である近くの八幡神社に。
テレビで「まずは氏神様だ」ということを言っていたとのことで、そのとおりにいたしました。

それから義母宅に向かい、七人揃って妻の従弟が宮司をやっているちょっと遠くの神社に向かいました。


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ここでは本堂に上がって新年の祈祷をしてまいりました。
空は快晴で真っ青。
いい気分で七人は初詣をすることができました。
願い事はそれぞれでしょうが、家族の無事が一番です。


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長女が暮れのバイト代で皆に大判焼きを買ってくれ、それを頬ばりながら境内をあとにしました。

いい年になりますように!(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 埴生の宿 / 堀口博雄と東京軽音楽倶楽部 ( 軽音楽 )

ホワイト・アルバム50周年記念盤、「イーシャー・デモ」と「セッションズ1~3」を聴いてみた。【2/4】

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◇CD 4: セッションズ

前回から続いて、今回は「セッションズ」の一枚目からです。
こちらはビートルズがスタジオに入ってアルバムの製作に取りかかってからのセッションを集めたものです。
もともとこのホワイト・アルバムは、個々の楽器の音がうまくとらえられていたアルバムだと思うので、その辺がどう聞こえるか・・楽しみです。


1. レボリューション1(テイク18)

オリジナル・アルバムに入ってた感じのイントロで始まりました。
タイプライターの音もガッチャガッチャと入っていて、曲の骨組みのようなものの感じも決まり気味な感じです。ジョンのアコースティック・ギターは、割と調子良く軽快に弾かれている。

で、途中からあの「レボリューション9」に入っていた音が次々と聞こえ始めます。
もう、アドリブ発声のジャム・セッションに突入した感じになりました。
ああ、もとはこんな感じでジョンが痙攣するように発声した声や、何かを使ってノイズを発生させたり、ドラムの音にエフェクトを掛けたり、なんやかんややっていたのだということがわかります。

メロトロンが入って来たり、ギターのピッキングも“ノってきた”のか、だんだんスピードアップし、力強くなってきます。

こんな感じだったものをレコードにして別の「レボリューション9」として発表したこと自体が信じられないことですが、その頃のビートルズはそういう勢いがあったのだと思います。


2. ア・ビギニング(テイク4) / ドント・パス・ミー・バイ(テイク7)

オーケストラの幕開け的な音が録音されています。これも一部アンソロジーで聞けたものです。
そして突然のドント・パス・ミー・バイ。
これは、オリジナル・テイクとほぼ同様の演奏形態になっています。
途中、カチャカチャとはっきりわかるノイズが入っていますが、何の音かわからない。
ラストに近づき、リンゴの語りまで入っていました。


3. ブラックバード(テイク28)

完成形に近い。
ポールのリズムを取る足音もちゃんと入っています。
ポールのボーカルは生音に近いものです。そして、ちょっとアドリブ的なハミングも入っている。遊びでくずし加減にしているところもみられます。


4. エヴリボディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アン
ド・マイ・モンキー(アンナンバード・リハーサル)

ジャム・セッション風に入ってきます。リンゴのフィル・インも聞いたことのないもので、このときのリズムに合わせたものです。スネアとタムを平坦な感じで叩いていて、ドラマーとしてはあまり聞かないフレーズに興味が少し・・。

リードギターは、まだまだ曲全体の流れも決まっていないなか、探り探りのプレーをしています。


5. グッド・ナイト(アンナンバード・リハーサル)

生音風なエレキ・ギターの音をバックに語るように歌っている短いバージョン。


6. グッド・ナイト(テイク10・ウィズ・ア・ギター・パート・フロム・テイク5)

リンゴが歌い、ジョンやその他誰かがコーラスをつけている。
曲の雰囲気を決めている段階のよう。
これをリンゴに歌ってもらうようにしたのは、この段階でも正解だという気がした。
まだギターのみのバックだが、だんだんと輪郭が出て来ている。


7. グッド・ナイト(テイク22)

ピアノの伴奏に変わった。
リンゴがとても丁寧に歌っている。
コーラスはつけられていない。もうあのアルバムで聞けた雰囲気は出来ている。


8. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(テイク3)

