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2019/01/02

ホワイト・アルバム50周年記念盤、「イーシャー・デモ」と「セッションズ1~3」を聴いてみた。【2/4】

20181231_sessions01

◇CD 4: セッションズ

前回から続いて、今回は「セッションズ」の一枚目からです。
こちらはビートルズがスタジオに入ってアルバムの製作に取りかかってからのセッションを集めたものです。
もともとこのホワイト・アルバムは、個々の楽器の音がうまくとらえられていたアルバムだと思うので、その辺がどう聞こえるか・・楽しみです。


1. レボリューション1(テイク18)

オリジナル・アルバムに入ってた感じのイントロで始まりました。
タイプライターの音もガッチャガッチャと入っていて、曲の骨組みのようなものの感じも決まり気味な感じです。ジョンのアコースティック・ギターは、割と調子良く軽快に弾かれている。

で、途中からあの「レボリューション9」に入っていた音が次々と聞こえ始めます。
もう、アドリブ発声のジャム・セッションに突入した感じになりました。
ああ、もとはこんな感じでジョンが痙攣するように発声した声や、何かを使ってノイズを発生させたり、ドラムの音にエフェクトを掛けたり、なんやかんややっていたのだということがわかります。

メロトロンが入って来たり、ギターのピッキングも“ノってきた”のか、だんだんスピードアップし、力強くなってきます。

こんな感じだったものをレコードにして別の「レボリューション9」として発表したこと自体が信じられないことですが、その頃のビートルズはそういう勢いがあったのだと思います。


2. ア・ビギニング(テイク4) / ドント・パス・ミー・バイ(テイク7)

オーケストラの幕開け的な音が録音されています。これも一部アンソロジーで聞けたものです。
そして突然のドント・パス・ミー・バイ。
これは、オリジナル・テイクとほぼ同様の演奏形態になっています。
途中、カチャカチャとはっきりわかるノイズが入っていますが、何の音かわからない。
ラストに近づき、リンゴの語りまで入っていました。


3. ブラックバード(テイク28)

完成形に近い。
ポールのリズムを取る足音もちゃんと入っています。
ポールのボーカルは生音に近いものです。そして、ちょっとアドリブ的なハミングも入っている。遊びでくずし加減にしているところもみられます。


4. エヴリボディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アン
ド・マイ・モンキー(アンナンバード・リハーサル)

ジャム・セッション風に入ってきます。リンゴのフィル・インも聞いたことのないもので、このときのリズムに合わせたものです。スネアとタムを平坦な感じで叩いていて、ドラマーとしてはあまり聞かないフレーズに興味が少し・・。

リードギターは、まだまだ曲全体の流れも決まっていないなか、探り探りのプレーをしています。


5. グッド・ナイト(アンナンバード・リハーサル)

生音風なエレキ・ギターの音をバックに語るように歌っている短いバージョン。


6. グッド・ナイト(テイク10・ウィズ・ア・ギター・パート・フロム・テイク5)

リンゴが歌い、ジョンやその他誰かがコーラスをつけている。
曲の雰囲気を決めている段階のよう。
これをリンゴに歌ってもらうようにしたのは、この段階でも正解だという気がした。
まだギターのみのバックだが、だんだんと輪郭が出て来ている。


7. グッド・ナイト(テイク22)

ピアノの伴奏に変わった。
リンゴがとても丁寧に歌っている。
コーラスはつけられていない。もうあのアルバムで聞けた雰囲気は出来ている。


8. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(テイク3)

アコースティック・ギター、メインの演奏でテンポは速く、軽快な曲調で録音されている。
でも、まだなんか足らない・・(^^;)・・。
オリジナルの出来の良さを知っていると、そう感じてしまう。


9. レボリューション(アンナンバード・リハーサル)

エレクトリック・ギターでアップテンポになったレボリューション。
まだあのディストーションが掛かったような強烈なギター・サウンドは登場していない。
軽いロックンロールという状態。


10. レボリューション(テイク14 インストゥルメンタル・バッキング・トラック)

こっちは、ガンガンにディストーションが掛り、あのワイルド・サウンドが鳴りまくっている。
バッキングだけのテイクだが、迫力は十分。リンゴのドラムもかなり“ノって”いて、オリジナルで叩かれていたフレーズも連発。
ギターはこの録音のあともさらに過激さを増していくことになるが、この段階の“ノリ”が引っ張っていったものと感じられた。


11. クライ・ベイビー・クライ(アンナンバード・リハーサル)

ギターも、オルガンも“大人”な感じのフレーズでゆったりとした感じ。
ブルージーで、なかなか味わいのある演奏になっている。
リンゴのドラムはハイハット・オープンとバスドラの同時アクセントのリズムを見せるなど、オリジナル・テイクに近いものがある。


12. ヘルター・スケルター(ファースト・ヴァージョン テイク2)

アンソロジーなどでも聞けた重いリズムのオープニングが聞ける。
ポールもそれに合わせ、ゆったりとした感じで、静かに歌い始める。
でも、のちに強烈にシャウトする部分については、ガツンとハードに歌っている。
このままじゃ、聞いている人は“飽きちゃう”と思うが、やがてはあのオリジナル・バージョンのようなアップテンポで、ベリー・ハードなのにキャッチーな曲に仕上げていくのだから、やはりビートルズはたいしたものだ!

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