アコースティック・ギター、メインの演奏でテンポは速く、軽快な曲調で録音されている。
でも、まだなんか足らない・・(^^;)・・。
オリジナルの出来の良さを知っていると、そう感じてしまう。


9. レボリューション(アンナンバード・リハーサル)

エレクトリック・ギターでアップテンポになったレボリューション。
まだあのディストーションが掛かったような強烈なギター・サウンドは登場していない。
軽いロックンロールという状態。


10. レボリューション(テイク14 インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

こっちは、ガンガンにディストーションが掛り、あのワイルド・サウンドが鳴りまくっている。
バッキングだけのテイクだが、迫力は十分。リンゴのドラムもかなり“ノって”いて、オリジナルで叩かれていたフレーズも連発。
ギターはこの録音のあともさらに過激さを増していくことになるが、この段階の“ノリ”が引っ張っていったものと感じられた。


11. クライ・ベイビー・クライ(アンナンバード・リハーサル)

ギターも、オルガンも“大人”な感じのフレーズでゆったりとした感じ。
ブルージーで、なかなか味わいのある演奏になっている。
リンゴのドラムはハイハット・オープンとバスドラの同時アクセントのリズムを見せるなど、オリジナル・テイクに近いものがある。


12. ヘルター・スケルター(ファースト・ヴァージョン テイク2)

アンソロジーなどでも聞けた重いリズムのオープニングが聞ける。
ポールもそれに合わせ、ゆったりとした感じで、静かに歌い始める。
でも、のちに強烈にシャウトする部分については、ガツンとハードに歌っている。
このままじゃ、聞いている人は“飽きちゃう”と思うが、やがてはあのオリジナル・バージョンのようなアップテンポで、ベリー・ハードなのにキャッチーな曲に仕上げていくのだから、やはりビートルズはたいしたものだ!

2019/01/01

山本夏彦翁の「完本 文語文」を読みました。

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あけましておめでとうございます。
今年は読書で始まりました。というか、実は大晦日に読み終えた本です。
年末にふさわしく?けちって108円でブックオフにて手に入れた文庫本『完本 文語文/山本夏彦著(文春文庫)』でした。

感想は新年になってしまいましたが、心のみならず、全身に染み渡るような本でした。

著者は大正生まれの昭和育ちであるが、文語文を国語の遺産、柱石だと思っていて、明治以来欧米の文物が入ってこのかたそれまで淀んでいた文語文がにわかに活気を呈した、そしてそれを捨て去ってしまったことを嘆いていますが、そもそも大正生まれの著者にしてからがそんなことを知りうる時代に生まれていない。

でも、幼い頃に父が遺してくれた様々な書物を勝手に紐解き、その時代の空気を知り、時代の様子を知り、その時代の文章に馴染んでいたので、その時代の人物とは旧知の仲のように文筆を通して知古の存在となっているのです。

例として適切かどうかわからないが、私が現役時代のビートルズをほとんど知らずに過し、解散後にその全ての遺産を聞きまくり、まるで旧知の人のように感じていることと、やや似ているのかもしれません。

樋口一葉、二葉亭四迷、中江兆民などは筆者には既知・旧知の人となっています。

佐藤春夫、中島敦ら諸家の名文を引き、失った父祖の語彙を枚挙し、現代口語文の欠点を衝く、そんな本で、私も知らぬことばかりの恥をここで素直に白状しますが、読めば読むほど納得させてくれる本でした。

また、著者が世間に通用してしまって残念に思っている言葉が挙げられていました。

「生きざま」・・死にざまはあるが、生きざまはない・・と言っています。私もまだそっちのくちです。

「告白」と言って白状と言わない・・とも言っています。告白だって、・・イヤな言葉だねぇ・・と、私もまだ思う者の一人です。

「奇しくも」は、目で覚えるから<きしくも>になってしまう、『くしもくも』だろう、と言っていますが、もう間に合わない。
「床の間」を「ゆかのま」と読むがごとしです。

などと、くどくど書いてしまいましたが、少ししゃっきりして新年を迎えることになりました。この本のおかげで!

今年も自分らしく、長いものには巻かれず、札束には切られず、皮肉な返答のひとつもしながら生きて行こうと思います。
それじゃ今年もよろしく。

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